ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

もうひとりのアリス/谷山浩子

 
 この間の日曜日は,久しぶりの降水確率0パーセントで,嫁さんが「昼は好きに食べておいて。」という神のような言葉を残してお出かけしたので,イソイソとホカ弁屋でのりスペシャルを買って,ガツガツと食べてから,プレトレで西方面海岸コースを走らさせてもらいましたです。このコースだと1か所トンネルがあり,これまでリアのテールランプが自動で付けば安心なんだけどなぁと思えることがあったので,新しいテールランプの動作確認も兼ねて,午後零時35分には出発しましたです。往路は少し向かい風だったので,天気が良かったので信号待ちで止まっていると,暑いなぁという感じだったのですが,走り始めると,まだまだ5月の風は少し冷たく,汗だくになるようなこともなく,42キロ走り,いつもの休憩&補給ポイントのコンビニに到着しましたです。アンパンがなかったので,コッペパンこしあんとマーガリンを塗ったパン(最近,これも好きなんですよね。)を食べながら,いつものとおりカフェオレを飲み,追い風の復路を気持ち良く走り,夕方には帰ってきましたです。詳しいレビューはまた今度にさせてもらう新しいテールランプですが,ハッキリ言ってこれまでのテールランプの10倍以上の値段ですが(100均で買ったので当たり前なんですけどね。),非常に満足です。というのも,トンネルに入ってすぐには反応しなかったので,う〜ん,失敗だったかなぁと思っていると,5秒程度で反応し始め,明るさも十分ですし,これならトンネルに入る前に徐行しながら手動でテールランプを点けるという少し危ないことをしなくても良いので,私的には大満足です。しかも,消し忘れがない(でも,トンネルを出ても当分は点いていたので,自動で消えないのかと思ってしまいましたが,家に帰ってから取説を見ると,50秒間は発光するとのことでした。)というのも精神衛生上非常によろしいですねぇ。もちろん,家に着いてから,きちんとメインの電源を切るのを忘れないようにしないと,夜の駐輪場で揺れるたんびにピカピカ光って電池がなくなってしまいますので,注意しないといけないのは,それくらいですかね。基本的には週末しか乗らないし,トンネルの中だけでの利用ですので,電池も結構持つのではないかと思いますが,まぁ電池がなくなってもリフレクター一体型なので,とりあえずは安心なんですけどね。

 というわけで話を変えて今回は,1978年3月に発売された,谷山浩子のセカンドアルバム“もうひとりのアリス”を紹介したいと思いますです。A面は外国の民話,B面(8曲目)は日本の民話をテーマにした非常にコンセプチュアルなアルバムになっているのですが,女性シンガーソングライターのデビューして2枚目のアルバムがこういう内容でいいのか?という気がしないでもないのですが。はっきり言って,こういう内容ではメジャーシーンには出てくることはないよなぁと思いますです。まぁ(私も含め)コアなファンを引きつけるには十二分だとは思いますが,日本の民話がテーマになっているものについては元ネタが分からない曲もありますので,そこは楽曲勝負ということで。
 1曲目の“アリス(プロローグ)”という曲は,深めのリバーブのかかったアコピのみをバックに谷山浩子が唄い始めるのですが,「世界の行き止まりのむこうにキャベツ畑。世界の行き止まりのむこうに幻の国。」と唄い始めの歌詞から,心を持って行かれてしまいますです。プロローグなので,もちろん曲としては短いのですが,十分,掴みはOK!という感じです。
 2曲目の“鏡よ鏡”という曲は,白雪姫の母親の有名な台詞から取られたタイトルなんですが,ポップなメロディーと裏腹なドロドロな歌詞という,谷山浩子のブラックなメルヘンが既にこの段階から炸裂しています。素晴らしい。「鏡よ鏡,ほんとはあたし,きたないからだ欲しくはないの。真白なのが欲しいのよ。」という歌詞を爽やかに唄う谷山浩子のどす黒さに乾杯でございます。
 3曲目の“魔法使いの恋人が逃げた”という曲は,元ネタは私には分からないのですが,この唄では魔法使い=谷山浩子なのではないかと思ってしまうフルカワでございます。「みんな,ねえみんな。出て来ておくれよ,あのひとの涙からあたしを守ってよ。」というところは,多分「あのひとの涙」ではなくて「あのひとのために流す涙」という風に意訳させていただきながら聴かせていただきました。アレンジもストリングス中心で,曲のイメージにピッタリな感じに仕上がっています。
 4曲目の“青い鳥”という曲は,イントロから荘厳かつ拡がりのある雰囲気で,唄が始まってからはピアノだけで唄っているのですが,それがまたイイ感じですねぇ。実は童話の青い鳥自体,有名な話なんですけど,私は読んでいないんですよね。でも,この曲のイメージだけでもう十分という感じです。だって最初から「月の光の青い鳥。この手が触れれば黒こげの。月の光りの青い鳥。この手が触れれば黒い鳥。」だなんて,どうしようもなく救いようがないじゃないですか。この歌詞をサラっと唄ってしまうところが谷山浩子らしいと言えば,そうなんですけど,でもこれじゃぁメジャーにはほど遠いよなぁと苦笑いしながら聴かせていただきました(私は救いようのないところも含めて好きな曲なんですけどね。)。
 5曲目の“不思議なアリス“という曲は,ストリングスが明るく演奏し,谷山浩子も可愛らしく唄っている,ある意味ポップな曲なんですけど,そのポップな曲で「あたしのナイト,闘って死んだ。あたしのために死んだ。とっても悲しい,一晩泣いたの,涙は出なかった。」って,いいんかい,こういう歌詞で。いいんだよな,谷山浩子だから・・・と思っていないと。サラッと聞き流せば,ただ単にポップな曲なだけなんですけどね。でも,人前では唄えないよねぇ。一人の部屋でじっくり聴きたい唄ですね。
 6曲目の“赤い靴”という曲は,おぉ弾んだリズムに,少し明るい谷山浩子の声に救われたような気もするのですが,歌詞の内容は非常に破滅的なんですよね。「知らないわけじゃなかった。一度履いたら死ぬまで踊り続ける魔法の靴に出会ったがあたしの運のつき。」っていきなり始まるのですが,深読み大好きのフルカワは,「魔法の靴」を他の言葉に置き換えても十分汎用性があるなぁと思ってしまったりするのですが,さすがにそれは深読みのしすぎでしょうかね。
 7曲目の“アリス(エピローグ)”という曲は,1曲目のプロローグと対になっており,その昔文庫本で発売された谷山浩子の詩集(こんなものまで買ってしまうくらいファンでした・・・)では,プロローグとエピローグが1つの歌詞として“アリス”のタイトルで発表されています。自分で編集して1曲で聴いてみるのもいいかもしれませんが,アルバムの作りとしては,重たいパイプオルガンのロングトーンで終わるこの曲でA面を締めくくった方が,気持ち的にB面へ移行しやすいので,やはりこのままの方が良いかなぁと思いますです(CDだとA面もB面もないのですが,それでも8曲目から曲の世界観が変わるので,そういう意味では区切りとして良いと思いますです。)。
 8曲目の“北風南風”という曲は,NHKのみんなの歌っぽいアレンジで,あ〜日本人(でも演歌じゃないよ。)と私は感じてしまう曲です。「北風吹けば帰ってくる。旅の子供たち,帰ってくる。」という歌詞から,私的には北風小僧の寒太郎と思い出したりしてしまいましたですが,この曲を思い出してしまったから,みんなの歌っぽいと思ってしまったのかもしれませんです。
 9曲目の“二月の部屋”という曲は,女性の淡々としたナレーションから始まり,主にピアノとフィドルをバックに谷山浩子が朗々と歌っているのですが,Aメロとサビのメロディーのあまりの落差にハッとさせられてしまうのですが,サビの終盤でまたAメロっぽくなり,Aメロに戻っていくのですが,この辺のコード感はピアノで曲を作っている人ならではだなぁと思ってしまいましたです。ギターだとこうはいかないんじゃないかと思います。しかし,最後の「「二月の扉をあけてはならぬ。あければ悔やむ,あければ悔やむ。」と途切れ途切れに唄うラストは切ないというよりも少し恐いかなぁと思ってしまいましたです。
 10曲目の“雲雀“という曲は,9曲目とは打って変わった柔らかい音で,少しユーモラスな歌詞を谷山浩子が少しユーモラスに唄っています。こういう唄い方もできるじゃないの!と思ってしまいましたが,「春は楽しい季節だってのに,あたしひとりが馬鹿をみる。」という歌詞を聴いて,なんか嫌なことでも当時あったのですかい?と相変わらず深読みしてしまうフルカワだったりするのですが。
 11曲目の“水蜘蛛”という曲は,ピアノを中心としたアレンジで谷山浩子が淡々と唄っているのですが,歌詞の内容と相まって女性の怖さでゾクゾクしてしまう曲です。「水の面のきらきらひかり,集めて糸をつむぎます。日がな一日かたこと。」なんてところはまだユーモラスな感じがしないでもないのですが,「あたし,あの男,欲しいよう。」から「あたしの糸が男の足に優しくからみひっぱるよ。糸は心だそれひけ,糸は心だやれひけ。」っていうところから先は,私の大好きな女の情念全開な歌詞で,私的には「あ〜やられてしまいました。」っていう曲でございます。
 12曲目の“夜明け前声がやって来た”という曲は,いわゆるエンヤトットのリズムでピアノとアコギがリズムを刻みながら,多分,民話をそのまま歌詞にしたと思われる歌詞を淡々と唄っているのですが,この曲も恐いなぁというか,日本の民話って本当,「薄暗い」よねと思ってしまいました。これは決して谷山浩子の曲や唄い方が暗いからではなく,そもそもテーマ自体が薄暗いからなんでしょうけど,こういうテーマを選ぶこと自体が,もう,ねぇ,メジャーになることを拒否しているとしか思えないですよね。
 ラストナンバーの“やまわろ”という曲は,ラストに相応しい,このアルバムでやっとリズムの強い,バンドアレンジの曲で,イントロのむせび泣くサックスの音色がたまんねぇなぁと思っていると,いきなり「やまわろ来る来る,固く目をつぶれ。」って唄い始めるんだもんなぁ。そもそも普通のひとは「やまわろ(山童)」なんて唄われても分かんないですよ。私もググってしまいましたよ(分からない人はググってみてください。)。でも,やまわろの意味は分からなくても何となく妖怪なんだろうなぁと意味が通じてしまう歌詞は素晴らしいです。そして最後はヴィヴラスラップ一発で終わるところも潔しです。
 しかし,最後まで聴くと,本当,これで2枚目?っていう感じですよね。しかも,このアルバムを発表した当時,22歳ですぜ,この人。枯れてるなぁ,というか何なんでしょうかね,このメンタリティは。まぁ,いいんですけどね,私的にはズブズブにはまるくらい好きですから。結局,フルカワはこういう世界観が好きなんですよ,えぇ,いいじゃないですか,個人的な趣味なんですから。

 話は変わって,この土日も週間天気予報では降水確率が高かったのですが,なぜか今日は天気が良かったですね。まぁ,今日は下の子供の体育祭ですので,日程どおりにやってもらったほうが良いので,晴れて万々歳なんですけどね。というわけで,仕事は休みだというのに早めに起きて,体育祭を見に行ったのですが,やはり若さ炸裂ですね。うん,オジサンはやっぱりオジサンだったよ。みんな同じ格好なので,自分の子供がどこにいるのかサッパリ分かりませんでしたが,まぁ,自分の子供を観るというよりも,若さ炸裂の体育祭を楽しむっていう感じでしたが,朝8時に家を出てから電車の中も含めて立ちっぱなしでさすがに疲れたので,途中で帰らせてもらいましたが,まぁ十分堪能させてもらいましたです。自分もこういう感じだったのかなぁ?と思ってしまいましたが,こんな爽やかな青春ではなかったよねと少し悲しい気持ちになってしまうオジサンでした。
 で,明日の降水確率は午後から70パーセントなので,久しぶりに家でウダウダしていなさいっていうことですね。2週続けて土曜日に少し早く起きたし,ゴロゴロするのも良いとは思うのですが,多分,私のことなのであんまりウダウダしていても暇をもてあましてしまうと思いますし,よく考えなくても今月はほとんどプレオに乗っていないので,少しはプレオも乗っておこうかなぁと思っていますが,まぁ,そこは気分次第で。個人的には夜中に好きなだけ降って,昼には路面が乾いてくれると非常にうれしいんですけど,そんなに都合良くいくわけはないですよねぇ。