ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

あさま山荘1972(下)/坂口弘


 昨日は仕事関係の会合があって,その後は楽しい懇親会でまた飲んでしまったので,今日は若干体が重いながら,まぁ元気でやっていますです。しかし,笑ってしまったのが,以前通勤していたところからの参加者がフルカワさんによろしくお伝えくださいって言われたんですけど,たくさんの人に言われ過ぎちゃって覚えきれなくてすいません,て言われちゃったことかなぁ。でも,以前通勤したところを異動してもうすぐ1年になるけど,そう言ってもらえるだけでうれしいし,こっちも思い出したら私もよろしく言っていたとお伝えくださいとお願いしておきましたです。なんか,仕事絡みで以前通勤していたところに行きたいなぁ(で,そっちの皆さんと楽しく飲んで話をしたいなぁ・・・)とちょっと思ってしまいましたです。

 され,今週は,前回に引き続き,坂口弘の“あさま山荘1972「下」”について語ることにしたいです。本来であれば山岳アジトの話が来るべき何でしょうが,この下巻ではひとまずあさま山荘事件について触れられています。やはり同志殺害の山岳アジトのことはなかなか書けないんだろうなぁと思ってしまいましたです。
 第13章の「妙義山脱出」では,山岳ベースからの撤収,永田洋子らの逮捕,軽井沢駅での植垣康博らの逮捕が淡々と,本当に淡々と記述されています。
 第14章の「あさま山荘へ」では,さつき山荘での銃撃戦を経て,坂口弘らがあさま山荘に籠城するところまでが記述されているのですが,ここで笑ってしまったのが,坂東国男が被害者の牟田泰子さんに対して「我々は戦争をなくすために戦っているのだ。」と説得したところなんですけど,戦争をなくすという目的の下に意味もなく12名の同志を殺害しているのに,今更そんな理由か?って思ってしまったです。
 第15章の「徹底抗戦」は,坂口弘らがあさま山荘に籠城し,警察権力と徹底抗戦し,殲滅戦を行うことを決めるまでの心理描写がなされているのですが,ここで書かれている「吉野君は,統一公判の途中で転向して分離裁判を受け,無期懲役を受けた後は,過去を一切忘れようとして服役生活を置こうって居る。私は国内に残り,統一公判を維持して連合赤軍事件の総括にいそしんでいる。」とあるのですが,吉野雅邦が過去を一切わすれようとしていて,自分は総括にいそしんでいるっていうのは,あまりにも自分勝手な解釈ではないかと思ってしまいましたです。吉野雅邦も無期懲役囚として,贖罪の日々(特に自分の妻と子供に対しては)を送っているはずなのになぁと思ってしまいましたです。
 第16章の「狙撃」では,あさま山荘の玄関口に無謀にも近づいた民間人や機動隊員を狙撃したときの内心や機動隊の攻撃によるあさま山荘内部の様子が描かれているのですが,この中で,既に死亡している寺岡恒一の父親が投降の呼びかけに来たところで「誰かがポツンと「この世にいない者の親を呼ぶんだからなぁ。」と言った。」という記述の後,寺岡恒一の遺体が発見された時,寺岡恒一の父親が「恒一があさま山荘にいなくて良かった。」と語ったと言われるという記述があるのですが,父親の悲痛な思いと自分自身を慰めている様子が非常に伝わってきましたです。
 第17章の「強行突入」では,機動隊の総攻撃の様子を内部から描いた,資料としては超一級(個人的にですけど。)のものだと思いますです。機動隊員2名の射殺,爆弾の投下,催涙ガス攻撃と機動隊の突入,逮捕までを描いており,機動隊目線で描いた佐々淳行の「突入せよ!あさま山荘」と読み比べるのも面白いと思いますです。
 第18章の「沖縄返還協定をめぐる情勢」では,山岳ベース事件に触れる前に当時の社会情勢に触れておきたいということで,社会情勢に触れながら,革命左派と赤軍派の共同軍事訓練までが淡々と描かれています。
 第19章の「共産主義化論の登場」では,革命左派と赤軍派の共同軍事訓練が行われ,その中で森恒夫共産主義化論や銃の物神化が出てきた上に,革命左派と赤軍派の醜いヘゲモニー争いに翻弄され,各派の兵士に対する無意味な総括の開始等,段々と陰惨な状況が描かれています。というか,共産主義化論にしても銃の物神化にしても,よくこんな胡散臭い理論を信じることができたよなぁというのが,正直な感想ですかね。
 第20章の「榛名ベースでの新党結成」は,地獄への階段を上り始めることになる連合赤軍の結成とそれまでの理論的な根拠の放棄を描いていますが,この辺になると,もう銃あるのみで理屈なんて後付という感じで,非常に論理的に脆弱な組織であったことがよく分かりましたです。
 第21章の「暴力による総括と最初の犠牲者」では,最初の犠牲者である加藤能教が殴打を受け,永田洋子による「殴打援助論」なんていうトンデモ理論を経て,死亡させ,しかも「敗北死」などという噴飯モノの理論まで出てくる始末で,もう本当に終わったな・・・という感じがしましたです。
 第22章の「死者続出の総括」では,新藤隆三郎らに対する総括が描かれているのですが,新藤隆三郎の「何のためにこんなことをされているのか分からない!革命戦士になるために何でこんなことが必要なのか!待ってくれ!」というしごく当然の叫びがなされているのですが,もう壊れてしまった組織にはそんな当然の叫びなんて届くはずもなく,死んでしまうという,本当に犬死にとしか言いようがないですよね。
 実は下巻は第22章の途中で唐突に終わっているのですが,その理由が,郵便事故?による原稿の紛失という本当かよ?ってな理由によるものなのですが,関東郵政監察局の文書が最終ページにあり,本当になくなってしまったんだなぁと思ってしまいましたです。したがって,この続きは「続」ということで次回を締めくくりとして書きたいと思いますです。

 え〜ところで,先週,アマゾンに注文していたGAUZEのCD2枚と大泉康雄の「あさま山荘籠城 無期懲役囚吉野雅邦ノート」が届きましたです。GAUZEについては,ほぼヘヴィローテーションでMUVOで聴いていますし,「あさま山荘籠城 無期懲役囚吉野雅邦ノート」も徐々に読み進んでいますです。しかし,植垣さんの本を読み,坂口さんの本を読んで,次は永田洋子か?と思いつつ,なんか2人の本を読んでみて,永田洋子の本はあんまり読む価値はないかなぁと思い,「あさま山荘籠城 無期懲役囚吉野雅邦ノート」にしたのですが,これが結構良い本で,写真等の資料も充実していますし,これを読んだらとりあえず文献はこれで終わりでもいいかな?って思っていますが,またなんか面白そうなのがあれば,買ってしまうんでしょうけどね。
 しかし,嫁さんがこの本を見て,相変わらず好きだねぇと何とも言えない目で見られてしまったのですが,まぁ共産趣味者なんであきらめてくれぃ!としか言いようがないですね・・・