ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

小説連合赤軍/小堺昭三


 年末年始のお休みも終わり,粛々と仕事をさせていただきましたが,やはり休み明けにフルに働くと肉体的にも精神的にも少しきついですね。などと言いながら,昨日はきっちり残業しましたけどね。しかし,本当に最近は年末年始感がなくなったですよね。年末年始感があるのは,テレビの中くらいですかね。やはり,お店が休みにしないので人の動きがあるからなんとなく普段のままなんでしょうね。昔は,正月三が日なんてどこも開いていないから,必然的に毎日おせち料理を食べるしかありませんでしたし,どこも開いていないのだから家の中で遊んだり,天気が良ければ学校のグラウンドで凧を上げてみたりしていて,1月3日の夜におせち料理に飽きた口にククレカレーのおいしかったこと。今はコンビニどころか24時間営業のスーパーは開いているし,大型ショッピングセンターも早くから開いているので,別に食料品を買いだめしておく必要もないし,遊ぶところや本屋も開いているので,本当,普段と変わらない長期のお休みという感じかなぁ,人の数も減らないしね。

 などとウダウダと書きながら,年末年始の休みで読んだ“小説連合赤軍”について書きたいと思います。最初に断っておきますが,「小説」と入っているのは伊達ではなくて,やはり「小説」でしたというのが本当のところの感想ですかね。連赤マニアの私は買ってしまいましたが,個人的にはこの本に3200円で買うのであれば,植垣康博の“兵士たちの連合赤軍”と大泉康雄の“あさま山荘籠城 無期懲役囚吉野雅邦ノート”を買った方が当時の時代背景を含めてよく分かるし,良いのではないかと思います(2冊合わせて2400円ですし・・・)。というわけで,この本に興味のある方は図書館とかで探すことをお勧めします(図書館になくて,どうしても読みたければ買うしかないとは思いますが。)。
 この本は19章からなっていて,革命左派のことを書いてみたり赤軍派のことを書いてみたりしながら,最後は連合赤軍のことを書いているのですが,まず第1章では“「光和荘」の二人”と題して坂口弘が多分保釈された後の永田洋子坂口弘のことが描かれているのですが,どう考えても事実(と言っても本人たちが書いている本を元にしている事実ですけど。)と違うことや故意におもしろおかしく歪曲(小説だから仕方ないか・・・)したりしていて,気持ちのよいものではなかったですね。特に永田洋子がやたらと坂口弘と激しいセックスをしていたような描写は2人が世に出てくることがないのをいいことに読者の興味を煽っているのではないか(例えば,バリケードの中ではフリーセックス状態だったという誹謗中傷のように。)としか思えないんですけど。
 第2章は“光と影”と題して,吉野雅邦と金子みちよのことが描かれているのですが,ここでも特に書く必要のない性描写が鼻につくんですよね。大学生になって付き合っていればセックスだってするでしょうが,事実かどうかも分からない二人のセックスをさも事実のように描写することは,2人に対する侮辱ではないかと思うんですけどね(現在,吉野雅邦は無期懲役ですし,金子みちよは総括されているので,こういうことがあったかどうかは確認することができないでしょうし。)。「小説」だと割り切って読めばおもしろいのかもしれませんが,先に当事者等が書いたものを読んだ私にとっては何だかなぁという感じですね。
 第3章は“迷路”と題して,加藤三兄弟のことが描かれているのですが,どちらかというと加藤三兄弟の父親も目線で描かれていて,これが事実かどうかは分からないのですが,事実だとすれば加藤三兄弟がこうなってしまったのもやむ無しかなぁと思ってしまいました。中でも,旅行にもお茶とおにぎりを持参して,外食をすることがないというエピソードには,そりゃあないでしょう?と思ってしまいましたです。旅行では,その場所のものを食べることも含めて旅行なのに,これでは旅行の楽しみも半減ですよねぇ。というか,本当にここまでする人がいるのか?と思ってしまわざるを得ないので,これも結構事実を歪曲または全くの創作なのでは?と思ってしまいましたです。
 第4章は“「頼良」の親たち”と題して,山本順一・保子夫妻のことが描かれているのですが,ここでもなんかやたらと生々しい性描写があったりして,本当,実在の人物をそのままの名前で書いているのにやり過ぎでないのと思ってしまいましたです。やはり「小説」だからということでしょうか。山本順一は一般の兵士であり総括されてしまったため,資料的なものは一切ないのですが,これに書いてあることがどこまで事実なのかは分からないのですが,あまりにも興味本位ではないかと思ってしまいましたです。
 第5章は“赤軍派群像“と題して森恒夫を中心にした初期の赤軍派について描かれています。しかし,ここでは「森恒夫はサディストで女に対しては欲望が強いのに不信感と復讐心だけがある」ので,小嶋和子,遠山美枝子,金子みちよ,大槻節子を惨殺したのもその表れだとしていますが,なんだかなぁという感じですよね。しかも,寺岡恒一が遠山美枝子の陰毛を焼いたのに,なぜか森恒夫を変態性欲者呼ばわりまでしていますし。本当,なんだかなぁという感じでございます。報道されている事実を混ぜているので,どこまでが事実でどこまでが創作なのかが分かりにくいので何とも言えないです。
 第6章は“ハイジャック以後“と題して,赤軍派よど号ハイジャックまでの経緯とその後を描いていますが,ここで田宮高麿がやたらと「ニャロめ」と言っているようjに描かれているので,笑ってしまいました確かに赤軍派の声明に「我々は明日のジョー」であるという言葉はあり,明日のジョー,それから掲載誌である少年マガジンを読んでいたことは明らかですが,おそ松くんはないのではないかと。なんか,まぁ,「小説」だからこんなものですか?
 第7章は“魔のテルアビブ”と題して,パレスチナ日本赤軍となった重信房子らについて描いているのですが,日本赤軍連合赤軍(又は赤軍派)は枝分かれしていった先の話なのになんで,ここで取り上げたのかがよく分からないですね。というか,取り上げる必要があったのかどうかも分かりませんし。まぁ,「小説」だから読者の興味が引ければいいのかな。
 第8章は“母と子”と題して,板東国男を通して主に母親のことが描かれているのですが,本当かよ?というような内容で,ちょっとめまいがしてしまいましたです。確かに母親が子供を信じたいことは分かるのですが,あれだけの事件を起こして,息子は悪くないとはなかなか言えないのではないかと思うですが。まぁ,ねつ造したり脚色しているんでしょうねぇ,「小説」だし。
 第9章は“戦死者第一号”と題して,革命左派の上赤塚交番事件を描いているのですが,ここでも意味もなく永田洋子が色情狂のような描写がされていたりして,あまりの必要性のなさにどういうことよ?と思ってしまいましたです。話のメインは上赤塚交番襲撃事件で柴野春彦の父親の話なのですが,これもどこまでは事実でどこまでが想像なのかが分からないのですが,面白い話ではあるんですけどね,「小説」としては。
 第10章は“雪国への逃走”と題して,革命左派の真岡市銃砲店襲撃事件の前後のことを描いているのですが,まぁ虚実取り混ぜてという感じで。
 第11章は“平和ボケ”と題して,真岡市銃砲店襲撃事件後の逃走について描いているのですが,石井功子が加藤三兄弟の次男の隆教をツバメにしていたところに警察が乗り込んだとか,もう,なんて言うのかな,偏見としかいいようがないよね。ようするにこの当時,革命運動をやっていた連中は革命を叫びながらその実,ドロドロの肉欲主義者だということにして,そんなにまでして貶めたいのかねぇと思ってしまいましたです。永田洋子坂口弘にいたっては,狭いアパートの一室で6人で生活しながら押し入れの中でセックスに励んでいるような描写がされているし。困ったもんだなぁと思ってしまいましたです。
 第12章は“弱気の虫”と題して赤軍派のその当時の動きについて描いているのですが,時系列で話が進まないので,なんか話が分かりにくいなぁと思ってしまいました。回想部分とそのときのリアルタイムの部分を混ぜて書いているので,理解しづらいんですよね。
 第13章は“宇和島グループ”と題して,連合赤軍結成前夜のことを描いているのですが,ここでも革命左派が札幌に埋蔵していた銃を取りにいくところで,2組のカップルが青姦でやりまくったという描写があり,本当にこの作者は,こういう見方をしているんだなぁというか,実在の人物を実名で描きながら,こういう人間性を貶めるようなことを平気で書いてしまうのかなぁと思ってしまいましたです。ところでタイトルになっている“宇和島グループ”なんですが,たんに革命左派の中の宇和島出身者のことを勝手に組織内部にそういうグループがあるように書いているだけで,何の根拠もないグループでしたって,なんのこっちゃい?
 第14章は“巨頭会談”と題して,連合赤軍結成に向けた話が描いているのですが,まぁ脚色が相変わらずすごいねと思いつつ,まぁそこは「小説」だからということで。
 第15章は“印旛沼の闇“と題して,革命左派の印旛沼事件のことを描いているのですが,いきなり向山茂徳と早岐やす子の処刑の順番が違っていたりして,えぇ,もう「小説」ですからという展開でございます。
 第16章は“針の山”と題して,山岳アジトのことが描いているのですが,その前に瀬木政児と松本志信のことで,ひどいことを書いていまして,事実かどうか知りませんが,松本志信が瀬木政児と付き合っているのに他の男の子供を妊娠してしまい,瀬木政児は,それでもかまわないと二人で逃げたということなのですが,これ,事実でないとすれば本当にひどい話ですし,仮に事実であったとしてもそんなことを書くことに何の意味があるの?って思ってしまいましたが,「小説」ですもんねぇ,仕方ないか。しかも,山岳ベースの生活のところでも,「女が雪の上で四つんばいになり,あるいは樹木にもたれかかり,男が密着し獣のような声をあげた。」などということが,お前見たんか?と思えるような描写がされており,全くこの作者は・・・と思ってしまいましたです。
 第17章は“地獄の叫喚”と題して,総括という名のリンチ殺人について描いていますが,やはり“小説”なので,現実の悲惨な総括よりもなんか作り物的な話になっていて,なんだかなぁという感じですね。総括について詳しく知りたい人は植垣康博の“兵士たちの連合赤軍”か坂口弘の“続あさま山荘1972”を読んだ方がいいと思いますです,うん。
 第18章は“「あさま山荘」暮色“と題して,あさま山荘事件について描いているのですが,なんか薄いよねぇという感じですかね。この辺をじっくり読むのであれば,坂口弘の“あさま山荘1972下”か警察目線であれば佐々淳行の“連合赤軍あさま山荘」事件”をお勧めしたいところですね。
 最終章の“死者達の声なき声”では,総括死させられた兵士達の死体の捜索を描いているのですが,7ページ程度の記述で終わってしまい,はっきり言って尻切れトンボでした。というか,これで終わりなんですか?というような終わり方で,非常に不満の残る終わり方ですね。第三者が書いたものであれば大泉康雄の“あさま山荘籠城 無期懲役囚吉野雅邦ノート”の方が良いですね。なんといっても資料として一審判決が掲載されているので,資料としても客観的にその全容を理解することができますし。
 というわけで,私的には一度読んでみたい本でしたので,買ってはみたものの,なんだかなぁという本でしたね。もし可能であれば,吉野雅邦が仮出獄して,金子みちよのことも含めて何か書いてくれれば,かなり読んでみたいなぁと思うのですけどね,ちょっと無理かなぁ。刑務所本で読む限り,吉野雅邦は何も語らなさそうですしね。

 うぉ〜今回のブログはちょこちょこ本を読み返しながら書いてしまったので,午後から書き始めたのに夕方になってしまったですよ。う〜ん,今日はもうどこにもいけないなぁと思いつつ,ほとんど家から出ていないので,自転車は無理としてもちょっと散歩でもしようかなぁと思ってみたりしています。今日は天気が良かったのになぁ。しかし,午前中に掃除もしたし,午後はブログも書いたので,明日,明後日は特に用事はないはずなので,天気次第でプレトレに乗ってどこかにプラプラと走りに行こうかなぁと思っていますです。あんまり寒くないといいなぁ・・・