ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

あさま山荘1972(上)/坂口弘


 え〜っと,昨晩は大変楽しく飲み過ぎて,後半戦の記憶がすっ飛んでしまっていますが,そんなに二日酔いがひどくないのは日本酒を飲んでいないからだな。きっと。出張で溜まっていた仕事もなんとか通常営業で回るようになってきたし,まぁまぁイイ感じの日々を送っていますです。今年は異動はないはずなので,このままのペースで送別会シーズンに突入ですかね。まぁあんまり飲み過ぎないようにしましょうかね(といいつつ,行けば飲んじゃうんでしょうね,きっと。最近は会計も楽なので,定額飲み放題の店に行くことが多いので,本当,気兼ねなく飲めるもんなぁ。)。

 というわけで,今回は坂口弘さんの“あさま山荘1972(上)”を紹介したいと思いますです。「(上)」とあるとおり,「(下)」,「(続)」と全3冊あり,内容もそれぞれに異なっているので,3回に分けて書きたいと思いますです,上巻では生い立ちから印旛沼事件までを350ページにわたり,時代背景がうかがえるような記載になっているので,植垣康博の“兵士たちの連合赤軍”よりも読みやすいのではないかと思います(まぁ,兵士たちの連合赤軍”は1冊なので,どうしても時代背景を含めた細かい描写は無理だと思いますけど・・・)が,3冊で約1000ページはあるので,その分量に耐えられる興味を持っていないと読破する(というか買うこと)は難しいのではないかと思いますです。
 第1章は革命左派による1969年の羽田空港突入事件のことが触れられており,この闘争から道を誤ってしまった組織の内部が描かれています。なかでも,当時の行動隊長が「俺にはできない。」と言って組織から脱落するところを描いたシーンは,闘争と家族の二択をし,家族を選ぶという真っ当な選択をし,当時はそのまま組織から離れていくことができ,まだ組織としてはまともだったのだなぁと思ってしまいましたです。よく考えなくても,こんなことをすれば執行猶予になるはずはなく,普通の感覚なら脱落してしまうと思うのですが,そんなことを思いつきもしないほどただただ「反米愛国路線」は正しいのだから,そのためには手段は選ばないとするところが本当,間違っていると思うのですが,それは後から見ているからなんでしょうかね。
 第2章は羽田空港突入事件で逮捕され,勾留から公判が開始され保釈されるまでを描いているのですが,その中で笑ってしまったのが,赤軍派の大阪戦争と東京戦争の話で,戦争と名は付いているものの,内容は交番に火炎瓶を投げ込んだ程度で戦争だなんて笑ってしまうよな。公判の内容等については本当に淡々を記載されていて,よく覚えているなぁと少し関心してしまいましたです。
 第3章は坂口弘の生い立ちとして生まれてから活動家になるまでは,これまた淡々と記載されているのですが,この中で嫌らしいなぁと思ったのは,坂口弘が警鐘というグループに入るため,大学を中退したい(警鐘グループに入る前提として労働者でなければいけないため。)と後の革命左派のリーダーに訴えたところ,自治会は組織の資金になるからという理由で駄目出しを坂口弘にするところですね。小難しい理屈はこねるけれど,なんら具体的な生産をしているわけではないので,大学生でもないのに寄生虫のように大学の自治会の利益を横流しさせているって,なんか大学側の資金の不透明性等に対して抗議運動なんかをしていたくせに,自分らがやることは一向に構わないというダブルスタンダード,こんな組織だから見放されてしまうんだろうなぁと本当に思ってしまいましたです。
 第4章は大学を中退し,労働者になってからの話で,最初の会社で労働組合を結成しようとしたけれど,会社の上層部にばれて組合を結成することなく退職してしまったりなんてことをサラッと書きながら,メインは10.8羽田闘争の成功による実力闘争の時代への意識の変化を描き,10.8羽田闘争から王子野戦病院開設反対闘争までを取り上げ,正に街頭実力闘争の時代だと言っていますが,やっぱりここでなまじうまくいったのが,後の誤りの始まりなんだろうなぁって本当に思ってしまったです。
 第5章は警鐘グループから革命左派誕生までが描かれており,あんまり興味のない人には本当に面白くないので,割愛させていただきます。
 第6章は革命左派の誕生から迷走までを描いており,比較的まともだったリーダーが失墜し,ちょっと困ったリーダーになり,有名な某党の「球根栽培法」っていう非公然本を「登山の手引」という名称で復刻させてみたり,ダイナマイトで米軍厚木基地を爆破しようとして失敗してみたりしていく中で,永田洋子の台頭がこっそりと記載されています。坂口弘の言うところの冒険闘争を盲従しがむしゃらに貫徹しようとする永田洋子は正に,後の本当に道を誤って行く過程なんだなぁと思ってしまいましたです。
 第7章は革命左派が非合法武装闘争へ突入していく過程を描いているのですが,その中で本当に大きなターニングポイントとして失墜したリーダーが権力に弾圧を受ける清次ゲリラ闘争に反対したのですが,それはメンバーに聞き入れられることはなく,リーダーは組織から抜けていってしまうんですよね。ここで,踏みとどまっていれば,本当にあんなことにはならなかったのにと思ってしまいましたです。
 第8章は羽田空港突入事件で長期の論告・求刑を受けてから,永田洋子との同棲生活までを描いて居るのですが,坂口弘永田洋子と同棲することにした理由が凄いんですよね。「肉体的に若さの盛りである一方,精神的には長期求刑と武闘責任者としての重圧に苛まされる毎日。こうして刑務所に入る前に女性を抱きたいとの願望が募」った結果,永田洋子と同棲することになったっていうんだから,ようするに刑務所に入る前にセックスできる相手であれば,だれでもよかったのかよ?って感じで,なんかもう,困ったもんだなぁって思ってしまいましたですよ。
 第9章は獄中のちょっと困ったリーダーを奪還する計画の話なんですけど,その中でとうとう永田洋子が革命左派の最高指導者になってしまうんですよね。しかし,たった5人の投票によって決められた最高指導者なんて,はっきり言ってよくわからないなぁというか,なんでそんないい加減なやり方で決めた指導者の指示から逃げられなかったのか,理解できないのですが,そういうもんなんですかねぇ。
 第10章は,上赤塚交番襲撃事件と疑心暗鬼によるスパイ問題が描かれています。上赤塚交番襲撃事件は,革命左派のメンバーが交番を襲撃し,それによって奪った拳銃でリーダーを奪還するという,もう理解不能な計画で1人が死亡,2人が重傷という当然の結果のような事件なんですけど,本当に成功するなんて思っていたところが凄いというか,そもそも間違っていますよね。ここで射殺した警察官の正当防衛について論じていますが,射殺されなければ警官を殺してでも拳銃を奪うことは当然の想定であって,どんな形であれ正当防衛は成立すると思うんですけどね(場合によっては過剰防衛かもしれませんけど。)。でも,ここで坂口弘は,この失敗でリーダーが武装闘争を中止をすることを希望していたということなんですけど,それならなんで組織から抜けるという道を選ばなかったのかが不思議ですね。自分の主張や思想を相容れない組織にいたって意味はないと思うんですけどね。で,この段階でスパイ疑惑のメンバーを殺すか?なんて相談しているあたり,もうなんて言うか,組織として終わっていますよね。
 第11章は,銃砲店襲撃と山岳ベースまでの流れを描いているのですが,一般市民の銃砲店を襲撃することを正当化する理由として「銃砲店は警察権力と一体化しているので,その末端組織とみなすべきだ。」なんていうめちゃくちゃな理由で正当化しているんですよね。なんというか,まぁひどい話だなぁって思ってしまったです。銃砲店を襲撃した結果,革命左派のメンバーは地下に潜ることになるのですが,その中で山岳ベースを思いつき,山岳ベースへと移行するのですが,その中で2人のメンバーが脱走してしまうんですよね。しかし,理解できないのは山岳ベースに来るのも来ないのも自由ではないのかと思いますし,実際,自由ではないかというメンバーも居たのですが,結局,認めなかったんですよね。この組織としての硬直性が後々の事件を引き起こしていくんだろうなぁと思ってしまいましたです。
 第12章で上巻は終わってしまうのですが,第12章は印旛沼事件を描いています。あまりにもあっさりと2人の人間を殺したことを書いている(まぁ坂口弘は殺害の実行行為はしていないので。)ので,拍子抜けしてしまうのですが,「組織防衛のため」という理由でそれまで同士だった人間をいとも簡単に殺してしまえるほど,組織の規律の中で人間性って簡単に壊れてしまうんだなぁって本当に思ってしまったです。

 全く話は変わるのですが,今日はバレンタインデーなんですけど,仕事が休みなので家族からチョコレートをもらっただけで終わったので,気が大変楽でございましたですよ。やっぱ,職場で義理をもらうと1か月後はどうしようかなぁなんて本当に悩んでしまうし,結構,金が掛かったりするので,本当,義理チョコ制度は辞めていただきたいと思っております。家族分ならあんまり考えなくても(多少は考えますけど・・・)有名どころとか,そこそこの値段のもので文句はでないもんなぁ,うん。 
 しかし,いぬん堂さんからおまけDVDが送られてくることがなく,音楽ネタがちょっと切れている今日この頃なんですが,アマゾンでゴソゴソさがしているうちについつい,大泉康雄の“「あさま山荘」篭城 無期懲役囚・吉野雅邦ノート”とGAUZEの“限界は何処だ”と“面を洗って出直して来い”をポチっとカートに入れてしまったです。そうこうしているうちに実録あさま山荘事件もDVDも届くし,ハードコアパンク連合赤軍モノで当面,このブログは埋め尽くされる予定ですので,あんまり興味のない人はどうもすいませんm(_ _)mって感じですかね。