ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

ゆほびか/梶山シュウ


 先週は,なんだかんだで飲み会が2連チャンになってしまし,やっぱもう若くねえなって実感しましたですよ。でもまぁ,飲み会そのものは非常に楽しかったですよ。まず初日は今の仕事のスタッフ3人で飲みに行ったのですが,なんかやたらと話が盛り上がってしまって,ふと気がつくと店内には我々3人だけになっていて,店を出た後も店の前のスペースで話し込んだりして,なんであんなに盛り上がったのか分かんないんですけどね。その中で私の音楽遍歴の話になって,またCD-Rをあげることになってしまったので,これでまた私の人間性を疑われそうだなぁ。まぁいいか。で,翌日は4年前に仕事でお世話になった人がこちらに来るということでその頃のスタッフが集まろうということになったのですが,これも盛り上がったですよね。4年前の話や今の話がいろいろと尽きないし,なぜか私の前に焼酎のボトルがあったので,なんか良い気分で飲んでしまったですよ。えぇ,あんまり気持ちよく飲み過ぎて,翌日は二日酔いというよりもどっちかといえば寝不足で辛かったのですが,ご飯当番なのをよいことに速やかに帰宅し,11時にはさすがに倒れるように寝てしまいましたです。やっぱ週に1回が限界だよな飲み会は。

 というわけで,今回は広島を中心に活動をしているベース&ヴォイスパフォーマーの梶山シュウさんのソロアルバム「ゆほびか」を紹介したいと思います。梶山さんの音源については,これまでオルカ団名義のものやしーなとシュウ名義のものを紹介してきましたが,今回は完全なソロ作品なので,梶山さん得意のゴリゴリのえせニック(梶山さんの造語で,まがい物のエスニックという意味らしい。)テイストのインスト系で来るのか?と思っていたら,気持ちよく期待を裏切られて,思い切り気持ちの良い唄もの系でした。梶山さん曰く,「強力に眠気を催す作品に仕上がり,音のプロであるレコーディングエンジニアまでが,ミックス中に何度も寝てしまった程(笑)。不眠症に悩むあなたに,是非この一枚!!」ということなのですが,私的には聴きながら眠たくなったことはないですけどね。というかほとんどの曲のBPMが平常時の心臓の鼓動と同じなので,人によっては眠たくなってしまうのかもしれませんが,私的には自転車に乗って河川敷のランニングコースを自転車で流すときに聴くと,非常に気持ちよいですね。
 まず1曲目の“らのえてぃあ”なんですけど,この曲は梶山さんの唄にベースプレイが非常に気持ちよく絡みついている私的にはお気に入りの曲で,最近,ボーっと歩いていると口ずさんだりしています。最初の梶山さんのホーミーとハーモニクスをループさせつつ,ゆったりとしたベースラインが入ってきて,柔らかめの梶山さんの声に良く合った,柔らかなメロディーラインと梶山さんにしては直接的な言葉(割と絵画的なイメージをふくらませる言葉をよく使うというイメージがあるので。)の歌詞が非常に私好みの曲になっています。サビの「歌が聴こえるかい,声が聴こえるかい。」のところは,前回のSOUL FLOWER UNIONのときにも書きましたが,唄というか肉声への回帰を心ならずも意識しているのかななんて思ったりもします。ちなみに,タイトルの“らのえてぃあ”とは梶山さんの造語だそうですので,ググらないように。しかし,この曲のPVを作るのなら,砂漠は無理ですけど,朝一の風紋の残った鳥取砂丘でただ梶山さんが歌っているだけという感じで作ってもらいたいですなんて,よけいなことを思ってみたりします。
 2曲目の“十六夜”なんですけど,タイトルからして和テイストの曲なのかと思っていたのですが,これがプログレ雅楽という感じの曲調なんですけど,この曲はなんといっても箏をゲストプレイしている木原朋子さんが凄いです。というか,私の歪んだ認識では箏っていうと非常に受動的な楽器(まぁ,お正月の箏の演奏程度しか聴いたことがないもんで・・・)と思っていたのですが,この曲での木原朋子さんの演奏はもの凄いアグレッシヴというか非常にロケンロールな演奏で,なんかもっと聴いてみたい(梶山さんのソロなのに申し訳ないのですが。)と思ってしまいましたです。梶山さんの別ユニットのSoe'sには準レギュラーで参加しているので,これはSoe'sも聴いてみたいなぁと思ったりしました(ちなみに,Soe'sは4弦ベース,6弦ベース,サックスの3人を基本とする,これもとんでもないユニットなんですけど。)。
 3曲目の“Dance”梶山さんの柔らかな声がダビングでちょっとセンターをはずして左右に振っているミックスが気持ちよい曲です。曲的にはかなりフォーキーな感じでベースラインも非常にシンプルに曲のメロディーを下から支えるアレンジになっています。私は梶山さんのように旅をしていないのだけど,生きていることそのものがDanceだと思っている(というか踊るように生きていければと思っているのですけどね。)ので,軽やかに「そして僕は今,国境を超える」ことはできないけれど,軽やかに何かを超えていければと思っています。
 4曲目の“サグラダファミリア”はタイトルからして,えせスパニッシュな曲なのかと思いきや,えせスパニッシュな感じもしつつ,アンデスっぽいイメージを受けてしまいました(というか,あの名作アニメ「母を訪ねて三千里」の中で知らん顔してミックスしても,なんも違和感がないかもしれないと思ったりしましたです。)。サグラダファミリアはスペインのあの寺院なのかそれとも「聖家族」の意味なのかと考えてみたりもしましたが,そんなことは聴いた人がそれぞれ感じれば良いことで,どうでもいいですか?しかし,この曲はシンプルなベースラインにアコギ2本が気持ちよくアンデス風味を醸し出してくれています。
 5曲目の“夜の駱駝”フワフワしたベースラインが前作のしーなとシュウを思い起こさせたりもしますが,基本的にベース1本で歌いきってしまう梶山さんのベースプレイにやられちゃったりもします。というか,梶山さんにも言ったことがあるのですけど,本当「地味に上手い」んですよね,梶山さんのベースプレイは。確かにチョッパービシバシとか死ぬほど早いパッセージを弾いたりとかすれば,あからさまに上手いのですが,梶山さんのベースプレイ(特にこの曲の)は,唄に寄り添って,一歩引いた感じなのでそういうベースプレイヤーみたいに派手さはないのですが,はっきり言って,淡々と弾いているけど,このベースラインは凄いですよ。というか,難しいことをやっているのに,それをあまり感じさせないというのも凄いことだと思いますです。
 6曲目の“あやかし”は闘牛の音楽のダウナー版のようなコード進行のイントロで,えせスパニッシュなのかと思ったら,そこは一筋縄でいかせてくれないもんで,メロディーは結構和物っぽかったりします。歌詞はこれも絵画的な歌詞なので,私の不得手な分野なのですが,後半のダウナーなホーミーがインド仏教的なおどろおどろしさを醸し出してくれています。
 7曲目の“かがり火”もちょっとマイナーコードのダウナーなんだけど,ちょっとフォーキーなメロディーの曲で,歌詞も絵画的なんだけど個人的には70年代中ころのフォークソング的な感じをちょっと受けたりして。というか,私的にはちょっとコメントがしにくい曲なので,この辺にしておきましょう。
 ラストナンバーは“坂に続く道の途中で”なんですけど,6曲目と7曲目がダウナーな感じだったので,柔らかなメロディーが改めて染み込んできます。この曲もベースだけで弾き語って(さすがベース弾き語りスト!)いるのですが,まったく違和感がないのは凄いなぁ〜と思ってしまいました。というか,一般の人はベース弾き語りストっていうとはなわを思い出すんでしょうけど,全くベース1本で浮いた感じがなくて,違和感なく,スッと聴けるんですよねぇ。やっぱり地味に上手いですよ。で,この曲は最初の歌詞から「昔の友達に会う事も少なくなった。それぞれの暮らしが在り,それぞれの別れもあって。」と始まるのですが,こういう歌詞を聴くと,お互い歳を取ったですよねと思ったりもします。何となく今の等身大の梶山さんの唄のようで,なんだか最後までじっと聴き入ってしまいましたです。

 というわけで,眠りたい人,自転車で気持ちよく聴きたい人と,その効用には様々ではございますが,とりあえず買って聴いてみないと始まらないし,個人的には興味がある人はぜひ聴いてほしいアルバムですね。全8曲38分で1800円(通販価格)のお得なアルバムなんですが,気になった人はぜひhttp://www.h3.dion.ne.jp./~kshu/tuuhan.htmlへアクセスしてみてください。

 話は変わるのですが,ノートン先生アンチウイルスの更新期限が3日前になったのですが,システムワークスの新バージョンが出ないので,あきらめて,アンチウイルスだけ2009にしたのですが,なんのことはない,システムワークスからアンチウイルスが消えてしまうだけなのね。で,今はウイルススキャンとシステムスキャンは別々にやっているのですが,そんなに手間でもないので,まぁいいかと思ったりしつつ,まぁシステムワークスの新しいのが出たらそのときに考えればいいか・・・と言いつつ,きっとこのままほったらかしなんでしょうね,私のことだから。
 更に話は変わり,踏んづけて壊してしまった,私の愛用の匠角矢甚治郎作ですが,修理から帰って参りました。フレームに蝶板の再埋め込みの後が生々しくあったりして,「うぉーフルカワカスタムだぜぃ!」とか思ってしまったです。まぁ,今度からがうたた寝するときには床に置かないようにして,大切に使いましょうね,お気に入りの眼鏡なので。