ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

ぼくの展覧会Disc3/友部正人


 実は子供がエレクトーンを習っているわけなんですけど,実は先週のレッスンで先生から来週,演奏データを渡すのでスマートメディア(以下「スマメ」という。)を持ってきて欲しいと言われたんですよね。私自身,えぇ〜このご時世にスマメですか,容量もないのにバカ高いのをわざわざ買って?と思ったのですが,先生がスマメでないとコピーできないと言うし,子供の習い事だし,まぁ仕方ないかと思って,今週のレッスンに持参させたんですね。で,スマメにデータをコピーしてもらったものの,我が家のエレクトーンにはスマメリーダーなんて付いていないので,さてどうしたものかと思っていたら,そういえばYAMAHAのソフトで音楽データを管理できるのがあったので,カードリーダーを介していったんパソコンに落としてからUSBメモリーに落とせばいいじゃん!と思って,ソフトをダウンロードして,さて読み込みますか・・・と思ったら,画面には読み込みエラーの文字。なんでだろうと思って,何度か試してみたけどやっぱり駄目で,ソフトのヘルプを見てみると,なんとハギワラシスコム製のスマメリーダーでないと,データを読み込めないとのこと。なんだそれは?と思いつつ,近所のB・カメラに行ってはみたものの,そもそもスマメ自体が絶滅メディアなのに,そのリーダー,しかもハギシスなんてもちろんあるわけもなく,どうしたもんかなぁと思いつつ,最後の手段でYAMAHAに電話をしたら・・・「・・・ということで,今時スマメリーダーも売ってないですし,なんとかなりませんか?」「今時,スマメリーダーは売っていないですよねぇ。こちらの店舗に来ていただければ対応できますので,お越しいただけますか?」「手数料はいかほどですか?」「もちろん無料で対応させていただきます。」とのことでした。ラッキー!どうしようもなければ,オクでなんとかしないといけないかなぁと思っていたので,本当に助かりました。でも,そもそも,自分のところの楽器のデータなんだからできて当たり前なんですけどね。

 というわけで,友部正人のぼくの展覧会もいよいよ最期のDisc3になってしまいました。このDiscにも名曲がたんまりと入っているので,私的にはものすごい好きなCDなんですよね。
 まず,1曲目の“乾杯”は,友部正人のギターだけで歌われる(語られる?)トーキングブルースの名曲で,唄われている内容は連合赤軍事件が解決した夜のことで,多分,私の連合赤軍に関することについてはこの曲の影響が非常に大きいと思いますです。語りの途中で唄われる「おぉ,せつなやぽっぽ。50円分の切符をくだせえ。」というシャウトも素晴らしいのですが,それ以外にも本当にたまんない言葉がこの曲には沢山あって,「やり場のなかったヒューマニズムが,今やっと電気屋の店先で花開く。」とか「新聞は薄着体内涙を高く積み上げ,今や正義の立役者」だの,本当にイイですよねぇ,この言葉たち。
 2曲目の“絵はがき”は友部正人のギターと藤井ヤスチカの口笛だけのシンプルな構成なんですけど,この曲はもう,最初から歌詞が凄いですよ。「何をならべているのですか。自分の死をですよ。そんなにたくさんの死を並べてどうするのですか。自分が本当にいたのかどうか知りたいのです。」だの「そんなにたくさんの死を並べてどうするのですか。生きることがたどたどしいだけですよ。生きることは並べられないのですか。生きることは米粒ほどにもつかみにくいのです。」だなんてさぁ,普通は書けないですよ,本当。それでもって,メチャクチャ心に染み込んでくるんですよね。本当に友部正人は唄う体であり,現代詩人だなぁと思い知らされますですよ。
 3曲目の“密漁の夜”はタイトルのとおり北国での密漁の夜のことを唄った唄なんですけど,この曲では友部正人のシンプルなギターのカッティングにリクオのフリーキーなアコピが絡みついて,ドラマチックに曲を盛り上げています。
 4曲目の“長いうで”は友部正人のギターとリクオアコーディオンのシンプルな構成なんですけど,この曲はメロディーも歌詞も大好きなんですけど,放送禁止なんですよね。多分,ひっかかったのは「ぼくを四つ足で歩かせる。」なんでしょうけど,そんな偏見を突っ返して十分おつりがくるぐらい,素晴らしい歌詞なんだけどなぁ。「1万円札をつかむかじかんだ指。ポケットの中にははずかしいものがいっぱいつまってる。しあわせを守る共同の秘密戸やらがぼくを四つ足で歩かせる。今夜ぼくは裏切られ,ひとり道ばたにすわりこむ。そんなに言うんだったらねえ君,さっきから,あんたのしあわせっていう奴がぼくの足を踏んづけているよ。」素晴らしい,本当に素晴らしすぎる。なんでこの歌詞を差別的だというんだろうかねぇ。そんなことばかり考えている連中の頭の中にはきっとサベツって奴が一杯詰まってるんだろう?
 5曲目の“BRING IT ON HOME TO ME”はサム・クックのカバーなんですけど,リクオのアコピと友部正人のギターだけなんですけど,リクオのアコピがブルースですよねぇ。ここでも友部正人の素晴らしい訳詞が炸裂しているのですが「恋をして別れるよりも,奴隷になって君といたいよ。」だなんて最高のラヴソングでないかい?
 6曲目の“おしゃべりなカラス”はオリジナルアルバムでは坂本龍一のピアノとともにやっていたのですが,このライブではTHE GROOVERSリクオをバックにかなりポップかつ,ロケンロールなナンバーになっています。多分,藤井一彦のアレンジの影響が強いんだろうと思うけど,これはこれでいいですよ。別に私は坂本龍一ファンでもないので。ここでも「大人のように信じようとしても駄目さ。テーブルの上で一億の顔がそう言った。ぼくは子供の声で話そうとしたけど,でもぼくにはやっぱりできなかった。」なんていう私にとってはたまらない歌詞が炸裂しています。
 7曲目の“遠来”は個人的にはものすごくすきな曲なんですけど,友部正人のシンプルなギターで始まり,途中からTHE GROOVERSが入りジワジワと盛り上げてくれるのですが,それよりも本当にこの歌詞のテーマが凄くいいんですよね。遠くに行ってしまった(住んでいる?)友達とのことを東京にいる自分と対比しながら唄い,それぞれのいる場所を大切にしながら生きていく,それが大人になることなんだろうか?(ということは歌詞には入っていません。私の個人的な感想です。)そして,そのことはラストの「そしてぼくも君もこの地球の上で,わかりあえないまま距離ばかり大切にしている。」というフレーズに思い切り盛り込まれていると思うのですが。
 8曲目の“20世紀という芝居”はTHE GROOVERSをバックに従えたクールなロケンロールナンバーになっています。「20世紀という芝居が終わりかけている。」と唄う友部正人の唄を聴きながら,21世紀は何を頼りに生きるのかを考えさせられてしまいましたが,やっぱり私的にはロケンロールを頼りに生きていくしかないんだろうなぁと思いましたです。
 9曲目の“君はこんな言い方嫌かもしれないけど”はオリジナルアルバム(カンテ・グランテ)では中途半端なアレンジの曲だなぁと思っていたのですが,このアルバムではTHE GROOVERSをバックに思いっきりポップにやってくれています。この曲は歌詞的にはあまり私の心を揺さぶらないのですが,藤井一彦水谷紹のギターの絡みが本当に素晴らしいです。それだけでも一聴の価値有りだと思いますです。
 10曲目の“ぼくは君を探しに来たんだ”も大好きな曲で,確か東京で友部正人を聴きに行ったとき,最後にこの曲を演って,ギター1本であるにもかかわらず,その迫力と素晴らしい歌詞に本当にガツンとやられてしまったのですが,このアルバムではTHE GROOVERSをバックに従え,かつ,THE GROOVERSのロケンロールに負けない友部正人のシャウトになっています。最初の「ぼくは君を探しにきたんだ。ぼくは海を離れ山を越えてやって来た。話上手の君に会いたかったし,ぼくのいない町で暮らしたかったから。」だけで,いつ聴いても鳥肌が立ってしまいますですよ。間奏のリクオのアコピもイイ感じですし,いや,そんなことより,本当,友部正人が「ぼくは君を探しにきたんだ。」と唄えば,それだけで十分ですよ,本当,いつ聴いてもカッコイイ。私的には大名曲でございます。
 11曲目の“まちは裸ですわりこんでいる”も大好きな曲で,オリジナルではギター1本で淡々と唄っていたのですが,このアルバムではTHE GROOVERSをバックに従え,ポップなアレンジで,メンバー紹介までやってくれています。駒沢裕城のラップスチールギターがこの曲でも非常にイイ感じで入っているのですが,この曲も歌詞がたまんないんですよねぇ,私的には。「夕暮れの町には高校生でいっぱい。でも君の若さには出口がないよ。だから夜はこんなに殺気立っている。今度は台風さえも避けてとおるらしい。」とかね,うん,いつ聴いてもイイ唄ですよねぇ。
 ラストナンバーの“熱くならない魂を持つ人はかわいそうだ”は友部正人のギターの弾き語りなんですけど,この歳になると考えさせられる唄なんですよね。「熱くならない魂を持つ人はかわいそうだ。言葉は死んでしまい,人生は繰り返し。」「すべての人に認められようと,やさしく声をかけるけど,あんたの声は小さすぎるよ,あんたの声は夢にもならない。」。私は熱くなる魂をまだ持ち続けているんでしょうかね,ねぇ,友部正人さん。
 
 しかし,このブログを書く関係で,久しぶりに友部正人さんのオフィシャルサイトを見たのですが,やっぱ歳を取ったねぇ。50代後半だもんねぇ。と思っていたら,新しいアルバム「歯車とスモークド・サーモン」っていうのが出たのね。http://www.greens-corp.co.jp/artist/info/index.php?artist_id=81で視聴ができたので,ちょっと聴いてみたんですけど,これがフォークロックぽくていいんですよ。ちょっと探して買ってみようかなぁ。歌詞もまた,私の心にグサグサくるような奴がありますし。よろしかったら,視聴してみませんか?

 しかし,春だよねぇ,今日は石油ファンヒーターを片付けましたです。もう灯油を冬まで買うこともないし,部屋は広くなるし,いいことばかりだね。自転車でロケンロールを聴きながらフラフラするにもいい季節になってきたしね。
 まぁ,毎日,自転車通勤をしているので,ひとまずはそれだけで満足していますが,転勤の挨拶状も書き終えたし,天気が良ければ自転車でフラフラといきたいところですねぇ。