ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

ぼくの展覧会Disk1:友部正人


 ついこの間3月になったと思ったのに,もう3月も終わってしまうんだなぁ。先週の火曜日から中途半端なんですけど,新幹線通勤に終わりを告げ,念願の自転車通勤になりましたです。やっぱり,自転車通勤になって体が楽だよねぇ。行きも帰りも立っていたんだもの,しかも朝早くて,夜遅いし,疲れないわけないよねぇ。おかげで,これまで毎朝飲んでいたドリンク剤の飲用を止めましたです。飲まなくても体がシャキン!としているしね。
 で,話は変わるのですが,前の職場の最後の日は,さすがの腐れ外道な私でもしんみりとしてしまい,イイ奴らばっかりだったよなぁ・・・と思いながら,いつもは爆音ロケンロールを聴きながら職場から駅までの道のりを歩くのですが,爆音ロケンロールを聴く気にもならず,周りの風景を見て,音を聴きながら駅まで歩きましたです。で,新幹線の中では原田知世様を聴いて,更にしんみり度をアップさせていました。が,今の職場の2日目から,もう自分の居場所はここなんだという感じで気分がサクッと入れ替わってしまったですよ。まぁ,いい加減,いい年だし,そんなにセンチメンタルな気持ちも持続しないということですか。

 春も近づいて(というよりも,もう長袖Tシャツでウロウロしている私としては,もう春なんですけど。),自転車通勤になったので,爆音ロケンロールでなく友部正人を聴きながら通勤したいなぁ・・という訳で今回は昔(14年前かなぁ。)に買った,友部正人のベスト的なライブアルバムを紹介したいと思います。が,このアルバムは3枚組なので,一気に紹介するとそれはそれで大変なので,1枚ずつ紹介していきたいと思います。
 このアルバムは,1992年10月10日と11日に東京の日仏会館で行われたデビュー20周年記念コンサートで演った58曲の中から36曲を厳選したアルバムで,ゲストもリクオ,駒沢裕樹,三宅伸治THE GROOVERS水谷紹,ロケット・マツ,河口修二とバラエティに富んでいるところも友部正人らしいですよね。
 で,このアルバムの1曲目は“まるで正直者のように”で始まるのですが,この曲は「大阪へやって来た」のA面の最後に収録されていた曲で,アルバムでもバンドアレンジでしたが,このライヴでもTHE GROOVERSをバックにバンドアレンジで演奏しています。基本的なアレンジはアルバムと変わらないのですが,個人的にはTHE GROOVERSがバックを演っているこのバージョンの方が好きですね。藤井一彦のタメの効いたリードギターもいいのですが,サビの「でも〜僕は・・・」というところの「でも〜」の部分の藤井一彦のコーラスというかシャウトは鳥肌ものにカッコイイです。
 2曲目の“大阪へやって来た”も「大阪へやって来た」の1曲目に収録されていた曲で,アルバムでは友部正人のギターとブルースハープだけのトーキングブルースでしたが,このライヴではTHE GROOVERSがバックについて思いっきりロケンロールなナンバーに仕上がっています。この曲も藤井一彦イカしたギターフレーズが炸裂しています。昔々,友部正人藤井一彦が2人でこの曲を演ったときに,藤井一彦がこのギターフレーズを弾いていたのを思い出しました。しかし,なんでこんなカッコイイフレーズを藤井一彦は弾いてしまうんでしょうかね。「あれはいけない,これはいいのさ,でも,もう結構。僕は誰が一番イカシタ奴かを知っている。」だなんて最高ですよね。しかし,THE GROOVERSのパワフルなプレイに負けない友部正人ブルースハープも最高にカッコイイです。
 3曲目の“僕は海になんてなりたくない”は私的にはこのアルバムで初めて聴いたのですが,友部正人のギターとブルースハープだけのシンプルな演奏に「ボブ・ディランなんて知らない。知っているのは音楽好きの若いアメリカ人。僕はその若さだけ信じていた。」などという,あの時代を生きていた友部正人だから書ける言葉ですよね。私が音楽を始めたときにはもう若くもないし,御大でしたしね。まさしく「ボブ・ディランよりも年下の,大統領が笑っている(by 藤井一彦)」だもんなぁ。
 4曲目の“ユミは寝ているよ”は5枚目の「どうして旅に出なかったんだ」のラストナンバーの曲で,アルバムでもギター1本で下が,このアルバムでも友部正人のギター1本で切々と歌っています。愛している人の寝顔を見ながら,これまでの自分を深く反省するという内容の曲で,非常に胸に染みいる曲です。「どうして,こうなんだ,ずっと僕は。自分のことばかり考えていたよ。」とかさぁ,私にとって痛い言葉がてんこ盛りに投げつけられる唄なのですが,「めくら」の一言でメジャーから出すことは不可能な曲です。
 5曲目の“地球のいちばんはげた場所”は,私的にはこのアルバムで初めて聴いたのですが,友部正人のギターとブルースハープに河口修二のエレクトリックギターという構成で,本当に淡々と友部正人が歌っているのですが,その歌い方とバックのシンプルなアレンジがピッタリで,友部正人の声がストンと胸に入ってきますです。
 6曲目の“もう春だね”も私的にはこのアルバムで初めて聴いたのですが,知久寿焼がアコギとコーラスとブルースハープで参加しているのですが,元々,たま時代に友部正人とコラボアルバムを出しただけあって,リスペクトをものすごく感じられる演奏になっています。しかし,こうやって音だけ聴くと,やっぱり知久寿焼って上手いよね。ちょっととぼけた感じのある友部正人の歌い方に知久寿焼のコーラスが重なると何ともいえない雰囲気を醸し出しています。とても晴れた月曜日,バスで動物園まで,もう春まで・・・ってな生き方は私にはできないんですけどね。
 7曲目の“別れの唄”も私的にはこのアルバムで初めて聴いたのですが,水谷紹エレキギターとロケット・マツのアコピの絡みが美しいのですが,この曲にも「いっそめくらになった方がいいのにと石が言う。」なんていう歌詞が入っているので,この曲もメジャーから出ることはないよなぁ。この曲の凄いところは直接的な別れの言葉なんて何一つ無いのに,旅立つ前のなんとも言えない切ない気持ちを思いっきり表している所でしょうかね。さすが詩人,友部正人でございますです。
 8曲目は6枚目の「なんでもない日には」に収録されていた,私的には大好きな曲,“けらいのひとりもいない王様”を水谷紹エレキギターとロケット・マツのアコピと知久寿焼マンドリンで演奏しているのですが,ロケット・マツはTHE GROOVERSのセッションミュージシャンとしてもアルバムに参加していて,そのキーボードプレイは凄く好きなのですが,この曲のイントロのシンプルなピアノのコード弾きでのロケット・マツの演奏は鳥肌者の緊張感を出していてものすごく好きです。ロケット・マツのシンプルなピアノに乗せて,友部正人が「王国はいつも王様の入っていけないとこにある。」と唄われ,大切なものはいつも手の届かないところにあるということをただただ繰り返し唄っているのですが,やっぱり一番胸に染みたのは「ある日新聞記者が男の子にこう聞いた。君はどうして街の中で唄うの。誰もが本当に街の中で暮らし始めるべきだ。街の中は街の人の入っていけないところにある。」というフレーズで,街角で誰にも聴いてもらえることなく唄を唄っていた私としてはどうしようもないくらい胸に染みてしまうんですよね。
 9曲目は三宅伸治のスライドギターが思い切りブルーズしている“グッド・モーニング・ブルース”ですが,「嫌な君が代,無理矢理歌わせる。心がうすら寒くなっていく。嫌な日の丸平気で揚げさせる。心が貧しくなっていく。」だの「差別用語でお金を儲けよう。レコード会社を脅しにいこう。その手は喰わぬとレコード会社,ミュージシャンの口ふさぐ。」とかどうしようもなくパンクな言葉が飛び出してきています。まぁ,こんなことを唄っているので当然,メジャーからは発売できなかったようですけど。でも,本当,くだらない差別用語とかいう定義で素晴らしい唄が闇に葬られてしまうのはなんだかなぁと思います。
 10曲目も三宅伸治のスライドギターが軽快な感じを出している“早いぞ,早いぞ”なんですが,電車に乗っている自分を唄にしているんですけど「早いぞ,早いぞこの汽車は,ほら西明石行きの電車を追い抜いた。君の街が近くなる,君の街がどんどん近くなる。」なんとなくうきうきした気持ちを表しているのに「眠る浮浪者達の間で目を覚ました。」とかそういった時代を写しているのは,1973年発売のやっぱり発売禁止になったアルバムに入っていたからなのかな。
 11曲目は友部正人お得意の洋楽を翻訳して歌っている曲で,三宅伸治のギターとコーラスがもの凄く暖かい感じを出している“ジョージアジョージア・オン・マイ・マインド”ですが,この曲の消え入りそうな三宅伸治のギターソロがいいんですよね。
 12曲目の洋楽翻訳ものの“グッドナイト・アイリーン”を三宅伸治のスライドギターと共に演っているのですが,これもいい感じなんですよね。なんていうのかなぁ,友部正人の不思議な声(ちょっとしゃがれているんだけど,ちょっと高めの声)と三宅伸治の正当派のヴォイスで唄われるこの曲は,それだけでいい感じ,Disc1のラストを締めくくるにはピッタリの曲になっています。

 っていう感じでDisc1は終わってしまうのですが,きっと友部正人を知らない人にとっては面白くもなんともないんでしょうけど,私は大好き,というよりもこの人がいなければ,「唄を唄う」ということを続けていなかったと思いますのです,私にとっては非常に大切な唄唄いです。

 しかし,話はガラッと変わるのですが,3月中に異動になってしまったので,新幹線定期が6日分余ることになったので,どうしたもんかなぁ,高額定期だし少しは返ってこないかなぁと思いつつ定期の裏面を見てみると「1か月未満は1か月で換算して手数料を引いた額を返還します。」とあったので,喜び勇んでみどりの窓口に持って行ったら,あっさり拒否されてしまいましたです。それならきちんと書いておけよなJR!サイトで確認すると,1か月以上無残っている場合で,その残日数のうち1か月に満たないものは1か月使用したとしてみなすという意味なんだってな!無駄な時間を使わせるんじゃないよ。しかし,30万円以上の高額定期なんだから,もう少し融通を利かせてくれてもいいんでないかい?