ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

LAZY FELLOW/藤井一彦


 しかし,涼しくなったものの,なかなか蚊が居なくならないもんで,先週の土曜日はなぜか蚊が多かったのか,それとも寝袋で顔しか出していないせいか,それとも両方なのか分かりませんが,耳元で蚊の羽音で寝不足になってしまいました。で,これではたまらんということで,11月になったというのに,近所のドラッグストアに液体蚊取りのボトルを買いに行ったのですが,さすがにありませんでしたです。しかし,ここであきらめては快適な安眠生活ができないと,さらに自転車で片道30分の大型ドラッグストアにシコシコ行ったところ,なんとか液体蚊取り30日用2本パックがありましたです。おかげさまで,夕方に蚊の姿を見つけても,安らかに眠らせていただいております(もちろん,私がです。)。

 で,今回は11月4日に発売(といっても,一般発売はなくてライヴ会場とネット販売のみですが。)された,THE GROOVERSのヴォーカル兼ギターの藤井一彦のソロアルバム,“LAZY FELLOW”を紹介したいと思いますです。日本屈指の3ピース爆音ロケンロールバンドであるTHE GROOVERS藤井一彦がアコギ1本でどのような音を出すのか,非常に興味があったのですが,ロケンロールを感じさせる曲と,非常にフォーキーなナンバーが共存する非常に心地よいアルバムになっています。よく考えれば,10うん年前に友部正人の3日連続年始ライヴに藤井一彦がゲストで出たとき(もちろん唄ったのは,Like a Rolling Stoneでしたです。),首からハーモニカホルダーをぶら下げ,アコギ1本を持って「あこがれの友部正人さんスタイルで演らせてもらいます。」と言っていたのを思い出してしまいましたです。そういうことから考えると,非常にフォーキーな曲があるのも当然といえば当然なんですけどね。
 1曲目の“HELLO LAZY FELLOW”はミディアムテンポのアコギのカッティングから始まるちょっとトーキングブルーズ風味のタイトルナンバーです。「生温いソーダのように気の抜けた午後。今もどこかで立ち上る戦火のことなんて想像もつかない」なんていきなり始まり,サビで「それでも,世界を変えたいなんて思うのは少し厚かましいか」なんて歌詞もブルーズでカッコよいです。間奏のブルースハープとギターの絡み付きカッコよいです。なんとなく,40歳を超えて,もう少し何かができるような気がするけど,厚かましいことなんかないぜ!って言ってくれているようで,ハッキリ言って,1曲目から私的にはたまらないんですけど。
 2曲目の“確信犯的ストレイ・シープ”は,ロケンロール色の強いカッティングとリフがカッコいい曲です。「道に迷ったままでかまわない,何処かに着きたいわけじゃない。」とか「興味ないぜ,この期におよんで未だ自分探し」とか,そうそう,そうなんだよなってロケンロールな歌詞が最高でございますです。ラストのジャカジャンって終わり方も可愛いです。バンドで演ってもカッコよいかもしれない。
 3曲目の“憂国の口笛”は,ミディアムテンポのフォーキーな曲というよりも,ミディアムテンポのバラッドっぽい曲で,これはアコギ1本の方がイイ感じの曲ですね。この曲のギターのカッティングは本当に私の好みのカッティングで,ミュートを取り混ぜて,パーカッシブなカッティングで弾いてくれているのですが,このリズム感が溜まらないんですよねぇ。やっぱロケンロールバンドのギター弾きですよねぇ。「こんな荒れ地でまだ誰が。まだ吹いている,憂国の口笛」なんて歌詞は,昨今の世情に正にジャストフィットではないかと思いますです。
 4曲目の“今を行け”はギターが多分3本に藤井一彦のセルフコーラスとダビング満載のアイリッシュのようなフォーキーな曲なんですけど,イントロのアコギの絡みなんて,本当に綺麗でイイですねぇ。サビのセルフコーラスも非常にカッコよしです。しかし,ラストのサビの「流浪の日々など遠い幻。お前の今を行けよ,脈打つ今を。それがすべてさ。」っていう歌詞は本当にイイですよねぇ。過去を振り返ったってなんにもなんないんですよね。今を行くだけなんですよねぇ。残っている時間も少なくなってきましたし。
 5曲目はTHE GROOVERSで演っていた“ウェイティング・マン”をアコギとパーカッションだけで演っています。あの爆音ロケンロールバンドの曲をアコギだけでだなんて・・・と思っていたのですが,これがカッコいいんだ,本当に。やっぱり,そもそもギターが上手い,というよりもやっぱり,歌心をバッキングするテンポのよいロケンロールギターなんだよねぇ,藤井一彦は。間奏の正にロケンロールなリフも最高でございます。
 6曲目の“MOON RIVER”は「ティファニーで朝食を」っていう超有名な映画音楽なんですけど,これを藤井一彦が日本語詞を付けて演っているというので,非常に楽しみにしていたのですが,残念ながら日本語詞での許諾が降りなくて,英語詞で唄っているのがちょっと残念なんですけど,この曲を聴くと,本当にギターが上手いよなぁって思ってしまったです。特に時折,効果的に入るハーモニクスの音がイイですよねぇ。特にエンディングなんて,ギター1本でここまで表現できるとは本当に感動ものでございます。
 7曲目の“clover”もミディアムテンポのビートルズっぽいメロディーの曲をアコギ1本で,シンプルにサラッと唄ってくれています。が,本当にサラッと通り過ぎて行ってしまいますので,しっかり聴かないとね。
 8曲目の“サムタイム”は,ラストナンバーに相応しい,私好みのミディアムテンポのちょっと重ためのカッティングがカッコいい曲です。歌詞も韻を踏みまくりつつ友部正人的なストーリー性のある歌詞がいいですよねぇ。「ときどき苛立ち,すべてが投げやり。ときどき嘘つき,自分さえ騙したり。」と「本当の君はそうじゃないんだろう。そんなことぐらいわかっているよ。本当に君は負けないんだろう。ずっと前からわかっているよ。」なんて歌詞とか本当に同じ歳なだけに胸に染みるというか分かるんですよねぇ,言いたいことが。うん,藤井一彦という素晴らしいロケンローラーに出会えて,同じ年齢であることに喜びと誇りを感じていますです。

 しかし,今週は関東方面に出張に行ったのですが,ちょうどこのアルバムの発売日が出発日だったので,どうしたもんかいと思っていたのですが,ネット上では指定配達のミスから,11月4日前に届いたという書き込みが多数あり,ひょっとしたら私のところにも届くかも?と少しワクテカしたのですが,結局真面目な運送会社がきちんと4日以降に届けてくれたようで,出張から帰ってから,思いっきり楽しませてもらいました。しかし,このアルバムは自転車に乗りながら聴いても良し,酒を飲みながら聴いても良しで,エブリデイどこでも私的には楽しめるアルバムです。
 ところで,関東地方に出張したのを良いことに2泊3日できっちり毎晩ホッピーを飲みまくってきましたです。ついでに言えば,関東方面に住んでいる友人とも飲んだので,ホッピーセットの正しく安上がりな飲み方(最初の1杯は最初のホッピー(ガワ)で飲んで,焼酎(ナカ)だけ追加して飲むこととか。)を教えてもらったので,今度からはそういう飲み方をしようと思っていますです。 
 で,話を戻して,これで私の好きなロケンロールバンドのHEATWAVE山口洋,Rock'n'Roll GIPSIESの花田裕之THE GROOVERS藤井一彦のアコギのアルバムが揃った訳なんですけど,それぞれ音が(というかスタンスが)違っていて面白いなぁとつくづく思いましたです。で,花田裕之といえば,band HANADAのライヴアルバムが12月7日に発売されるということで(メールで連絡が入り,もちろん,本日,入金しましたです。),年末に向けて楽しみができたなぁ。