ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

Rosetta Stone/THE GROOVERS


 しかし,先週は個人的にはハードな日々だったです。月曜日に歓迎会でちょっと記憶が飛ぶぐらい飲んでしまった(目の前にニッカの竹鶴が半分残ったボトルがあって,なんかウマウマと飲んでいたらしい。)にも関わらず,火曜日も出張して来た人と飲むことになってしまい,9時台で帰ろうと思っていたのですが,思っていただけで,結局終電だし,水曜日からも仕事が片付かないから毎日9時前後の新幹線に乗っていたので,昨日の土曜日にブログを書こうと思ったのですが,つい寝てしまって書くことができませんでした。というわけで,日曜日にシコシコと書いていますです。

 で,今週もTHE GROOVERS再発支援記念カキコとして,THE GROOVERSの3枚目のアルバム,“Rosetta Stone”を紹介したいと思います。このアルバムは1995年6月に発売になり,前作の“MONOCHROME CHAMELEON”がシンプルなロケンロール集だとすれば,このアルバムはTHE GROOVERSの様々な側面,特に高橋ボブさんと藤井ヤスチカさんの作詞・作曲・ボーカル曲が聴けるという(ただし,この試みはこのアルバムでしか実現しなかったが・・・)アルバムです。個人的には雑多過ぎてイマイチ盛り上がりに欠ける感じはありますけど,そんなに駄作ではないと思っています(まぁ,この辺は好みもあるでしょうし。)。
 1曲目の“ウォーム・ハートとクール・ヘッド”は友部正人テイストを藤井一彦流にアレンジした,トーキング・ブルースをロケンロールにしたようなナンバーです。個人的には最初のヤスチカのスネアの連打から入って,バンドサウンドになるところとかヘヴィにグイグイ引っ張られる感じの曲で大好きな曲です。歌詞も「ウォーム・ハートとクール・ヘッドは始発電車のプラットホームで出会った。2人は三日月とその片割れ,その日の内に満月になった。磁石のように引かれ合い,補い合った。」という最初の歌詞からやられっぱなしです。間違っても男女ではない,野郎同士の仲間意識の歌なんでしょうけど,決してハッピーエンドで終わらない(終われない)ところは流石藤井一彦でございます。間奏の歌うようなギターソロもカッコイイです。
 2曲目の“めずらしく冴えている”は軽やかな藤井一彦のギターカッティングから始まるミディアムテンポのロケンロールナンバーで,シンプルなラブソングです。何も考えずに聴くのがベストでしょうね。
 3曲目の“フリージア”も藤井一彦のギターカッティングから始まるポップなロケンロールのラヴソングです。歌詞の組み立ては“現在地”のようなところもありますが,「フリージアが咲いている,振り向くと咲いている,いつも知らない間に笑っているおまえに似てる。」っていうサビの歌詞がたまらないです。こういう関係っていいよなぁ・・・と思ってしまいますです。
 4曲目の“ロゼッタの石”も藤井一彦の軽やかなギターカッティングから始まるミディアムテンポのナンバーで,古くからの友人との再会を小説っぽく書いた曲で,藤井一彦の軽やかな歌い方もピッタリフィットしていてイイカンジですね。「また会おう,どこかで。約束はいらない。蹴飛ばそう,ロゼッタ・ストーン。」と決めてくれるところもイカしています。映画の主人公に自分たちをなぞらえているところも元ネタ探しが楽しかったりしてね。
 5曲目の“満月の扉”はボブさんの作詞・作曲。メインボーカル曲です。軽めのシャッフル系のリズムでボブさんが軽めに歌っているラブソングです。当時のモロドレッドのボブさんがこんなカワイイ曲をベースを弾きながら目の前で歌っていたら,多分,ニヤニヤしながらリズムに体を任せて踊ってしまうよなぁ・・・という感じの曲です。最近のチョイワルオヤジ風のボブさんならどんな曲を歌うんでしょうかね。ベースラインも自分が歌うことを前提なのか珍しくルート音中心ですが,その分,藤井一彦のギターが変幻自在の色づけをしていますです,カッコイイ!
 6曲目の“SWEET SWEET MELTDOWN”最初ブルージーなギターカッティングで始まったと思ったら,ブルーズハープまで入って,ちょっと重ためのギターカッティングで藤井一彦が思いきりラブソングをかましてくれますです。「昼間から俺たちは服も着ずに溶けていく。これ以上ない青空。住み飽きたクレイジー・ワールドさよなら,さよなら,ほっといて抱き合うのさ。」なんていう歌詞は世界は2人のためにTHE GROOVERバージンですか?間奏のワウの効いたギターソロもイカしていますです。
 7曲目の“俺はスピードを上げるだけ”このアルバムで初めてスピード感を感じる曲ですな。ライヴアルバムの際にも紹介しましたが,思いっきりラヴソングです,この曲も。「うずくまって,奮い立って,おまえの夜を奪って。風になって,舞い上がって,俺はスピード上げるだけ。」なんていうサビも良く聴くと卑猥ですな。この曲の間奏のギターソロも,歌うようにギターを弾いていてカッコよしですな。
 8曲目の“水のない河”はヤスチカの作詞・作曲・メインボーカル曲です。佐野元春っぽいフォークロックなアレンジでオヤっと思うのですが,いきなり,最初のフレーズが裏から入ってくるところなんか,ドラマーっぽいというか。ヤスチカって顔はけっこう厳ついのに声は可愛いんだなぁと思ったりして。歌詞としてはポップなラヴソングのボブさんとは打って変わって,どちらの道を選ぶべきかというところなんだけど,その道さえもハッキリと見えないという状況に苛ついているという感じでしょうかね。う〜ん・・・この辺は聴いた人の判断にお任せしますです。
 9曲目は,多分,このアルバムで最初で最後の轟音ロケンロールナンバー“RIDE ON,BABE! [2nd Edition]”です。2nd Editionとなっているのではシングルバージョンとはアレンジが変えてあるのですが,私としてはどっちのバージョンも好きなんですけどね。しかし,この曲しか轟音ロケンロールがないと感じてしまうかどうかは,まぁ個人差があるので,何とも言えないところではありますけれど,この曲がTHE GROOVERS元食いの轟音ロケンロールナンバーであることは間違いないでしょう。これも基本的にはラヴソングなんですけど,サビの「RIDE ON,BABE! 手続きはパスして,RIDE ON,BABE! やりたいときにやれ。」っていう歌詞はたまんないですよね。そう生きたいとおもいつつ,なかなかそうもいかない自分に苛つきつつ,けど,やりたいことしかできないんだよな,結局。あ〜この曲のハードなギターソロもイカしてますです。
 で,ラストナンバーは,スライドギターで始まり,全体的にモコモコとした処理がたまらない“きみがいなくても”です。これもラヴソングなんだけど,いいよね〜この曲。君がいなくても日々は動いていくんだけど,君がいなければ俺は眠れないし,起きられないっていう,ある意味究極の私的なラヴソングではないかと思うのですけど。“きみ”がいないから私はアルコールにまみれて眠りについていますけどね。やってられねえな,全く。やっぱ日々の生活にも愛は必要だよね。殺伐だけじゃ壊れてしまいそうになるしさ。

 う〜ん,最後は思いっきり愚痴になってしまったけれど,やっぱ爆音テイストが他のアルバムに比べて少ないのがこのアルバムを少し私的に物足りないものにしているのかもしれないですね。
 その分,藤井一彦の書くラヴソングが好きな人には思いっきり楽しめるアルバムだと思いますです。
 しかし,来週はもう7月中旬になってしまうんだなぁ・・・今年も始まって半分過ぎてしまったか・・・という感じですね。どうしたもんだか。