ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

ぼくの展覧会Disc2/友部正人


 4月になってすっかり暖かくなったけれど,やっぱ朝夕は寒いので,石油ファンヒーターはもう少しあった方がいいかなぁということで,ファンヒーターのタンクだけ持ってガソリンスタンドへ行きましたです。ちょっと恥ずかしいかな?と思いましたが,この時期にさらに18リットルを買って,4月末にファンヒーターをガンガン着けて熱い・・・とか言いながら灯油がなくなるのを待つのも辛い(実際,暖かくなるとなかなか灯油が減らないし,ファンヒーターも加熱されてちょっと怖いんだよね。)ので,まぁいいかと。
 しかし,自転車で通勤するには本当に気持ちいい時期になったですよね。ちょっと肌寒くはあるんだけど,どうせガンガン飛ばして体はすぐに熱くなるんだから,関係ないしね。ちょっとヒンヤリした風を受けながら桜の花を見ながら,お気に入りのロケンロールを聴きながら自転車に乗ってますです。そういえば,自転車のバックミラーを全然見えない100均の奴から自転車屋で買った奴に付け替えたら,後ろがよく見えて本当にいい感じです。これでさらに自転車に乗るのが楽しくなりましたです。

 で,今回も友部正人の「ぼくの展覧会」で,2枚目から紹介したいと思いますです。
 1曲目の“水門”は友部正人のアコギにロケット・マツのアコーディオンが気持ちよく絡む静かだけど力強い曲で,2枚目のスタートにピッタリの曲です。「水門はまたしても明日に取り残されたけど,もう明日をせき止める作業を始めている。」で締めくくるこの曲で水門が何を指すのかは未だに私にははっきりと分からないのですけど,そんなことはどうでもいいぐらい,漠然としたイメージに気持ちよく包まれる曲です。
 2曲目の“古い切符”はTHE GROOVERSをバックにしたバンドサウンドで,THE GROOVERSも得意の爆音サウンドではなく,友部正人の唄をしっかりとバックアップしています。で,この曲は最初の「君の町に行くたびに,君に会いたいと思ったよ。ゆうべはじめて知ったんだ。君がもういないって。」っていうフレーズですでにやられてしまっている私です。う〜ん,さすがにもう40歳を過ぎると死ということを少なからず意識しながら生きなければいけないんですけど,ここまであっけらかんと死を唄われると,それでいいんじゃないかとも思ったりもしてしまいます。「それではみなさん,さようなら。一生のあいだだけさようなら。」だなんて,なんでこういう素晴らしいフレーズが出てくるのかなぁ。
 3曲目の“イタリアの月”もTHE GROOVERSをバックにして,友部正人がひょうひょうを唄っているのですが,この唄もいいんですよ。遠くに離れた恋人のことを思いながら唄っているのですが,「「君が夜に口ずさむ歌を,ぼくは君のそばにいて聞けない。ぼくにできるのはただ,君のいないところにいて歌うだけ。」なんて歌詞には本当にやられてしまったです。この曲では藤井一彦のギター(バッキング&ソロ)も非常にすばらしく,またロケット・マツのエレピの音も非常にいいです。こういう音を聴くと,エレピの音はいいよなぁと思ってしまいますです。
 4曲目の“6月の雨の夜,チルチルミチルは”は最初は友部正人のギターとブルースハープだけで「6月の雨の夜,チルチルミチルは,からの鳥かごを下げて,死の国へ旅立った。ゆうべのままのこのぼくが朝日をあびてまだ起きている。」と始まり,途中からTHE GROOVERSがドカンと入ってくるのですが,本当に友部正人の唄を生かしているTHE GROOVERSのバッキングは本当にカッコイイです。唄の内容としては不倫(なのかな?)の果てに心中するという内容なんだろうと思うのですが,暗い唄になっていないところが凄いです。「知らないことでまんまるなのに,知ると欠けてしまうものがある。その欠けたままのぼくの姿で,雨の歩道にいつまでも立っていた。」というフレーズはさらっと唄っているのに本当に重いです。
 5曲目は,本当に名曲なのにメジャーで絶対に聴くことができない曲,“びっこのポーの最後”なんですが,この曲でもTHE GROOVERSが一言一言噛み締めるように唄っている友部正人を本当に素晴らしくバックアップしています。「そりゃぁ,あんたが行けば学生だってトップレスバーの女だって金を出すさ。でも,それはあんたがイカしているからでもあんたのからだが不自由だからでもないのさ。」って唄っているこの唄を,言葉狩りをしているアホな連中に聴かせてやりたいと本当に思ってしまいますですよ。
 6曲目の“こわれてしまった一日”水谷紹とのギター2本でしっとりと演っていますが,水谷紹のギターとコーラスが非常にいいです。「おやすみ,こわれてしまった一日と,遠くからでも見える人」で締めくくるこの曲は,多分,見る人によって感じるイメージが異なると思いますので,これ以上はあんまり語りませんです。
 7曲目の“夕暮れ”は駒沢裕城のラップスティールと友部正人のギターだけで演奏されるのですが,シンプルながらもものすごい音の拡がりを感じさせてくれます。本当に曲の構成はシンプルなのですが,ラップスティールの音と言葉を繰り返しながら深みに連れて行ってくれる,この曲は本当に気持ちよく心を静かにさせてくれます。「生まれたり死んでしまったりのその日のはざまで,川は今日も気持ちよく背骨をのばすよ。」なんて言葉はどこをどうやったら出てくるんでしょうかねぇ。
 8曲目の“ラブ・ミー・テンダー”も駒沢裕城のラップスティールと友部正人のギターだけで演奏されるのですが,プレスリーの名曲を思いっきり友部正人が翻訳してベタに唄っているのですが,正直な話,ものすごく恥ずかしい歌詞になっているのですが,友部正人のあの声で歌われると恥ずかしく思えないんですよね。これを自分で唄うのは・・・ちょっと恥ずかしいかもしれないです。この曲での駒沢裕城のラップスティールは本当にこの曲にピッタリです。こういう曲を聴くと,ラップスティールもいいなぁ・・・なんて思ったりしますね。
 9曲目の“夜を着がえて”も駒沢裕城のラップスティールと友部正人のギターだけで演っているのですが,この曲のちょっとマイナーっぽい曲調にラップスティールの浮遊感のある音が,非常に歌詞の内容と合っていて,いいんですよねぁ。「夜はずいぶん年老いた。こいつを着替えて出直しだ。」なんていうラストのフレーズが大好きな曲です。
 10曲目の“君が欲しい”はアルバム(にんじん)では,友部正人のアコギとブルースハープだけで演っていましたが,このライヴではTHE GROOVERSをバックに思いっきりロッカ・バラードなナンバーになっていますが,サビの「あ〜今夜もあいつのブルーズが,あ〜ぼくの床板を踏む。君がほしい。」っていうフレーズは私にとっては最高です(25年前からね。)。この曲での藤井一彦のコーラスともなんともいえないサビのシャウトやエンディングのギターソロもカッコヨシですし駒沢裕城のラップスティールの間奏もカッコヨシです。
 11曲の“いっぱいのみ屋の唄”はこのアルバムで初めて聴いたのですが,はっきり言ってメチャ好きな曲です。タイトルからしてたまんないですよね,「いっぱいのみ屋の唄」ですもんね。この曲でのTHE GROOVERSの演奏もいいのですが,私的には本当に歌詞が大好きで,「このままどっかに行ってしまいたいと,ぼくはため息白い息。どこまで行っても同じことさと君は近くの焼きとり屋まで。」とか「「あくせくする足なんていらないから,なんでも話せる顔がほしい。」とか,「なあにぼくはぼくなりにやっていくさと,言ってしまったあとのやりきれなさよ。」とか本当に大好きな曲です。「ねえ,すわりこんだまま立ち上がれないのんべえさん,つのだせ,やりだせ,あたまだせ。」って私のことですか?
 2枚目のラストは“誰もぼくの絵を描けないだろう”なんですけど,このヒリヒリとした感じは本当に凄いです。THE GROOVERSがヘヴィなロケンロールを奏でているのですが,それに負けない友部正人のヴォイスと歌詞が凄いです。「誰もぼくの絵を掛けないだろう」っていうか,誰もあなたのように歌えないですよ,友部正人さん。「地下街でまたひとり労務者が死んだ。法律よりも死のほうが慈悲深いこの国で,死んで殺人者たちと愉快な船旅に出る。」なんていうすごいフレーズがなんで出てくるんでしょうかね。それで,この曲のもう一つの聞き所は,エンディングで藤井一彦が延々とギターソロを弾きながら,藤井ヤスチカのドラムの手数が増えるとともにテンポアップし,ラストまでハードなロケンロールになりながら突っ走って行き,終わったと思ったら,更に駒沢裕城のラップスティールがものすごく美しいエンディングを決めてくれます。

 しかし,転勤になって10日を過ぎようとしているので,そろそろ挨拶状を書こうと思って,住所データをシコシコと打っていたら,結構早くできたので,ならハガキを買っておくかと思ったのですが,わざわざ郵便局の本局へ行くのも面倒だと思って近所のコンビニへ行ったのですが,あんまり慣れていないバイトのお姉ちゃんだったので,非常に手間取ったみたいで(40枚買ったしな。),ちょっと申し訳なかったですよ。でも,あまりにも手元がおぼつかなかったのがお姉ちゃんも分かったようで,レジを打つ前に数え直しを頼まれてので,まぁ後でゴタゴタしても嫌なので,数えさせてもらいましたです。まぁレジが込む時間帯でないからいいかな?と思ったのですが,ちょっと失敗したかなぁと思ったです(レジのお姉ちゃんには一応「手間を掛けてすいませんでしたね。」って謝ったですよ。)。
 まぁ,転勤の挨拶状は明日で片付けて,サッサと楽な気分になりましょうかね。