ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

人中間/宮沢正一


 今週もなんだかんだで週に3回も飲んでしまった・・・春の異動までに仕事もそうだけど身辺整理も果たして終わるのか?という感じになって参りましたが,今日が夜勤なので夜勤の合間を縫って仕事を片付けて,明日はそのまま片付けを半日ほどしましょうかね。でも,自分で考えていたよりも少し早く仕事が回っているので,なんとかなるのではないかとは思っているのですが。
 
 で,今回はやっとというか,とうとうというか宮沢正一の人中間(じんちゅうかん)を御紹介したいと思います。私が初めて宮沢正一のことを知ったのは,遠藤ミチロウのエッセイ集で宮沢正一のことが取り上げられていて,遠藤ミチロウがこんなに絶賛するんだからすごいんだろうなと思って,何とか聴いてみたいと思ったのですが,当時は地方都市の中学生で,今みたいにネット通販はないし,東京まで買いに行くこともできないし(そもそも,聴いてみたいと思ったときには入手できないというのが,当時の自主制作盤の常でしたし。)というわけで,いつか聴きたいという思っていたところ,初期いぬん堂で売っていたのですが,当時はまだネット環境がなくて,限定500枚の再発作品もいつの間にか売り切れてしまったのですが,今年,いぬん堂10周年企画ということで,宮沢正一の人中間とラビッツのWINTER SONGSが再発されるということで,この機会を逃したら,当分聴くことはできないだろうと思い,買ってしまえ!と買ったものです(ただし,ラビッツの方は2曲分のマスター待ちで作業が無期限停止している状態とのことでございます。)。
 はっきり言って,凄い!としか言いようがないです,このアルバムは(狂っているという言葉も最上級のほめ言葉になるでしょう。)。私もギターとリズムマシンで弾き語りをやっていましたが,そんなもんじゃないです。轟音エレクトリックギターに他人を拒絶する言葉を呪詛のように唄うヴォーカル。っていうかパンクですよ,本当に。でも人には勧められないなぁと思います,はっきり言って。
 1曲目の“抱いて”はベース音をガンガンと弾きながら「好きになるのはやめたんだ。友達,もう好きになるのはやめたんだ。BABYアイラブユー」と唄なのかつぶやきなのか分からない歌い方で,とにかく聴く者を拒絶しまくっています。素晴らしい。
 2曲目の“アレが来る”はフィードバックノイズの後にヘヴィなギターを弾きまくったた後の静寂に,宮沢正一が一言「アレが来る!」とだけ叫んで終わってしまう,ものすごくパンクな曲です。
 3曲目の“すすめ”もベース音をガンガン弾きながら始まったかと思うと,結構ポップなギターのリフになり,「犬のような恥ずかしがり屋」とかもう私的にはたまらない言葉が炸裂している曲です。「ほらほら,これがぼくだ,すすめ!」そのとおりでございます。自分は自分でしかない。
 4曲目の“コンクリート”はひたすらノイジーなギターの音で始まったかと思うと,結構,ポップなギターのリフに乗って,宮沢正一がはき出すように歌っています。「各々別々狂っていって,各々別々に消えてしまうだろう」とか「ごくろうさまでほうりだされただけ」とかこの曲も私的にはやられてしまう歌詞が炸裂しています。
 5曲目の“ケモノ”はフィードバックノイズの中から,ベース音を弾きながら,つぶやくように宮沢正一が全てを拒絶するが如く歌っています,「夢ではない,もう時間なのだ。」そのとおりです。
 6曲目の“見たろ”は割とアップテンポ(本当かよ?)なナンバーで叩きつけるようなギターカッティングの音に乗せて「おまえ,うちにかえって,おまえのオンナがオトコを入れているのを見たろ。だからおまえ,見つからないようにそうっと出て行って」とか本当にどうしようもない歌詞を唄っていますな。アハハハハと乾いた笑いしかでねぇな。
 7曲目の“戦争のこと”はベース音を弾きながら,宮沢正一が愛を唄っていますが,「彼女の体がひびわれて,こなごなになっていくのを見ていたおれは。」とか「おれの指の先からこぼれていったものを呼び戻しなさい」とか歌った最後に「彼女を愛している」とか唄われてもなぁと思いつつ,結局,この歌詞と“戦争のこと”というタイトルが繋がらないんですけど,もういいです。
 8曲目の“アナ”はノイジーなギターが延々と鳴り続ける中,叫ぶように唄う宮沢正一にやられてしまったのですが,はっきり言って叫びすぎていて,歌詞カードを見なければなにを唄っているのか分からないぐらいですが,宮沢正一の悪意の固まりは感じましたですよ,しっかり。
 ラストナンバーの“カラス”は唯一ノイジーでないエレキギターの弾き語りになっています。「カラス,カラス,うたをもてり」と唄う様は宗教的な荘厳ささえ感じさせるラストにふさわしい曲になっています。
 しかし,このアルバムで何よりもすごいのが,この音源はライブ前のリハの時間で録音されたものだという恐ろしい事実。そんな状況で,こんなにテンションをあげてエネルギー(多分,負の)を放出できるのは凄いと思います。
 今回は,かなり特殊な音源なのであえてお勧めはしませんが,それでも聴いてみたいという人は聴いてみてください。

 話は変わるのですが,タスポのカードが手元に届きました。これで5月からも自販機でタバコを買うことができるので一安心なのですが,案外(というか多分)バカ学生がタスポカード狩りなんてするんじゃなかろうかと思ったりもして。そうすると,タバコを吸うこと自体が結構危険かもしれないなぁ。