ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

SONHOUSE TWIN PERFECT COLLECTION Disc-1/SONHOUSE


 1月も下旬になるとやっぱり段々と寒くなってきて,髪の毛が伸びてきたんだけど,ここで下手に切ると寒いよなぁ・・・ということで髪を切らずに伸びて邪魔になった前髪をハードムースで流しているのですが,そうすると「髪型変えたけど,どういう心境の変化?」みたいな聴かれ方をよくされますです。まぁ,単に伸びてウザイだけなので,それだけ説明すれば納得してもらえるのでいいけど,こっちは気にしてなくても結構,気にするものなのね。しかし,朝の段階ではオールバックみたいにしているのですが,新幹線を降りた段階でもうオールバックではなくなり,夕方には前髪が降りてくるだなんて,なんという形状記憶毛髪なんでしょうかね。まぁ言うことを聴かないのは髪の毛だけではないので,仕方ないか。

 で,今回と次回を使ってSONHOUSEのベスト盤を紹介したいと思いますです。SONHOUSE柴山俊之と鮎川誠が在籍していた博多のバンドで,後のめんたいロック勢(ルースターズとかロッカーズとか)に多大な影響を与えたバンドです。これまでは再結成したときにレコードでPOISONというベスト盤が発売され,それを持っていたのですが,某Bスト電機から500円値引き券が届き,某Bスト電機のレコードショップでも使えるので,何かいいのはないかな?と探していたら,このCDを見つけたんですね。よく内容を見てみると,SONHOUSEの3枚のオリジナルアルバム全曲とボーナストラック2曲が入って,2枚組3500円だったので,500円券を使えば1枚あたり1500円だなと,私の心の中でお買い得感が高まり,買ってしまいましたです。
 1曲目の“キングスネークブルース”なんですけど,イントロのギターのカッティングが始まった時点で盛り上がりますですよね。サビのドラムのタム連打も最高ですし,鮎川誠のギターソロもカッコイイです。また,柴山俊之の淫靡な隠喩たっぷりの歌詞も最高です(じめじめ湿った草むらの小さな秘密の洞穴がとかさぁ。)。やっぱSONHOUSEはこの淫靡な隠喩たっぷりの歌詞がたまんないですよね。
 2曲目の“借家のブルース”なんですけど,これは苦労をして部屋を借りることができた男の唄なんですけど,ベースとドラムのリズムセクションがいいリズムを演っていますです。シンプルなアレンジなんですけど,2本のギターの絡みもカッコイイです。これも柴山俊之の作詞なんですけど,最後の「でもこの部屋にだって,いつかは飽きがくるだろう。そいつは仕方のないことさ,隙間だらけになっちまや。」という深みのあるフレーズも最高です。
 3曲目の“風よ吹け”は鮎川誠の作詞なんですけど,鮎川誠の書く歌詞はどっちかというと自分に向けられた歌詞が多いですね。この曲もそうですけど。ハードなギターカッティングで始まってから唄が始まるとちょっと抑え気味の演奏をし,サビではまたハードに盛り上がるというロケンロールの王道的な曲ですね。「とても幸せそうに笑ってみせた。俺にできることといったらこれ位い。生暖かい空気が俺を包んでる。だから俺はここにいたくない。」という歌詞はやるせなくてとても好きです。
 4曲目の“もうがまんできない”はJAGATARAにも同じタイトルの曲がありましたが,こっちは思い切りロケンロールしていますです。これも鮎川誠の作詞なんですけど,バカっぽい女の娘にゲンナリしている曲で,この曲のスピードを更に家族するとロッカーズになってしますのではないかいと思ってしまったです。
 5曲目はSONHOUSEでは有名な曲で“レモンティー”ですが,これは柴山俊之の作詞で淫靡な隠喩が炸裂していて,素晴らしいです。コード進行とギターカッティングがヤードバーズの曲に極似だろうが,柴山俊之のこの歌詞さえあれば最強ですよ。「しぼって,僕のレモンを,あなたの好きな。たっぷり僕のレモンを,あなたの紅茶の中に。」だとか「砂糖をたっぷり,かきまぜゆっくり。さめないうちに,君はもう待ちきれない。」とか本当,柴山俊之の歌詞は凄いです。もちろんバンドの音の方もこの曲はめちゃカッコイイんですけどね。
 6曲目は鮎川誠の作詞で,タイトルどおりロケンロールの“ロックンロールの真最中”でございます。この辺のセンスはルースターズが影響を受けているのかなと思いますね。「かまっちゃいられない,今ごきげんなんだ。ロックンロールをやってるんだよ。ロックンロールの真最中。」っていう歌詞は最高でございます。ベースとドラムのリズム体がシャッフルのリズムを気持ちよく作り出していて,これに乗っかるギターカッティングも最高ですよ。もうノリノリでございます。
 7曲目の“ミルク飲み人形”は柴山俊之の作詞でタイトルからも分かるとおり,これも隠喩系の歌詞です。バックの演奏はシンプルでソリッドなロケンロールで非常にカッコイイです。「いつも俺のそばにいてくれた可愛いミルク飲み人形が何処へ消えちまいやがって,俺のミルクカップもさびちまった。」っていうラストの歌詞は大好きな歌詞ですね。
 8曲目の“地獄へドライブ”も柴山俊之の作詞なんですけど,これはねじれたラヴソングなんですけど,柴山俊之のヴォーカルからいきなり始まる曲なんですけど,猫の鳴き声みたいなスライドギターの音が目立ちますが,やはりリズム体のシンプルながらガッチリとしたリズムがこの曲のキーポイントではないかと思いますです。特にベースの8分でルートを刻んでいるのですが,気持ちいいぐらいリズムが立っていてよいです,カッコヨシ。
 9曲目の“スーツケースブルース”は柴山俊之の作詞なんですが,恋に破れた男の唄なんですけど,アコギとエレキの2本の絡みがキレイな感じになっていますです。最初の「スーツケースを持って旅に出よう,汽車の切符を手に入れて。どこか知らない所へ早く逃れよう。」という歌詞だけで私はやられてしまったのですが,鮎川誠の間奏とエンディングのギターソロも泣かせるフレーズで非常に良いです。やっぱこういう懐の深さがいいですよねぇSONHOUSEは。
 10曲目の“なまずの唄”は鮎川誠の作詞なんですけど,自分をなまずに例えた歌詞なんですけど,個人的にはギターのカッティングがものすごい好きな曲ですね。というか2本のギターがほぼ同じフレーズでカッティングしているので,そのドライヴ感は凄いですよ。本当にカッコヨシ。で,ここまでは1枚目のアルバムの有頂天からで,時々レコード屋で笑ってしまうのが,このアルバムをケラがやっていた有頂天のコーナーに置いていたりするんですよね。頼むぜ,店員。
 11曲目の“夢みるボロ人形”と12曲目の“あの娘は18歳”はシングルですが,まず“夢みるボロ人形”は柴山俊之の作詞なんですが,今回のボロ人形は自分のことを指しているんですね。曲としてはちょっと地味な感じのロケンロールです。個人的には“キングスネークブルース”をシングルカットした方が良いのではないかと思いますが,あの頃のレコ倫じゃ無理かもしれないなぁ。12曲目の“あの娘は18歳”も柴山俊之の作詞で,ロッカーズとかルースターズが好きな人なら必ず気に入るであろうロケンロールナンバーでございます。コーラスワークも格好良く決まっていますです。
 13曲目の“爆弾”からセカンドアルバムの仁輪加からのナンバーです。はっきり言ってこの曲は柴山俊之の淫靡な隠喩が決まっているロケンロールナンバーでございます。「爆弾抱えて潜行中,俺は荒くれ航海士。ヤバイ事などまきちらし,探し出してはぶちこわす。」だの「世間知らずの箱入り娘,それに教育ママさんも,俺の腰には気をつけろ,魚雷があんたをねらってる。」だなんてカッコヨスギでございますよ。もちろん,この歌詞をドライヴさせるちょっと重ためのリズム体も最高ですしね。
 14曲目の“だんだん”は鮎川誠の作詞なんですけど,ルースターズの“Let's Rock(DAN DAN)”と何か関係があるのかしらと思っていたのですが,聴いてみたら全く関係はありませんでした。イントロの鮎川誠のフロントピックアップ(多分)でオーバードライヴさせた重ためのギターリフからカッコよく始まり,ポツポツと柴山俊之が言葉を投げながら徐々に加速していくナンバーです。
 15曲目の“あの娘に首ったけ”はイントロのキレイなギターのアルペジオ柴山俊之作詞ののストレートなラヴソングでシンプルにいくのかと思ったら,すぐさま御機嫌なロケンロールになってしまいましたですよ。はっきり言ってこの曲はベースラインがシンプルながら正にロケンロールなラインを弾いていてものすごくカッコイイです。
 16曲目の“ふるさとのない人達”は柴山俊之の作詞のうらぶれたナンバーなんですけど,イントロのギターのフレーズもそれから入ってくるリズム体も,そして歌詞も全部私好みでございます。「生まれたときから背負ったさだめ。あなたは家もなくさまよい歩く。人に聴かれても話せない,ふるさとのない人達なんです。」っていう最初の歌詞からやられていますです。私も似たようなものなので,えぇ。鮎川誠の間奏のギターソロもよいです。
 17曲目の“おいら今まで”は鮎川誠作詞の鮎川誠らしい自己言及的な歌詞になっています。この曲はドラムがいいです。ギター2本がシンプルなリフを刻みつつ,ドラムのちょっと跳ねたリズムが非常にカッコヨシです。
 18曲目の“ふっと一息”はエレキギターのペナペナのアルペジオに乗って,柴山俊之のつぶやくようなヴォイスが入っている重い唄です。最後のエンディングだけバンドの音になるのもそれもまたいい感じで。
 19曲目の“どぶねずみ”は鮎川誠の作詞なんですけど,後にロケットでも演っていますが,まさに鮎川誠のロケンロールになっていますです。某バンドが「どぶねずみみたいに美しくなりたい」とか歌っていましたが「そういうお前もどぶねずみ,おそかれ早かれどぶねずみ,一皮むけばどぶねずみ,おいらと同じどぶねずみ」っていう歌詞の方が私的にはグッときてしまうのですけどね。まぁ,そこは好みの違いなのでまぁいいんですけどね。しかし,この曲はドラムとベースのリズム体とギターのリズムの絡みが非常にカッコイイです。
 20曲目の“ぶんぶん”は柴山俊之作詞のシンプルなロケンロールナンバーで,もはやこれはパンクなのではないかと思うのですけどね,私的には(ロンドンパンクというよりはニューヨークパンクですけど。)。言葉,演奏,そのリズムと速度,どれを取ってもパンクだと思いますです。カッコイイよなぁ本当に。ハッキリ言って名曲ですよ,この曲もね。
 ラストの“にわか〜雨”はインストの“にわか”の部分はエレキ2本のみで,そのカッティングとソロフレーズの絡みが非常に気持ちいいです。途中からソロに深めのリバーブを掛けて,非常に美しい曲になっていますです。で,“にわか”がフェイドアウトのように終わったと思ったら,いきなりバンドの音で“雨”が始まるのですが,,“にわか”から何の無理もなく続いて行くその様は“にわか雨”というタイトルにしたいような気持ちになったりします。この曲ではめずらしく柴山俊之が朗々と歌っているのですが,曲の感じや歌詞の内容に合っていてよいのではないかと思いますです。それに対比する鮎川誠のハードなギターリフも気持ちよいでございます。
 で,Disc-1はこれで終わりです。

 しかし,昨年最後のブログにいぬん堂の社長に踊らされっぱなしと書いたのですが,今年もいぬん堂の社長に踊らされています。というのも,宮沢正一の再発「人中間」と宮沢正一のバンド,ラビッツの「Winter Songs」が再発されるというのでポチっとカートのボタンを押してしまいましたです。遠藤ミチロウのエッセイで取り上げられて気になっていたまま手に入れ損なって,どうしたもんかなぁと思っていたら再発だもんなぁ。買うしかないですよね。これからの冬のシーズンに身も凍る様なロケンロールを堪能したいと思いますです。
 てなことを書いていると,お前は古い歌にしか興味がないのかと思われそうですが,一応,最近の音もチェックしていて,mf247っていうダウンロードサイトの週間チャートのネットラジオも聴いてはいるんですけど,あまり「これは!」となるものがなかったのですが,久しぶりに来ましたよ,the武田組という北海道のバンドが。はっきりいって初期衝動そのままの歌詞と演奏なのですが,そこがイイ。特に“麗しい”という曲がイイですね。「3コードで愛でも恋でも歌える。1,2,3で何でもかんでもできる!」とか「歌いてぇなぁ,とにかく歌いてぇなぁ。」という歌詞にはやられちゃったですね。しかし,こういう初期衝動が素晴らしいバンドはその後が大変なんだろうというか私好みになるかどうかはこれからですが,今のところ私的大絶賛の新曲なので,気になる方はぜひmf247のサイトで視聴やダウンロード(http://www.mf247.jp/?gr2_id=00000000000000000000000000570850)してみてくださいです。