いや〜しかし,先週からよく雨が降ったよね。毎日毎日雨なんで,仕事に行くのも面倒くさかったんですけど,雨が降ったらお休みで・・・というわけにもいかないからなぁ・・・。
まぁ,なんとか今日から天気も少しは回復したようなので,あとは熱帯夜が少ないかだな。
で,今回は先週運良く手に入れた,PANTA&HALのファーストアルバムであるマラッカについて語ってみたいと思います。頭脳警察解散後,2枚のソロアルバムを経て,PANTAが新たなバンドとして結成したのがPANTA&HALなんですけど,今,こうやって聞いてみると,当時流行っていたフュージョンっぽい音(まぁ,ギターが後のパラシュートの今剛だったりするので,それはやむを得ないかと。)だなぁと思ってしまいました。歌詞はPANTAらしくていいんですけどね。
1曲目の“.マラッカ”は,サンバホイッスルとラテン系パーカッションで始まり,そこにアコピが絡む,海をイメージした気持ちいい曲です。PANTAも心なしか気負わずにサラッと歌っているように思うんですけど,「デッキをたたく熱帯の風と海鳴りの音につつまれて,いま,赤道直下,マラッカ」って歌っているサビから,伸びのあるギターソロが絡むところなんか本当にいいです。
2曲目の“つれなのふりや”ははっきり言えば,ライブのCall&Responseをそのまま曲にした感じですけど,PANTAが歌えば,それもOK!ってな感じなんですけど,それに続くのが,「つれなのふりや,すげなのかおや」だもんな〜,このセンスには脱帽です。
3曲目の“ブリキのガチョウ”はシャッフルっぽいリズムにワウかフェイザーを掛けたベースが気持ちいい,ちょっと軽めのナンバーです。「駄菓子や育ちの3枚目,ゼンマイ馬力でミュージック」ってなところは,ブリキのガチョウ=PANTA or リスナーということでしょうかね。
4曲目の“裸にされた街”は,私の大好きなPANTAのバラードです。アコギのアルペジオやハーモニクスも美しく,TKO Night Lightではドラムが入っていましたが,このアルバムではドラムレスで,淡々と歌うPANTA の言葉にグイグイ引き込まれていきます。少年少女合唱団のコーラスも曲にピッタリで,この曲を聴くだけでも,このアルバムを買う価値はあると思います,私的には。
5曲目の“.ココヘッド”は,この曲はどこかで聴いたことがあるぞ。う〜ん・・・五木ひろしの歌だったような気がする・・・微妙にこぶしを回すPANTAもの歌もちょっと演歌チックだしな。敢えてこんな感じにしたのかな。でも,これはこれでよしということで。
6曲目の“ネフードの風”は,これぞ70年代末フュージョンってな感じの音です。ドラムのきっちり16beatを刻むハイハットのリズムや,ブレイクのときのベースとギターのユニゾンやストリングスアレンジも懐かしい感じですね。PANTAもサラッと歌っていますし。こんな時代もあったねとぉ〜(by中島みゆき)という感じですけど,この頃の音を知らない人だと新鮮に感じるかもしれないですね。
7曲目の“北回帰線”はPANTAお得意のポップなラヴソングです。「もうすぐに会える,きっときっと会える,それから始まる。おまえが欲しい。じゃまをするなよ北回帰線」っていうサビがPANTAらしいです。
ラストナンバーの“極楽鳥”は亡くなったマーク・ボランへ捧げられた曲なんですけど,てっきり思いっきりグラムっぽいのかと思っていたら,ちょっと重ためのギターリフで始まる,ちょっと重ためのナンバーで,あでやかでカッコよかったマーク・ボランを極楽鳥に例えています。「きみはかすかにうたをくちずさむ,最後のうたを。足鳴らす少年の前で,叫び続ける少女の前で」っていうところがいいですよね。ところどころに入るシンセドラムのタムの音も時代を感じたりして。マーク・ボランは亡くなっちゃったけど,今もレコード(CDですか?)の中で私にとって最高のRock'nRollをいつまでも聞かせてくれています。う〜ん,Dandy in the UnderWorldを聞きたくなったよ〜。
70年代末以降の音楽って,ちょうど自分が多感な時期(本当かよ?)に影響を受けまくった音なので,やっぱ今聞いてもいいというか,あの頃はそもそもロックなんてあんまり商売にならなかったので,売れ線でないいい仕事をしているよな〜と思いますですよ。