ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

Never Mind the Bollocks/SEX PISTOLS


 なぜに今回,SEX PISTOLS(以下「ピストルズ」といいます。)なのか,それは自分でもよく分からないのですが,多分,何となくパンクについて語りたくなったからなんでしょう。

 このアルバムは初期パンクの名盤であるとともに,私的にはロックの名盤と言ってもおかしくないアルバムだと思っています。が,このアルバムを私が買ったのは発表されてから10年後だったと思います。きっとあまりに名盤すぎて,へそ曲がりの私としては買う気になかなかならなかったんだろうと思います。と,言いながら,そのころP.I.Lはガンガン聞いていて,ジョン・ライドンのボーカルはものすごく好きだったし,ラジオなんかで“Anarchy In The U.K.”が流れることもあって,耳にはしていたで,そのうち機会があればと思ってはいたのですが。

 で,結局,輸入盤を手に入れてターンテーブルに乗せてみたところ,1目の“Holidays In The Sun”がザッザッザッザッという靴音のSEで始まってから,2曲目の“Liar”以下“No Feelings”,“God Save The Queen”,“Problems”まであっというまにA面を聞き終えてしまい,B面も少しダルなギターの音で始まる“Seventeen”から始まって,“Anarchy In The U.K.”,“Bodies”,“Pretty Vacant”,“New York”,そしてラストの“EMI”まで聴き終えてしまいました。やっぱりジョン・ライドンの呪文のようなボーカルは大好きで,初めて聴いた曲でも一緒になって呪文を唱えていたように思います。
 で,ピストルズがパンクであったのは,やはり社会(政治)や,同世代や大手レコード会社や,ましてはピストルズ自体も含め,「全てのものにNO!と言った。」ことだろうと思いますし,このことは私のパンク観ともなっています。
 もし,ピストルズがこのアルバムで解散せず,2枚,3枚とアルバムを発表していたとすれば,ここまで伝説になることはなかったでしょうし,「全てのものにNO!」と言った以上は潔く1枚のアルバムで自己完結する必要があったのかもしれません。
 
 それと比べると,私がこのアルバムを買った当時,日本ではハードコア・パンクが(一部で)流行っていて,私が住んでいた町でもギンギンのモヒカンでショットの革ジャンに鋲を打ちまくったパンクスがたくさんいましたが,仲の良いレコード店の店長と「あれはパンクスではなくヤンクス(ヤンキーのパンクス)だよね。ファッションじゃないバンドはいないのかね。」とよく話していました。その当時のハードコア・パンクのバンドは,反戦反核をハードかつノイジーサウンドで叫んで(No War!NoWar!)いたのですが,なぜに君たちがそういう歌詞をこういうサウンドでやるのかという必然性が流行っているからという以外には見えなかったんですよね。それから,その後,アマチュアバンドのライブを見に行くと,今度は高校生ぐらいのバンドが「りんだりんだ〜!」と歌いながらカエルみたいにピョンピョン飛び跳ねているバンドがやたら増えて,なんか悪い宗教でも流行ってるのかいな・・・と思っていたら,どうもそれはTHE BLUE HEARTSっていうバンドのコピーであることを知ったんだけど,私的には全然心に響くものがなかったんですよね。決定的だったのは,ラジオでたまたま聞いた“パンクロック”という曲だったんですが,「僕,パンクロックが好きだ!,やさしいから好きだ!」なんていう歌詞に目眩がしたことを覚えています。パンクがやさしいわけないじゃないか,自分を含めた全てのものにNO!と突きつけ,当然のように嫌われるものがやさしさを持っているわけはない。やさしいように見えるのは,全てのものにNO!と言うために,全てを等価に扱うから,そう見えるだけではないかと思ってしまったのです。
 しかし,THE BLUE HEARTSに影響を受けた連中が,それから10年後に青春パンクとか言って,やっているのを聞くと,パンクは遠くなりにけりというか,なんだよお前ら,パンクじゃなくて歌謡ロックというか,ロックの皮を被った青春ドラマですか?っていうか,パンクをバカにしていないか?って思わざるを得ませんでした。
 
 ちょっと説教くさいかもしれないけど,今の若い人は好きな音楽のルーツまで遡って聞いないんじゃないかなぁ〜と思えるので,ぜひルーツまで遡って(ピストルズですら,すでに約30年前になってしまっているし。)音楽を聴いてほしいですね。
 そうすると,ピストルズから青春パンクみたいな気持ち悪いものは出てこようがないと思うんですけどね。むしろ,青春パンクの皆さんよりは,友部正人加川良の方がよっぽどパンクだと思えるんですけどね(遠藤ミチロウは存在そのものがパンクなので,敢えて引き合いには出しませんけど。)。
 私は単なるオッサンですけど,ネクタイ締めていようが,長距離通勤で疲れ切っていようが,ロケンロールを(たまにパンクも)忘れることはできないし,忘れていないと思っているんですけどね。

 何か,今回はちょっと熱く語りすぎたようなので,この辺で。