ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

SKINLESS/SKIN


 さぁ,昨日から世間一般ではゴールデン・ウィークに突入ですが,先週,いきなり法事の予定が入ってしまったため,昨日はおとなしくしていました。しかし,2人分の法事をまとめてやったので,お経がやたら長くて,多少なら正座も我慢できるけど,約1時間掛かったので,正直,勘弁してよ・・・という感じでしたね。今日も普通の日曜日という感じですし。しかし,仕事柄,基本的にカレンダーどおりの休みだし,ちょっと仕事の状態が休んでいる場合ではないのでゴールデン・ウィークは5月3日からというところですかね。
 それで,おとといは遠藤ミチロウのDVDが届いたのですが,まだしっかり堪能していないので,レビューは次回にしたいと思っていますが,ちょっと見たけど,やっぱすごいです。とても55歳とは思えないです。あんまり書くと次回書くことがなくなるので,この辺でやめておくことにしようっと。

 で,今週は,また多分誰も知らないバンドを紹介したいと思います。SKINは,確か今を去ること20うん年前に日曜日の午前11時から鈴木ヒロミツが司会をしていたHOT TV(だったと思う。この辺はうろ覚え)という番組で,バンド合戦的なものがあったのですが,そこでの初代チャンピオンとしてデビューしたバンドです。しかし,このHOT TVという番組はけっこうすごい番組で,プラスティックスが出たり,ジューシー・フルーツになる前の近田春男とBEEFが出ていたりしていました。と,あんまりSKINに関係のない話はさておいて,SKINをバンド合戦のコーナーで初めてみたときは,ちょっと衝撃的でした。黒のセルフレームのサングラスを掛けたボーカルが,前屈みになって,痙攣しながら歌っている姿は,当時はパンクだ〜!と思ってしまいました。歌詞も結構,フラストレーションをぶつけるような内容で,当時,いろんな意味でフラストレーションの固まりだった中学生だった私としては,非常に共感できたんですけどね。
 で,初めて聴いたときはパンクだ〜!って思ったんですけど,今,こうやって聴き直してみると結構ポップですよね。まぁ,それはそれでいいんですけど。
 1曲目の“大人のおもちゃ”は確か,バンド合戦の時にやった曲だと思うんですけど,アルペジオっぽいギターのイントロから始まり,「君はおもちゃになれるか?」って問いかけながら,「俺はとっくに動き出している!」と投げかけているところは,80年代のダメダメな雰囲気を良く表しているのではないかと思います。ポップなメロディとタイトな演奏がカッコイイです。
 2曲目の“トリップ・ダンス”はゆっくりとしたギターのカッティングから始まり,ポップな感じのイントロだなぁ〜と思っていたら,そのとおりのポップな曲です。歌詞的には特筆するところはないけど,「踊るよデジタル・ダンスを,踊るよセクシャル・ワルツを」っていうところに時代を感じたりしますね。
 3曲目の“ピエロ”はこれもギターのアルペジオっぽい演奏から始まる曲なんですけど,この歌詞は結構,いいですよね。「いつも何かがちくはぐなんだ。俺はただただ笑ってみせる。違った自分を演じ」ていた奴が,ある日歌うことを覚え,「人々のあざけりの中で歌い続け」,「いつも何かがちぐはぐだった,こんな俺が歌を覚えた。壊れかけたモラルの中で,俺は俺を歌い続ける。」という歌詞は自己実現のようでもあり,自己肯定でもあり,歌うことによって救われる気持ちというのは私的には今でもよく分かるので,非常に好きな曲ですね。
 4曲目の“こうもり男”は「ケケケケ・・・」という雄叫びで始まる曲ですが,スピード感のあるポップな曲です。それ以外は特にコメントすることはないかなぁ・・・
 5曲目の“満足できない”はバンド合戦で聴いて,ぶっ飛んだ曲ですね。「今の俺たち,馬鹿げた俺たち,見え透いた俺たち,満足できない!明日のことを考えただけで目の前が暗くなるだけさ・・・」とポップなギター,跳ねたドラム,タイトなベースで歌い「満ち足りたメカニズム,馬鹿げたプログラム,与えられたスタイル,満足できない!うるさいガキども,酔った老いぼれ,厚かましいババアは我慢がならない!」って当時,テレビでこんな歌詞で歌うだなんて考えられなかったよね。音的にはパンクではないんだけど,あの当時,この歌詞をテレビで歌うっていうことがパンクだったんだろうな。
 6曲目の“SKINのテーマ”はレコードA面ラストの曲で,まぁこんなもんだよね的曲なので,割愛します。
 7曲目の“サブウェイ・ランニング”は乾いたドラム(当時のレコードなので,生ドラムなのにリズムボックスっぽい音なのがカッコイイ。佐久間正英(当時,プラスチックスをやっていたのかな?)プロデュースなので,狙っているのかもしれない。)から始まり,タイトなベース,重ためのキーボードが重なり,「地下鉄に乗って俺は出かけた!地下鉄に乗って闇を駆けた」と歌っているのですが,地方都市で地下鉄に乗ったことがない私としては,当事はあんまりリアリティーがなかったけど,その後,いろいろあって地下鉄に乗ってみることもあったのですけど,なんとなく閉塞感というか,イヤな感じはありましたね,この曲のとおり。
 8曲目の“鏡”は,ギターのカッティングがカワイイ曲で,アルバムにはこういう曲も入っているよね・・・という感じの曲ですね。
 9曲目の“モダン・タイムス”は大げさなイントロから始まって,ドラムのドタッと切り裂くブレイクから始まる,カッコイイロックンロールナンバーですけど「だけど俺は悩めるボーイさ,頭がいっぱい精一杯なのさ」なんて歌詞に,本気で書いていれば結構痛いというか,皮肉で書いているのなら時代を感じさせる歌詞がイイカンジですし,ギターソロもシンプルながらメロディックでカッコイイです。
 10曲目の“ナルシス・ロックン・ロール”はタイトルどおりのロックンロールナンバーです。50'Sっぽいイントロから,スピード感のあるポップな曲がカッコイイです。「だから,目を覚ませよ今だから,逃げてばかりじゃなにもかもなくしてしまうぜ本当に,大切なオマエを。いつも俺の中で何かが壊されていく,いつもこの手の中で何かが崩れていく」という今も昔も変わらないテーマを歌っているので,今聴いても,そんなに古くさくは感じないですし,カッコイイと思います。
 で,ラストナンバーの“セブンティーン”(ピストルズにもこんなタイトルの曲があったなぁ・・・)はタイトなギターのカッティングから始まり,やっぱりポップなメロディが炸裂するナンバーです。「俺はパパとママの貯金箱じゃないのさ,つまらない夢なんか詰め込まないでよ。お願い,セブンティーン」っていう感じの歌で,いわゆる対ティーンエイジャーの歌なんですけど,ギターソロはハードブギーっぽくてカッコイイですし,ラストナンバーとしてはこんなものかな。

 で,通して久しぶりに聴いてみると,正に「ポップでタイトなロックンロール!」という感じですね。あの頃はハッキリ言って,全く売れませんでしたけど,今なら少し歌詞を書き換えればそこそこ売れるんじゃないかとは思いますが,私の趣味はハッキリ言って偏っていますし,多分,一度も再発されたことがないので,やっぱりダメなのかもしれないですね。