ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

お母さん,いい加減あなたの顔は忘れてしまいました/遠藤ミチロウ全歌詞集


 今年も始まったと思ったら,もう1月も終わってしまうんだなぁ。昨日はTHE GROOVERSのLIVE DVDの発売日だったのに,アマゾンから発送メールも来ないし。どうなっているのかなぁ・・・と思いつつ,まぁこれは来週のネタにしようということで。
 で,今週はCDブックシリーズとして発売された“遠藤ミチロウ全歌詞集”について。
 そもそも,この本を買ったのは,コケシドールのCDを買って,今さらながら遠藤みちろう(というかTHE STALIN)の歌詞を読み直したいなと思ったことと,“STOP JAP”以降(“STALINISM”は再発で入手したけど)はレコードを持っているけど,“TRASH”など初期のナンバーはよく分からないので,この際,買ってしまえ!とばかりに買ってしまったものです。内容的には“電動コケシ”(THE STALIN)から“AIPA”(ソロ)までを全て網羅したもので,好きな人にはたまらない本でございます。特に初期のTHE STALINの歌詞については,ライヴを見に行ったときの音源でいったい何の曲かさっぱり分からなかったものが,ようやく分かったものもあり,個人的には非常にうれしかったですね。
 しかし,1980年から2000年までの20年間分の歌詞を読むと,スタイルはバンドから弾き語り(ミチロウ曰くアコースティック・パンクとのことですが)に変わっても,20年間何一つ変わっていない,というか確固たるミチロウ節が読み取れて,やっぱりすごい人だと思いましたですよ。
 
 おまけのCD(タイトルは“NO DO”ってなっています。)は過去の曲を弾き語りでリメイクしたものですけど,これもまたカッコイイです。
 1曲目は初期のTHE STALINのナンバーの“玉ネギ畑”ですが,THE STALINのときとは異なり,淡々と歌って(THE STALINの時は機械的に歌っていて,それも好きだったけど)いるのがカッコイイです。バンドものの曲をアコギ1本でやると何となく間が抜けたような感じになることが多いのですが,全くそんなことはないので,そこはさすがと思います。
 2曲目も初期のTHE STALINのナンバーの“MISER”ですが,バンド・バージョンももちろんいいんだけど,これはハッキリ言ってカッコよすぎです。思わずコピーして自分でも歌ってしまったですよ。う〜ん,こんな形でTHE STALINのナンバーを歌えるとは思っていませんでしたね。ちなみに間奏のブルース・ハープもカッコイイです。
 3曲目はベトナム伝説に収録されていた“おまえの犬になる”ですが,オリジナルは結構重たくて,ベースラインがすごくカッコイイ曲だったので,果たしてアコギ1本でどうするのかと思っていたのですが,アコギとブルース・ハープであの雰囲気を超えていて,サビの「何も考えずおまえの犬になる!」というところまでグイグイ引き込まれてしまいましたですよ。
 4曲目も“ベトナム伝説”に収録されていた“Hello! I love you”っていうTHE DOORSのカバーでオリジナルはいかにもパンクな速いたたみ掛けるような曲だったので,果たしてミチロウはどう料理するのかと思っていたら,ちょっとテンポは落としてはいますが,ヴォーカルの力でたたみ掛けられてしまいましたさ。えぇ,「正体不明で危険になったら腐ったマシンガン。ダッ,ダダダッ・・・」と撃ちぬかれてしまいましたですよ。
 5曲目は初期のTHE STALINの“No Fun”(イギー・ポップのカバー)ですが,これもオリジナルはゴリゴリのパンクだったのですが,その雰囲気をそのまんまアコギ1本で出しています。「たいくつばかりが一人じめ。お前のアタマはまるでゴミダメだ!」と思いっきりミチロウに叫ばれると,もう何も言うことはありませんな。
 6曲目も初期THE STALINの“溺愛”なんですけど,実は私はこの曲が大好きで昔コピーして歌ったことがあるんだけど,そのときはバンドの音(というかギターアレンジを)そのままコピーしたので,弾き語りするには苦しかった思い出があるので,ミチロウがどうするのか楽しみにしていたんだけど,これはスゴイですよ,さすがミチロウですよ,さすがアコースティック・パンクですよ。はっきり言ってやられました。カッコイイです。THE STALINの“溺愛”を聴いたことがなくて,この“溺愛”を聴いたら,ハッキリ言って多分,元々こういう曲だったと思ってしまうくらい,カッコいいです。
 7曲目は“ベトナム伝説”に収録されていた“渚の天麩羅ロック”で,オリジナルは,ミチロウ得意の言葉遊びっぽい歌詞をゴリゴリのパンクに載せるという感じだったので,どうなるんだろうと思っていたんだけど,アコギ1本でカッコイイブルーズナンバーに仕上げています。この曲は多くを語りませんです。
 8曲目は中期THE STALINの“先天性労働者”ですが,これは果たしてアコギ1本で成り立つのかと不安があったのですが,いやいやバンドでの音の雰囲気を残しつつ,迫力あるナンバーに仕上がっています。コンガも入っているようですが,クレジットがないので,誰が叩いているのかは不明ですが,多分トシ(石塚俊明)なんだろうと思いますけど。しかし,この曲の中のミチロウの悲鳴はとても人間のものとは思えませんので,これだけでも一聴の価値はあると思いますです。
 で,最後は“ベトナム伝説”に収録されていた“仰げば尊し”ですが,オリジナルはバリバリのパンクでしたが,今回は結構,爽やかな歌になっていますね。でもミチロウが敢えてこの歌を歌うというだけで,充分毒があると思いますけど。

 昔,カセットブック(遠藤ミチロウの“ベトナム伝説”と有頂天の“BECOUSE”)を買ったことがあって,音と文章の相乗効果っていうのを非常に感じたことがあるんだけど,このCDブックスも,例え昔のTHE STALINを知らないとしても,ミチロウの歌詞と多分一発録りの音を聞けば,非常に楽しめるのではないかと思いますね(ただし,ミチロウの世界観がダメな人はもちろんダメでしょうけど・・・)。
 ミチロウにはいつまでも元気で歌い続けてほしいですね,そのうちライヴ(もちろんアコースティック・パンクな奴を)見に行きたいので。