なんかあっという間に今年もあと10日とちょっとになってしまったのですが,相変わらず長袖Tシャツだけで過ごしています(もちろん外出するときには革ジャンとかは着ていますが・・・)。というわけで,それはさておいて,そろそろ年賀状も印刷しないとなぁと思い,プリンターを起動させると,黒のインクカートリッジが装着されていないか壊れているというメッセージが。なんじゃこりゃと思いつつ,1年で壊れるとも思えず,近所の某Bッグカメラへいそいそとインクカートリッジを買いに行き(えぇ某Bスト電器のときはHP製品がなかったので,本当に助かりますです。),ついでにカラーも買い足して,家へ帰って新しいインクカートリッジに付け替えたところ,無事に動きましたです。しかし,子供の年賀状もついでに印刷しているんだけど,子供はやっぱりフルカラーの可愛い奴がよいようなので,カラーインクがこれでもかっというくらい減りまして,ただいま,推定インクレベルが残量わずかになっております。ついでにカラーインクを買っておいて正解でしたね。
というわけで,前置きはこれくらいにして,今回はいぬん堂から届いた遠藤ミチロウの「オデッセイ・1985・SEX」を紹介したいと思いますです。このアルバムは遠藤ミチロウがTHE STALINを解散した後の1985年にMichiro Get The Help!名義で出したアルバムで,いぬん堂さんからは1枚のCDで出されましたが,当時の発売携帯としては,12inchシングルを8月から12月にかけて2か月おきに3枚ずつ発売して,その2か月間が自分的には長かったことを思い出してしまいました。なお,1曲目から4曲目までは「オデッセイ・1985・SEX」として,5曲目から8曲目までは「アメユジュトテチテケンジャ」として,9曲目から12曲目までは「Get The Help!」として発売され,13曲目はGet The Help!のおまけソノシート,14曲目と15曲目はシングルで発売されたものです。個人的には13曲目以降は初めてきちんと聴くものなので,12inch盤を持っていたとしても十分,購入するメリットはありましたです。
まず,1曲目の“オデッセイ・1985・SEX”ですけど,これは本当,初めて聴いたときにぶっ飛びましたです。いや,聴く前に歌詞カードを見てぶっ飛んだといった方が正確だと思いますです。それまでの遠藤ミチロウ(以下「ミチロウ」と書きますです。)の歌詞はどちらかと言えば短い(天プラ,オマエだ!カラッポ!なんていう歌詞の極北までぶっ飛んだものもありましたが。)ものがほとんどだったのですが,この曲は12inchシングルの歌詞カード1面に言葉がズラズラと書かれていて,いったいどうなっちまったんだ!と思ったものです。で,音の方はかなりファンクなアレンジにミチロウのシャウトが乗っかっていて,これまでのTHE STALINサウンドとは一線を画したもので,この音はTHE STALINじゃあできなかったよなぁと思いましたです。歌詞の内容は,これでもかってくらいセックスを叫んでいて,まさに「俺のコトバは唯ののセックス」っていうキメのフレーズとともにジャケットがこれがまたエロくて格好良かったです。特にこの曲の思い出として,このアルバムが発売された8月に街の中央公園でライヴを演ったのですが,開始30分くらい前にブレイクダンス系の連中が踊り始めたので,邪魔だなぁと思った私は,スピーカーからこの曲を比較的大音量で流したところ,「俺のコトバは唯のセックス!」っていうミチロウの毒気にやられたのか,ものの3分で撤収したとさって,それっていい話なのかいな?
2曲目の“餌(エサ)”は,ちょっとハードロックっぽい曲で,ノリノリなミチロウのヴォイスがたまらないです。途中の「Hiromi Go!」っていうのにはちょっと笑ってしまいましたです(しかし,何で「餌」なのかは歌詞を読んでも分かりませんが,それはそれでよいです。ミチロウだから。)。
3曲目の“THIS IS LOVE SONG”は非常に短い曲で,シンセの静かな音をバックにミチロウが「アイシテル」とつぶやくだけの曲なんですけど,それがまた,カッコイイんですよね。
で,そのまんま4曲目の“真夏の夜の毒殺”になるのですが,ギターのリフ中心のイントロがカッコイイです。と思っていたら,ミチロウの唄が始まると,ちょっと重ためのビートにやはりギターのリフがカッコイイ,どちらかといえばハードロック的な展開なんですけど,ミチロウ,カッコヨシです。
5曲目の“ジャンキーパニックSEXY STAR”はミチロウのことなんでないかい?とタイトルだけみたら思ってしまうのですが,イントロのギターの歪んだアルペジオから始まり,ミチロウのヴォイスが入り,うねるというか,のたうち回るベースがこれまたカッコイイ曲です。「おぉ見事にオマエの虜さ!」ってサビで唄われなくても,とっくに虜でございますです。
6曲目の“アフリカの発見”は思いっきりファンキーなナンバーでミチロウがこういう曲をやるとは思いもよりませんでしたね。初めて聴いたときにはあまりに意味のない歌詞にどうしたもんかいなと思いつつ,今,こうやって聞き直すと,このバックのサウンドにやられてしまいますし,「黒いパンスト伝染病!」っていうシャウトにもやられっぱなしでございますよ。
7曲目の“D-DOG-SUNDAY”はストレートなパンク系の音にストレートなミチロウのシャウトが乗っかる曲で,「日曜日はダイヤモンドの犬を食べよう,機嫌直しに!」っていうフレーズが基本的に繰り替えされる曲なんですけど,これがまたカッコイイんですよね。
8曲目の“アメユジュトテチテケンジャ(THIS IS LOVE SONG)」はホワイトノイズの後,タンゴのリズム(!)に乗ってミチロウが唄うっていう,ウルトラ革命的な曲で,昔はイマイチかなぁって思っていたのですが,今聞き直すと,もの凄くカッコイイし,後半の壊れ方も凄いし,なによりここで宮沢賢治の詩を持ってくるかというところも感動したりもしますね。ちなみにタイトルは岩手県の方言で「雨雪を取って来てください,賢治兄」っていう意味なんだそうな。
9曲目の“HELP!”はビートルズのカバーなんですけど,個人的にはミチロウの歌詞で聴きたかったのですが,権利関係で残念ながら無理だったそうですが,ハッキリ言ってミチロウの英語カバーなんてそうそう聴けるもんではないので(実際,これ以外はドアーズのBREAK ON THROUGHぐらいしか聴いた覚えがないですね。)。思いっきりカタカナ英語のヴォーカルが少し微笑ましかったりもしますです。
10曲目の“月のスペルマ”は,スピード感のあるロケンロールなんだけど,パンクではない(というか,バックはスピード感のある演奏なんだけど,ミチロウの唄はそれよりもひとまわりゆったりとしたテンポで唄っているという何とも不思議な曲です。しかし,「月に向かって真っ赤なスペルマ!」っていう歌詞はやっぱり凄いよなぁと今更ながら感動してしまったです。
11曲目の“受話機を取れ!(THIS IS LOVE SONG)”は当時流行っていたテレクラの唄ですね。音的には当時流行っていたチェッカーズみたいで,その曲にこの歌詞を乗せるか?って思ってみたりもしますが,いいんです,ミチロウだから。本当,思いっきりうさんくさくて,思いっきりカッコイイです。
12曲目の“オデッセイ・1985・SEX・FIN”は1曲目と違って打ち込み系の音に淡々とミチロウのコトバが投げつけられる曲なんですけど,この曲のもの凄いのはやはり後半ですね。ことわざとかを全部セックスに結びつけて言い換えて居るんですけど,これが凄いというか,この次が唄うことがなくなって破産っていう曲を作ったっていうのが分かるような気がしますです。この曲もぜひ聴いて欲しいですねぇ。
13曲目の“HELP!(Take2)”は9曲目のリミックスなんですけど,多分,これは下山淳の好みではないかと思うのですが,ドラムにフランジャーをかけて左右に振って,センターにはベースとミチロウのヴォイスだけで,印象的なギターのリフについては音圧を上げてみたりと,個人的には,こっちのミキシングの方が変態っぽくて好きだなぁ。というか両端で鳴り響いているドラムの音が耳に張り付いてやまないんですけど。
14曲目の“オデッセイ・1985・SEX(安全?/バージョン)”はイントロのミチロウの「Cut!Cut!Cut!」のシャウトだけでやられてしまいましたです。ミチロウが「パンクとは肉声の復権だ!」って言っていたのを思い出しましたです。このシャウトだけで本当,ミチロウの偉大さが分かりますです。基本的にヴォイスにコンプレッサーが思いっきりかかっていて,気持ちよくつぶれているのですが,それでもミチロウのあの迫ってくるようなヴォイスが響いてきますです。ミチロウのヴォイスの迫力を堪能するなら,このバージョンだなぁ。
ラストの“ONYAN2・1985・SEX”は最初は錦城薫という女性シンガーが最初唄っているのですが,これがドSなんだな。ミチロウが唄っているときには気がつかなかったのですが,女の娘が唄うとドSになるんだなぁとちょっと感動してしまいました。個人的には私がちょっと好きなにしおかすみこがSM嬢でブレイクしていたときにカバーしてくれていたら,ちょっとうれしかったかもしれない。
しかし,子供の年賀状を作って,ふと思ったのですが,自分が子供の頃は近所の文房具屋で100円の干支のゴム印を買ってきて,それで年賀状をシコシコと書いていたよなぁと思い出してしまいました。それを思えば,ボタン1つでフルカラーの年賀状が作れるっていうのは本当に便利な時代になったもんだよなぁと思いました。
しかし,とりあえず年賀状の表書きと裏の印刷は完了したものの,やっぱり一言添えておかないといけないだろうなぁと思うと,手書きでコメントを書くのが非常に苦痛な私なんですけど,まぁ頑張って書くしかないか・・・