前回,予告したとおり,今回はマンガの話を書きたいと思います。
実は昔は「三流エロ劇画から少女マンガまで」と幅広く,マンガであればなんでも読んでいたのですが,最近は子供の手前,三流エロ劇画は読めませんし,ゆっくり本屋でマンガを漁るのも少々恥ずかしい年齢になりましたので,ちょっとパワーダウンしているところもありますが,とりあえず,レコードなんかの話の合間に昔のマンガから語っていこうと思っています。
で,最初は何にしようかなぁと考えましたが,やはり私的にはこれしかないであろうということで,“ネコじゃないモン!”にしたいと思います。
“ネコじゃないモン!”は週間ヤングジャンプで今から20年くらい前に連載されていたマンガで,作者の矢野健太郎のデビュー作にして最初で最後のヒット作(ファンの方,すいません。)です。
ストーリー的には,大阪から家出して東京のデザイン専門学校(美大でないところが,ミソですな。)に通うヒロインの宮本尚子(以下「尚子」という。)と,同級生で彼女に想いを寄せる横川修一(以下「横川君」という。)の恋愛関係を縦糸に,友人たち(ひと癖もふた癖もある連中ばかりで,尚子の親友だと思っていた女友達が実は友情ではなく愛情を尚子に注いでいたとか(要はレズですな。),尚子の友人なんだけど,横川君のことが好きで,なんとか尚子から横川君を奪い取ろうとしている女の娘とか)との交流や尚子の将来(尚子としてはイラストレーターになりたい)を横糸として,ドロドロの人間関係を織り交ぜながら,ラストまで突っ走っていきます。
特筆すべきは,“オタク”なんて言葉がなかったあの当時に,一応一般メジャー誌面でアニパロで表現してみたり(ガンダムとかヤマトとか),尚子が突然ネコ耳少女になったりとか,今のオタク文化を先取りしつつ,オタクという言葉がなかった故の自由度の高さ(たぶん,宮崎事件の後では,こんなマンガは書けなかったかもしれない。)があると思います(ちなみに,“ネコじゃないモン!”は漫画文庫以外にもミレニアム版としてリイド社から復刻されており,このミレニアム版には矢野健太郎の時代背景の解説まで付いているようですが,私は初版を持っているので,買っていません。ただ,聞いた話だと,今では表現としてマズイ絵や台詞が書き直されているということなので,初版のイメージが好きな私としては買わないだろうなぁと思いますけど・・・。)。
そんなこんなと,いろいろと思い入れのある漫画ですが,私的には,尚子がモロに好みのタイプの女の娘(嫁にはナイショ・・・のはずだが,PHSの待受け画面がなぜか尚子なので,バレバレかもしれないな。)だったことと,その当時,私が横川君みたいに一人の女の娘に振り回されて(一度は振られたけど,諦めきれなくて。仲良くなったけど,それは恋愛感情なのかよく分からない・・・みたいな。)いて,心情的に凄く横川君に共感できたんだな(ちなみに,連載当時,尚子と横川が一番イイ感じになったとき,私は前述の女の娘とはとっくに縁が切れており,共学だけど女の娘がいない高校に通ったおかげでナンパ小僧と化していましたが。)。
もし,これを読んで,読んでみようかという人がいたらいけないので,ストーリーについては詳しく書きませんが,一度読んでみて損はないと思いますですね,私は。
で,これを書きながら思ったのだけど,うちの嫁は,顔は尚子ではないが,性格は尚子そっくりだぁ(意地っ張りなところとか)と思ってしまい,やっぱり引きずってしまうのかしらね・・・と思ってしまいましたですよ(今回のは本当に嫁には読ませられん文書だな。まぁ,嫁はネットをしないので,大丈夫だと思うけど。)。