ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(本編)/若松孝二


 昨日の午後からようやく鼻炎止めと咳止めが手放せたようです。う〜ん,今回の鼻炎は長かったよなぁ,いくら眠たくならない鼻炎薬を少し量を減らして飲んだところで,やっぱり眠たくなるもんなぁ。そろそろ,送別会シーズンに突入するので,薬を飲んで酒を飲むのも辛いしね。と,言いつつ今週は一足早く送別会に出たのですが。昔の職場繋がりで飲んだもんで,1件で延々11時30分くらいまで話し込んでしまいましたが,飲み放題プランにしなかったので,いいお酒をほどほどに飲んだので,翌日も体調はまずますいい感じでしたです。まぁ,元上司ばかりなので当然,皆さんお金を持っているので,飲み放題にしなかったとしても頭割りでそこそこ金額で終わるというのも大きな要因ではあると思いますが・・・

 で,今回の“実録・連合赤軍 あさま山荘への道程”で随分長く引っ張った連赤モノにも終止符を打とうと思っていたのですが,このDVDに付いていた1時間のメイキングがこれがまた面白かったので,このメイキングについて次回語った上で,連赤モノは終わりにしたいなぁと思っています。しかし,この映画は本当に連赤関係に興味がある人,全共闘学生運動に興味のある人は絶対に見た方が良いと思います。それくらい個人的には資料的にも内容的にも(時間の関係で割愛しているところはありますが。)素晴らしい映画です。しかも時間が3時間10分と長時間なので,個人的には映画館で見るのも迫力があっていいけれど,家で酒を飲みながらパソコンの前(テレビのチャンネル権を持っていないので。)で,一時停止したり,巻き戻したりしながら見た方がよりよいのではないかと思いますです。しかし,よく考えると若松作品って見たことがなかったし,俳優も坂井真紀しか知らなかったのですが,そんなことは関係なく,面白かったです。面白かったというか,これまで読んできた文献のシーンがよりリアルに立ち上がってくるという感じですかね。
 冒頭の「この作品に描かれた事件や出来事はすべて事実だが一部フィクションも含まれる」という字幕が表示された後,ジム・オルークの少し寂しそうな音楽とともに,連赤のメンバーが雪の中,山越えをするシーンから始まり「1972年 かつて日本にも革命を叫び銃を手にした若者たちがいた」の字幕が入り,原田芳雄のナレーションで1960年安保闘争のニュース映像が流されるのですが,原田芳雄のナレーションが渋くていいんですよね,その後の左翼関係のニュースが流れ,そこから1966年の大学の学費闘争のニュースから映画へ入っていき,明治大学の学費闘争で遠山美枝子と重信房子の出会いから始まるのですが,重信房子役の役者がいい雰囲気を出しているんですよね(重信房子役だけでなく,どの役者もはまり役なんですけどね。)。ここからブントの話が出て,赤軍派結成までの話が続くのですが,若松孝二がもともと赤軍派と交際があった関係で赤軍派結成までは本当に詳しく描かれていて(塩見孝也がシャバにいるということもあるでしょうし。),革命左派は真岡銃砲店襲撃までは出てこないのですが,ニュース映像で学生運動のシーンが流され,あんなに熱かった政治の季節が語られ,塩見孝也が熱く語るシーンから再度始まるのですが,塩見孝也の熱く語る革命論はやはり私にはよく分からなかったですね。まぁ,そういう時代だったといわればそうなんでしょうけど。そしてまた東大紛争等のニュース映像を挟みながら,ブントの政治局会議で議長のさらぎ徳二役を演じている佐野史郎がこれまたイイ味を出しているんですよねぇ。で,決定的な出来事であるブント関西派による関東派の襲撃事件が描かれているのですが,ここで森恒夫が日和ってしまうんですよね。これが後に大きな意味を持つのですが。しかし,内ゲバでさらぎ議長をゲバ棒でメッタ殴りにして半殺しにしてしまうような組織なので,後はどうなるかは分かったようなもんですよね。しかし,このときのブントのメンバーが血まみれになったさらぎ議長を抱えながら「こんなの革命じゃねぇよな・・・」と言うのですが,まさしくそうだと思うのですが,そんな言葉ではもはや赤軍派の皆さんには届かなかったようですね。そして,それに対する関東派の関西派による塩見孝也らの拉致,脱出を経て,ニュース映像を挟み,関西派の赤軍派への移行,そしてあの有名な赤軍派の結成式で世界革命戦争宣言を塩見孝也が読み上げるシーンはちょっとゾクゾクしましたね。そしてジム・オルークのゾクゾクするようなBGMに合わせて,赤軍派が公然活動を開始したときのニュース映像(よくこんなの残っていたなぁと思います。)が流され,あの10.21国際反戦デーのメチャクチャな映像が流されたと思ったら,大菩薩峠の共同軍事訓練の赤軍派の大量検挙が描かれ,田宮高麿が日和った森恒夫を人が足らないからということで自己批判するならば再度組織に戻してやると言ったときの森恒夫のいい加減な自己批判はいったいなんなんでしょうかねという感じでございました。それから塩見孝也の逮捕,よど号ハイジャックのニュース映像を挟み,赤軍罪(笑)で次々と逮捕されるメンバー,そして政治局員の高原裕之までが逮捕され,国際委員であった重信房子レバノン脱出で赤軍派の話が終わり,ここまで約40分間は赤軍派の話でございました。
 この次のシーンからやっと革命左派が出てきまして,真岡銃砲店襲撃で得た銃を赤軍派が買い受けるとところから始まり,革命左派の小袖ベースのシーンでやっと永田洋子がしっかりと出てくるのですが,怖いよ〜永田洋子役の人,本当に怖いです。まさにこんな感じだったんだろうなぁといった雰囲気で,そこから統一赤軍連合赤軍をなり,向山茂徳,早岐やす子の脱走,そして森恒夫の言葉に刺激された永田洋子の指示による2人の殺害と連合赤軍(革命左派サイド)はどんどん泥沼に入っていくんですよね。ゲバ棒で殴った結果死んだのではなく,手足を押さえて絞殺する,しかも仲間を。革命的な死も何もないよなぁ。まさしく,こんなの革命じゃねぇよな・・・
 そして,連合赤軍は山岳ベースにこもるのですが,遠山美枝子が山に入る前に革命に燃える発言を述べているのですが,赤軍兵士としてやり直したいと決意していたのに,ああいう結末になってしまうのは少し悲しいですね。そして赤軍派の新倉ベースで連合赤軍の共同軍事訓練での赤軍派の革命左派に対する自己批判が始まるのですが,このときから森恒夫の恐怖の学級委員長振りが表に出てくるのですが,このときの永田洋子自己批判は非常に簡単なもので,自己批判ってこんなものでいいの?って感じなんですけど。しかし,このときの共同軍事訓練の様子はなんか運動会の練習みたいで,本当にこんなことで革命戦争が戦えると思っていたのが,今となっては悲しいくらいに笑えるんですけど。しかし,この共同軍事訓練中の遠山美枝子を見る永田洋子の蛇のような目が嫌だなぁと思っていたら,案の定,永田洋子のよく分からない遠山美枝子批判が始まったのは笑ったです。ここで,永田洋子の凄いところは,いくら遠山美枝子が理論的なことを語ってて,それを認めず感情的なことを言えといい,遠山美枝子が何を言っても否定し,そのあげく化粧をしたことを批判し,髪の毛が長いことを批判し,遠山美枝子が何を言ってもしつこくしつこく否定し,革命左派メンバーでしつこくしつこく否定するんですね。きわめつけは,永田洋子が感情的に「あなたたちは,この山に来て何をした。何もしてないじゃないの。赤軍派は何も分かっちゃいないのよ。こんな立派な山小屋があるし,食料だってたくさんあるじゃない。山岳ベースでの生活はこんな簡単なものじゃないのよ。これじゃぁ革命左派がこれまであんなに苦労してきた意味がなくなるわ。このままじゃ,とても一緒にはやっていけません。」と言い放ち泣き崩れるシーンは圧巻されました。なんで左翼組織の幹部がなんでひとつも論理的でなく,ただただ感情的な言葉の垂れ流しは凄いなぁと思いつつ,森恒夫がこの永田洋子の言葉に過剰に反応し,総括が必要な者全員,総括を要求する,任務以外で山を下りる者は処刑することを表明し,ここに本当の意味での連合赤軍が完成し,恐怖の学級会が行われるようになってしまうんですよね。
 ここからは,私から見れば単なるイチャモンを付けては,ひたすら総括要求しているに過ぎないんですけど。森恒夫は「もっと主体的に総括しろ!」と言うのですが,そんなの分かりゃしねぇよなぁ。で,森恒夫は革命左派の榛名ベースに行き,そこで「銃の物神化」,「党員の共産主義化」というあの禍々しい理論が完成し始めるんですね。だれも何を言っているのか分からない,総括の意味が分からない状態がこうして完成し,殴るという総括(いったいどこが総括なんだか・・・)に至るのですが,なんで殴って気絶して目覚めれば,新たな人間となって共産主義化が可能になるという,トンデモ理論が出て,後はもう・・・なんですが,進藤隆三郎の「なんで,こんなことをされなきゃいけないんだ?革命をするために,本当にこんなことが必要なんですか?」という重い問いかけがなされるのですが,そんなことは関係なく,暴力が続き,だれもこの輪から出られなくなってしまうのは,非常に悲しいシーンでしたね。そしてハイライトの遠山美枝子への総括は特殊メイクで腫れ上がった自分の顔を見て泣き崩れるというか,何かが壊れてしまったんでしょうね,遠山美枝子は。そして壊れたまま亡くなってしまうのですが。遠山美枝子の死を境に総括シーンは省略され(たしかに,個々の総括を描いていたら,多分,5時間を超えてしまうのではないかと思いますです。),淡々と亡くなった人が表示されていきますが,最後の犠牲者である山田孝が「俺が死ぬことで革命が前進するのであれば,喜んで死んでやる。革命はどこにあるんだ。森,お前こそ総括しろ!」と言って死んでしまうのですが,そんなことをしている間に森恒夫永田洋子はラブホテルでセックスをして,それぞれ配偶者がいるのに,共産主義化の観点から正しいからという訳の分からない理由で,永田洋子坂口弘に勝手に離婚を言い渡し,どんどんデタラメな組織になっていき,崩壊していくのですが・・・
 あさま山荘事件の描写は,あの映画に比較すれば外形的には駄目なんですけど,この映画で描きたいのはあさま山荘の中に居た連赤のメンバーの葛藤なので,これはこれで良いのではないかと思いますです。で,やっぱり,このシーンでのハイライトは殲滅戦を戦う(彼らにとって)中で,戦い抜くことが死んだ同志への落とし前だという話が出る中で,最年少の加藤元久が「何言ってんだよ。今更,付けられるのかよ。俺達,みんな勇気がなかったんだよ。俺も,あんたも・・・」と叫び,そのバックにジム・オルークのもの悲しい唄が流れ,なんとも言えない気分にされてしまっているところに警察の放水が始まり,あとは逮捕されるところまで一気に話が進んでしまうのですが,さぁ,ここから映画としてどう落とし前を付けるのかと思っていたら,森恒夫の遺書がテロップで流れ,森恒夫の初めての革命的試練,跳躍のための・・・ということで森恒夫の自殺,連合赤軍事件の判決,日本赤軍の動向等,現在までの歴史がテロップで語られ,2002年の檜森孝雄の日比谷公園での焼身自殺で終わるという,何とも後味の悪い終わり方をしていますが,もともとBAD ENDしかあり得ない話なので,それはまぁ,いたしかたないかなぁと思ってしまいましたです。
 しかし,本当に重いんだけど,自分としては何度見ても飽きない映画なので,また時間を取ってじっくりと酒を飲みながらみたいなぁと思っていますです。

 しかし,今日はなんか寒さがぶり返したですね。せっかく鼻炎が止まったのに,風邪をひかないようにしないとね。寝袋のファスナーを上まできちんと上げて寝れば大丈夫だと思うんですけどね。花粉症ではないので,早く春を待ちわびるのですけど,あんまり温度が上下するとまた鼻炎が復活するので,それもまた困ったもんだとは思っていますけどね。まぁ,ほどほどで。