ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

WINTER SONGS/THE RABBITS


 というわけで,新年もあけましたです,おめでとうございます。こんなブログですが,今年も懲りもせずにウダウダと書き連ねていきたいと思っていますので,よろしくお願いいたしますです。
 さて,昨年の年末から昨日まで4泊5日で嫁さんの実家でマスオさん状態になっていたのですが,さすがにしんどかったでございます。気を遣わない振りをするのに気を遣うという一体何やってんの?状態なもんで,精神的にヘロヘロですね。おかげで昨日,家に戻ってきたとき,「帰ってきた〜!」っていう気持ちに思いっきりなったでございますよ。しかも帰って郵便受けを見てみたら,いぬん堂からあざらしとLOUDSの新譜が届いていたですよ。うれし〜!っとばかりに早速リッピングしまくりましたです。まぁ,4泊5日とはいえ,1月2日は仕事の関係でちょっと家に戻ったので,かなり息抜きにはなったんですけどね。今年は嫁さんの実家には行かない予定なので,まったりと年を越すことにしましょうかね。

 で,今回は1年近く発売が遅れて発売中止ではないかとまで言われたいわくつきのアルバム,THE RABBITSのWINTER SONGSを紹介したいと思いますです。個人的には宮沢正一については人中間しか聴いたことがないので,あの轟音サウンドがどのようなバンドサウンドになるのか非常に興味があったのですが,これが極上のヘヴィ・サイケでカッコヨシです。これなら1年待った甲斐があったっていうもんですよ。というかTHE STALINの伝説の後楽園ホールライヴの前座にTHE RABBITSが出ることになっていた(が結局,荒れに荒れて出ることができなかったらしい)のも頷ける話ですね。ドラムの音作りに80年代を感じたりもしますが,やはり宮沢正一の強烈な歌詞でそんなことは吹き飛ばしているように感じますです。
 1曲目の“ネオーソフト”はちょっとルーズな8ビートのドラムが鳴り続ける中を歪んだベースが入り,宮沢正一のヴォイスが入り,ベースがリズムを刻み出すと静かにギターが入り,宮沢正一が歌い出すのですが,リバーブが深すぎて何を歌っているのかよく分からないのですが,沈み込んでいく音の固まりに一気に引きずり込まれてしまいますです。1曲目から凄い曲でございますです。
 2曲目の“バーチャンのバージンでいってみよー”はタイトルも凄いのですが,イントロのハードなベースも凄ければ,思いっきりチェーンソー・ギターも凄いですが,一番凄いのは歌詞ですよね。「こんな私をもっとつぶしてみてよ。こんな私をもっと壊してみてよ。」とあくまでも自分をひたすら破壊することを望む歌詞で,本当にええんかいな?というような歌詞で,宮沢正一の悪意をギシギシ感じましたです。
 3曲目の“名犬バター犬君号伝”もなんだ?このタイトルは?って感じなんですけど,この曲はけっこうロケンロールな曲で(THE RABBITSとしては)可愛い感じがしますね。唄の中身は多分,ほとんどないと思いますが,それはそれで思い切りがよくていいですねということにしておこう。
 4曲目の“開け!ジョン!”も,凄い曲です。単にさまざまなジョンをあげつらい(犬のとか魚屋のとか),サビで「首が取れる!」だけなんだもんなぁ。この曲でもチェーンソー・ギターがハードに鳴り響いてカッコヨイです。しかし,全てはジョンであり首が取れるということは結構深いのではないかい?って思ってしまったのですが・・・
 5曲目の“わ,わ,わ,”はヘヴィ・サイケな曲でベースラインがメチャカッコイイです。歌詞も「ママを切り刻んでバラバラ,私たくさんの日本語駄目よね。」とか,もう日本語というよりも人格が崩壊しているとしか思えない歌詞なんですけど,これが気狂いのような音とともに流れると,あら不思議,カッコヨイ爆音サイケサウンドでございますよ。
 6曲目の“WINTER SONG”はハッキリ言って悪意の固まりの唄も音も全てがカッコヨイです。いきなりの「おまえらのパーティーに行くのはもうウンザリだ。」なんて歌詞はINU?と思いつつ,宮沢正一の魂の叫びになっていますです。というか,コケシドールの「遠藤さん,いい加減あなたの顔は忘れてしまいました」でこの歌詞が出てくるのですが,やっとその出自が分かってうれしいでございますです。というか,この曲の悪意の放出はTHE STALINの虫に近いというか,壊れた言葉が悪意を増幅している分だけ,虫とは質が異なるが,ある意味,虫の悪意性を超えているかもしれませんです。
 7曲目の“ダダ”はイントロのドラムとギターがカッコイイ曲なんですけど,この曲も歌詞が凄いなぁ。一方的な感情を放出したあげく,LOVE ME,HOLD MEだもんなぁ。無理だよ。愛してやることなんて,だって狂ってるもの。一応ラヴソングだと思うんですけどね。あ〜この曲も本当,できれば聴いて欲しいです。言葉にするのがバカバカしくなるくらい逝ってますです,本当。
 8曲目の“過去男”は,4拍子のベースとギターの絡みがカッコヨイです。というか,この曲では「どうせ俺はドブネズミ」って唄っているのですが,どこぞのバンドの「ドブネズミみたいに〜」みたいな飾り付けたカラッポさではなく,本当にカラッポなんだもんなぁ。そういう意味でもとんでもない曲です。
 9曲目の“「人中間」がやってくるヤア ヤア ヤア”は,タイトルからして弾き語りっぽい曲なのかと思ったら,やはり,単音のギターのリフだけで宮沢正一が歌い出し,途中からバンドが思いっきり重たい音で宮沢正一の狂ったつぶやきを更に盛り上げてくれていますです。叫びのようなギターの音とかはっきり言って,どういうふうに考えたらこういうアレンジになるのか?私には分からないのですが,「全てにおいて狂っている」という言葉が最大の賛辞になってしまう曲だと思いますです。
 10曲目の“森の詩”はタイトルだけならさわやかな感じなんですけど,曲は違うぞ。音的にはP.I.LのPop Tonesに近い,どこまでも落ちていく音ですね。そういう意味ではPop Tonesなんていうタイトルなのにどこまでも落ちていくP.I.Lと同じだなぁなんて思ったりして。私的にはP.I.LのPop Tonesも大好きな曲なので,いいんですけどね。というか,かなりP.I.Lをこの曲では意識しているのではないかと思いますです。ベースはジャー・ウーブルっぽいし,ギターはキース・レヴィンっぽいしね。宮沢正一のヴォーカルはどうしようもなく宮沢正一なんですけどね。最後に「だけども」っていう言葉でぶつ切りになってしまうアレンジも秀逸でございます。
 11曲目の“性的人間”はハード・サイケな曲なんですけど,宮沢正一のヴォーカルにこれまた死ぬほどリバーブがかかっていて,何を唄っているのかよく分からないんですけど,宮沢正一の悪意だけは十二分に伝わってきましたです。そういう意味ではバンドサウンドも含めて悪意の固まりということでよろしいのではないでしょうか?
 12曲目の“バイバイ”はイントロのドラムとベースの入り方がメチャクチャカッコヨイです。そこにサイケデリックなギターリフが絡み,嫌がおうにも気持ちを盛り上げてくれますです。で,宮沢正一のヴォイスが入り, 「やってきたけど,会いたくない,月夜のパーティー・・・こんばんいかが,カオガナイ」だもんなぁ,歌詞はこれまた深くかけられたリバーブのせいでよく聴き取れないんですけど,そんなことは関係ないです。所々聴き取れる言葉と宮沢正一の声が,どうしようもなく訳の分からない悪意を押しつけてきますです。そういう曲なんだよ,ハンド・イン・ハンドってなんだよ,仲良しこよしなんであり得ないんだよ,いつだって一人で悪意を増幅させているんだよ,そういう気持ちにさせてくれる素晴らしい曲です。
 13曲目の“イエス”は,初期作品の“キリストは馬小屋で生まれた”に近いのかなぁなんて思ったりしました(とはいえ,その歌詞の一節を遠藤ミチロウのエッセイで読んだだけなんですけどね。)。曲はダーク・サイケというか,本当にTHE STALINの虫を更に重たくした感じで,とてつもなくカッコヨイです。歌詞もいきなり「欲しいものはうまく言えない。言葉にしたら殺された。いつのまにか死んだ。」っていう身も蓋もない歌詞なんですけど,要するにイエスを筆頭とした宗教上の聖者はみんな気狂いで,それなら狂っている自分も聖者なのさ!っていうことなのか?私には分かりませんが,この曲での宮沢正一そしてTHE RABBITSの悪意の放出とそして壊れ方は尋常ではないです。まさしくこのアルバムのラストナンバーに相応しい曲だと思いますです。そして,約1分程度の間をおいて,シークレットトラックとして,“革命25時(ver.1)”と“革命25時(ver.2)”が入っているのですが,ただ単にメンバーが無秩序に叫び,最後になぜか「キャラメルコーン!」と叫ぶ,壊れた曲(厳密にいえば曲の体裁を全くなしていないのですが。)なんですか,ver.1とver.2の違いすら全く分からない曲ですが,これをシークレットトラックで挿入したいぬん堂の社長の悪意をギシギシ感じましたです。
 しかし,ハッキリ言おう,このアルバムは80年代パンクの極北であると。なんだかんだ言って,今も伝説となっているビートパンク&ハードコアパンク勢とは異なり,この狂った言葉が故に全てのメディアから黙殺され,消えていったこのバンドの音を,今だから聴け!心して聴け!と私は声を大にして言いたいですね。多分,今回の再発を逃すと,二度とこの世には出てこないのではないかと思いますので,今すぐ,いぬん堂のサイトへ行ってカートへ入れることをお勧めしますね,本当。

 しかし,年末からファスナーの調子が悪かった私の寝袋でございますが,今朝も20分かけて修復作業をするはめになったのですが,こんな不毛な作業を平日にすることはできないし,ファスナーが開いたままではとても冬は越せないと思い,約半年の短いお付き合いでしたが,新しい寝袋をアマゾンでポチっとカートに入れました。やはり,寝袋なんてそんなに毎日使うことを想定していないものを毎日使うから,想定外に早く壊れてしまったのかなぁと思いつつ,次の寝袋はちょっと頑丈そうな奴を選んでみたので,さてどうなることやら・・・
 そういえば,昨日のいぬん堂からの荷物にいぬん堂フェアのDVD-Rが入っていなかったんですけど,通販では貰えないのかなぁ,それともディスクユニオンでのフェアが終わって,DVD-Rが余ったら送ってくれるのかしら?とちょっと甘い期待をしているのですが,どうなんでしょうかね?まぁ,こんなところでグダグダ書くくらいならいぬん堂のサイトで質問した方が早いわな。また,今度,いぬん堂のサイトに質問でも書き込んでみましょうかね。