ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

頭脳警察7/頭脳警察


 8月ももうそろそろ終わりなのに,朝夕はえらい涼しくなって,非常に過ごしやすいのですが,朝方なんかは珠洲市胃を通り越して寒くて身が覚めてしまうので,どうしようかなぁと思っていたのですが,この際,冬のこともあるので(一人でパソコン部屋に寝るのは夏だけにしようかとも思ったのですが,よく考えると,3組の布団で親子4人が寝られていたのは,単に子供が小さかったからで,もう子供が大きくなったから多分,もう無理だろうとさすがに最近は思うようになりましたです。),寝袋でも買うかと思って,アマゾンのサイトを見ていたら,夏のキャンプシーズンが終わり,寝袋が半額以下になっているじゃぁありませんか。これは買うしかない!と思い,すかざず購入しましたです。昨日の夜から使っているのですが,来週のネタにでもしましょうかね。

 で,今回は,前回に頭脳警察1について書いたので,約15年の沈黙を経て(パンタそのものは沈黙していなかったですけどね。)復活した頭脳警察のアルバム「頭脳警察7」を紹介したいです。
 正直な話,1990年っていうバブル(社会もバンドも)で学生運動のがの字もないときに,なぜに頭脳警察復活?って思ったのですが,このアルバムを聴いて,ぶっ飛んだというかパンタ健在!って思ってしまいましたですね。バックのメンバーも凄くて,ベースが下山アキラ(下山淳の弟)と佐藤研二(マルコシアスヴァンプ),ドラムが後藤升宏(ピーズ),ギターに秋間経夫(マルコシアスヴァンプ)と藤井一彦THE GROOVERS藤井一彦はその後も頭脳警察のギターとして参加)っていう,当時のバンドシーンの腕利きの若手メンバーを引き連れて,ハードでポップでスィートな頭脳警察をやってくれていますです。特に秋間経夫と佐藤研二はT.REX好きのパンタらしいセレクトだなぁと思ってしまいましたです。
 まず,1曲目の“腐った卵”は,トシのインプロビゼーションのようなドラムとパーカッションに乗って,パンタが吐き捨てるように歌うというかシャウトする正に頭脳警察ならではのナンバーになっています。「腐った卵がいまかえる」っていうのは,まさしく頭脳警察復活のことなんでしょうね。
 2曲目の“Blood Blood Blood”は,正に頭脳警察のロケンロールとしか言いようがない曲で,最初のギターカッティングの音だけで正にパンタのギターだよなぁって思わせてくれます。このギャンギャンしたギターの音と独特のリズム感はパンタにしか出せないよなぁ。というわけで,パンタのこのハードなカッティングに合わせてドラムとベースが突入してくるんですけど,パワフルでゾクっとするくらいカッコヨシです。パンタのたたみかけるようなシャウトも激しくカッコヨイです。歌詞だけ書くと陳腐になるので,ぜひ聴いてもらいたいなぁ。
 3曲目の“煽動”もパンタらしいハードなリフのギターにドラムとベースがハードに絡むナンバーで,タイトルどおりハード(というか,もはやパンクですよね。)なナンバーになっています。「OHじっとしてちゃ,OH始まらねぇよ,誰にも任せられねぇだろ?」って歌われて,じっとしていることなんてできないですよね。Do It's Yourselfだよね,うん。
 4曲目の“わかってたまるか”もパンタのギターリフから始まる,ハードナンバーです。「だけど,だけど,どうしても収まりつかねえこともあるよな。そんな,そんな時の気持ちなど,慰めるしか脳がねえ奴らにわかってたまるかよ!」だなんて,当時流行っていたいわゆる「ガンバレソング」への当てつけなのかなぁなんて思ったりして。もっとも「ガンバレソング」が大嫌いな私としてはこの曲には激しく同意しますです。
 4曲目までフルスロットルで飛ばして,5曲目の“Quiet Riot”はキーボードとパンタの歌だけで荘厳に始まる,ミディアムテンポのロケンロールナンバーになっています。「おまえは何はわかったんだい。おまえは何が見えたんだい。お前は何を知っていたんだい。」だなんて歌われると,自問自答してしまいましたです。が,この曲に参加している佐藤研二のブリブリとしたフリーキーなベースが自問自答しながら自然に体を揺らしてくれますです。
 6曲目の“6000光年の誘惑”も佐藤研二がベースで参加していますが,イントロのギターと後乗りのブギーのリズムで,T.REX好きな私としては思わず,やられた〜!とうれしくなってしまったです。歌詞はパンタらしい,けど「1」のときよりもかなり大人になったラヴソングになっています。
 7曲目の“謙虚な昼寝”は佐藤研二のベースとパンタのギターカッティングとの絡みがカッコイイ曲です。「どんな時代に生まれ変われたらなんて,月並みなこと聞かれたって困るんだよ。あんな苦い真実を隠しきれるもんじゃねぇだろう。」っていう歌詞があるんですけど,これって新左翼活動をしていた人に捧げているのかなぁと思いましたです。そうすると謙虚な昼寝の意味するところは・・・謙虚に昼寝をしているのは新左翼の方々ということで。
 8曲目の“イライラ”は佐藤研二がベースで秋間経夫がギターというウルトラグラムな布陣で,グラムロックここにあり!ってメチャカッコイイナンバーになっています。佐藤研二のベースもブイブイ走り回っていますし,秋間経夫のギターも気持ちいいぐらいギャーンと鳴っています。しかし,この曲で一番格好いいのは歌詞で「馬鹿のひとつ覚えみたいにさ,こぶしを振ってりゃ平和なもんさ。てめえの勝手にやってなよ。だけど勘違いしてんじゃねえよ。何か間違ってんじゃねえの。」ってバンドブームの若手への警告ですか?さすが,日本のロック黎明期からずっとロケンロールを演ってきたパンタだよねぇ,言葉の重みが違うよ。
 9曲目の“People”は藤井一彦がギターで参加しているフォークロックなナンバーで,ここで藤井一彦をチョイスするっていうのは,藤井一彦の歌心を分かったギターのことをよく知っているじゃあないとうれしくなってしまいましたです。しかし,「勇気とか名誉のためでなく,へつらいの愛を疑おう」とか「歪められた史実や未来への賛歌が,オレ達にいったい何をもたらしただろう」とかあの時代をリアルタイムに生きてきたパンタだから書ける言葉だなぁと思ってしまいました。そういえば,このアルバムが出たとき,インタビューで「あの時代を生きてきた奴に聴いてほしい」って言っていたよなぁ。
 10曲目の“月食と日食の谷間で”パンタのアコギとトシのパーカッションだけのシンプルな曲ですが,こういうのも頭脳警察だよなぁって思ってしまいました。この曲はパンタのメロディーメーカーとしての良さが思いっきり出ています。“さようなら世界婦人よ”的な感じの曲ですね。ザクザクしたエレキのカッティングもいいですけど,アコギの軽やかなカッティングもいいですねぇ。
 ラストナンバーの“万物流転(Panta Rhei)”は,ラストナンバーに相応しい,個人的には復活した頭脳警察の名曲だと思っていますです。トシのロータムの音から始まり,それにパンタのアコギが絡むシンプルなナンバーなんですけど,少し押さえたパンタの歌い方が,この曲に込めたパンタの,そして頭脳警察の思いが伝わってきます。歌詞も本当,凄いいいです。例えば「有限の未来をおまえと見たい」なんてフレーズは当たり前過ぎてだれも歌詞にしていなかったというか,無限の可能性とか無限の未来とかそんな口当たりの良い言葉を使わずに,未来は有限なんだっていう当たり前のことを当たり前に歌うことができるのはパンタならではだと思いましたです。特にラストの「何にも変わらない,それなのに,それなのに。変わったふりしてる,おまえのため,ほら万物流転」だなんてカッコよすぎです。何にも変わらない,万物は流転しているから。自分自身もそうだけど,でも今はおまえのため(生活のため?)変わったふりをしているよっていうことなんだろうけど,これもパンタの同世代に送った唄なんでしょうね。
 頭脳警察自体その後,また休眠状態に入ったり,時々パンタの気まぐれでライヴをやったり,パンタがパレスチナに行ってまたお休みになったりだったのですが,今年の6月にシングルを出して,また復活したようですね。21世紀の頭脳警察に期待していますので,早くアルバムが出ないかなぁなんて思っています。

 話は変わって,知人のお父さんが亡くなった(そういう歳と言えばそうなんですけどね。)のですが,遠方だったので弔電を打ったところ,後日,あいさつに来てくれたんですけど,知人は転勤で今,非常に忙しい仕事をしていることは十二分に知っているのですが,お父さんが亡くなったということを差し引いてもあまりの疲れ具合にちょっと心配になってしまったです。このブログを見ているということなので,本当に個人的に一言。「お互い,もう若くないんだから,ボチボチで行こうな。で,元気でこっちに戻って来いよな。」仕事なのでボチボチと言ってもなかなか難しいのは分かってはいるけれど,やっぱり段々と無理の利かない歳になってきているしねぇ,お互い。