今週もアマゾンからコケシドールのCDが届かなかった。
いったいどうなってるんだ!と思いつつ,今週は谷山浩子のアルバムを紹介したいと思います。
谷山浩子はデビューは古いものの,あまり売れることもなく,地味な活動をずっと続けていたのですが,週間ヤングジャンプで連載していた「ネコじゃないモン!」という漫画での宣伝(この漫画のこともいつか取り上げたいと思っています。)やオールナイトニッポン木曜第二部のレギュラーを経て,発表された本作は,今までの谷山浩子像を変える(根本では変わっていないのですが,バックの音や歌い方がかなりポップになった。)もので,(谷山浩子からすれば)かなり売れたのではないかと思います。
このアルバムに入っている全10曲はラブソングあり,谷山浩子お得意のワケノワカラナイ歌(人によってはメルヘンというらしいが,私にはよくわからない。)ありで,谷山浩子の歌というテーマ以外ははっきり言って1曲1曲を聞くと混沌とした感じもするのですが,アルバムを通して聞くと,なんとなくまとまりがある素敵な(本当かよ?)アルバムです。
というよりも,谷山浩子の歌は「聞いていると歌の絵が見える」ものが多く,したがって,多分,私の頭の中には,アルバムの1曲ごとの絵が絵日記のように切り替わり,アルバム1枚を通して聞くことによって,違和感を感じなかったのではないかと思います。
で,このアルバムのおすすめの曲ですが,私としては,最後の曲の「地上の星座」しかないと思います。なんか似たような曲が最近大ヒットしましたが,この曲が発表されたのは,1983年ですので,誤解のないように。この曲は夜景(というよりも真夜中の住宅地等の風景の方がぴったりきますが・・・)を基に作っていると思うのですが,「ここであって,ここでないもの」,「日常の中の非日常」的な歌が,曲,アレンジとともに心に染みます。私は今も,日の暮れかかった川土手でぼーっとしながら,この歌を口ずさんでいます。
ちなみにこの曲は,このアルバムのバージョンもいいのですが,その後,ピアノの弾き語り及びキーボードだけで構成された「眠れない夜のために」というアルバムにも収録されており,そのバージョンも大変,素晴らしいです。
最近はNHK教育の幼児向け番組等にも曲を提供しているようですが,元々童謡っぽいところもあった(幼稚という意味ではなく,童謡のグロテスクなところとか。)ので,違和感はないですね。
それ以外の最近の音は聞いていないのですが,そのうち機会があれば・・・とは思っています。