ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

DERACINE CHING DONG/SOUL FLOWER MONONOKE SUMMIT


 今週はハードな週になりそうだと思っていたら,やっぱりハードな週で月曜日から22時台の新幹線で帰宅してしまいました。家に帰れば23時前で早くご飯を食べて,風呂に入って,ビール飲んで,寝ようと思っていると,嫁さんが愚痴を聞いて欲しいようで,そうすると,ご飯は食べられずに,必然的に寝るのが遅くなるわけで・・・
 しかも,遅く帰ったのに7日発売のSOUL FLOWER MONONOKE SUMMIT(以下「モノノケ」という。)の新しいアルバムDERACINE CHING DONGが1日早く6日に届いたので,体がシンドイのにリッピングして,MUVOに転送して,ついでにおまけのDVDを見ていたら,やっぱり寝るのが遅くなってしまいました。
 まぁ,来週は今週よりは・・・と思っていたら,週に2日もお付き合いが入ってしまい,やっぱりお疲れちゃ〜ん!になってしまうことは必至のようですね。まぁお付き合いのうち1つは多分,全く楽しみのないお付き合いですが,もう1つは部下とのお付き合いなので,こっちは楽しいはずなので,楽しみ過ぎて羽目を外さないようにしないとな(実際,最終の新幹線で帰ったのに,なぜか,1つ前の駅で降りてしまい,駅前のカプセルホテルに1泊し,朝一番で家に帰って,また仕事にとんぼ返りしたことがある・・・)。
 
 で,モノノケの新しいアルバムは来週にしようかなと思っていたのですが,あまりにも良かったので今週書くことにしましたです。
 1曲目の“ああわからない”は私の大好きな壮士演歌,添田唖蝉坊の歌です。中川の三線とボーカルで「ああわからない,わからない」と始まり,チンドン系の楽器が重ねって,非常に気持ちのよいグルーヴを生み出しています。
 2曲目の“竹田こいこい節”は竹田の子守歌の原曲の1つらしく,こうやって音源としてリリースされるのはモノノケが最初らしいのですが,歌もそうなんですけど,インターバルのメロディーが凄く綺麗で感動しました。民謡なので歌の部分は短いフレーズの繰り返しなんですけど,その単純な歌メロと綺麗なインターバルで,ものすごくイイカンジに仕上がっています。
 3曲目の“お富さん”は実はリバイバル・ヒットした“ディスコ・お富さん”しか知らなかったのですが,モノノケバージョンもよいです。どちらかと言えば原曲に近いアレンジだろうと思うのですが,チンドンの跳ねたリズムのため,自然と体が動きだすような感じで仕上がっています。
 4曲目の“くんじゃんジントーヨー”は沖縄民謡なんですけど,中川敬の声は本当に沖縄音階にはまりまくっていると思います。どちらかと言えば静的な曲ですけど,すごく気持ちいいです。
 5曲目の“島育ち”は奄美大島島唄ですが,非常にゆったりとしたリズムに中川敬のちょっと柔らかい声が気持ちよく乗っかっています。
 6曲目の“釜ヶ崎人情”はタイトルからも分かるとおり,ディープ演歌としかいいようのない名曲ですね。「身の上話にオチがつき,ここまで落ちたと言うけれど,根性丸出し,丸裸,義理も人情もドヤもある」とドスの利いた中川敬のボーカルとバックの演奏が相まって,めちゃカッコイイ曲に仕上がっています。
 7曲目の“ストトン節”も壮士演歌で,こっちた添田さつきの方ですね。「ストトン,ストトンと通わせて〜」と軽やかに中川敬三線だけで歌い始め,ちょっと猥雑な歌詞もあったりしますけど,軽めの風刺の効いた曲で,最後まで「ストトン,ストトン〜」と軽やかに流れる気持ちの良い曲です。
 8曲目の“ドンパン節”は説明は不要だな。盆踊りですり切れたレコードからダビングしたテープで踊った記憶がよみがえりました。その曲をこんなクリアな音で,しかもMUVOで聴くようになるなんて・・・時代は変わったもんですね。記憶の片隅に残っている踊りをつい踊ってしまいそうですよ。
 9曲目の“トラジ”は朝鮮民謡だそうで,トラジとは桔梗の意味だそうです。アリランに通じる,いかにも朝鮮民謡なメロディーはともかくとして,モノノケのアレンジはカッコイイです。
 10曲目の“マジムン・ジャンボリー(命の祝い)”は思いっきり沖縄民謡だと思っていたら,中川敬作品だったのね。そう言われて聴き直せば,沖縄音階なのに,リズムが微妙に縦ノリです。やっぱりパンクの洗礼はこんなところにも出てしまうのか?曲自体はカッコイイです。歌詞も中川敬らしいです。「マジムン(モノノケ)と踊りましょう,アジマー(十字路)で歌いましょう」なんてところは特に。
 11曲目“チョンチョンキジムナー”は有名な沖縄民謡ですが,バックコーラスと中川敬のボーカルがめちゃくちゃ気持ちいいです。それだけでも聴く価値はあると思います。
 12曲目の“三池炭坑節”も盆踊りの思い出が・・・「月が出た出た。月が出た〜っ」とくらあ!踊るしかないか?
 13曲目の“竹田の子守唄(元曲)”は2曲目と違って,ちょっと複雑なメロディーで,あまりリズムを強調せずに,静かにさらっと,中川敬が切々と訴えかける感じですかね。3つの“竹田の子守歌”の中では,私的にはこの曲が一番好きですね。
 ラストナンバーの“あまの川”は先にSOUL FLOWER UNIONのナンバーで聴いていたので,モノノケバージョンはどんなものかと思って聴いてみたのですが,イントロの逆回転っぽい音(このレコードで初めてエフェクティブな音!)から始まって,ユニオンの音に全く負けていないというか,この曲はむしろモノノケバージョンの方が良いのではないかと思いますです。
 
 という訳で,全14曲,聴く人によっては多少は捨て曲はあるかもしれないけど,これからの季節,“ドンパン節”と“三池炭坑節”の2曲のためだけに買っても損はないと思いますです。そして,酒を飲んで家族に隠れてこっそりと踊るのもいいかもしれないです。
 しかし,中川敬の声ってモノノケを演るようになってから,本当に柔らかくなったと思います。昔(NEWEST MODEL)の「夜の街にガォー」というようなボーカルだった中川敬はどこに行ってしまったんでしょうかね。いや,私は今の声や歌い方が好きですけど(昔の曲をセルフカバーすると少し物足りない感じはありますけどね。)。
 それから,通販特典のDVD(満月の夕,1995年8月神戸市長田区)は多分,普通のビデオカメラで撮ったものだと思うんだけど,10年前の活動の様子(薄暗い公園のステージで,ギターアンプのトラブルとかもあったり。その前でおばちゃん達が踊ってる。)がよく分かる,モノノケファンとしてはぜひ持っておきたいものだと思いますです。