イヤッホ〜!プレトレの走行距離がこの間の日曜日で1万キロを超えましたです。ここまで約2年3か月でしたが,いろいろなことがあったよなぁ。ポジションの出し方とか全然知らないのに,いきなりの80キロライドで,ママチャリ系とはいえ,スポーツバイクの楽しみを教えてくれ,子供の小学校の関係で1年間は前カゴに地域パトロール中のプレートを付けて走っていたこと(今から考えれば,とんでもなく空気抵抗を受けて走っていたんだなぁと思います。)。そして1年走ってタイヤをリブモに替え,BBもカートリッジ式に替えて,走りが激変したのに感動し,ママチャリのマストアイテムである前カゴをカットし,結局は取り外し,チェーンカバーもいらないやと取り外し,なんちゃってアヘッド化してストレートハンドルを切れるだけ切って,あげくの果てに念願のフロントトリプル化をした(これで,もう新しい自転車を買おうという気持ちがなくなった。)あげく,タイヤをデトネイターの28にして,チューブを仏式に変更と,全くどれだけやれば気が済むのか?というところまで弄ってしまいましたが,いいんです,これで。私にとってのプレトレはきっとこれで正しいんです。本当,あとは前後ホイールのクイック化とリアの8速化しかないけれど,そこまでやるならとっととTREKを買った方が良いような気もしますし,次に買うならリアは9速と決めている(ということは7.4FX以上だな・・・)ので,とりあえずはこのままの方が買い換えた時の感動もひとしおだと思うので,プレトレはリアは7速で走ることにします。が,ホイールがダメになった場合にはそのときは8速化(フリーカセットになると8速を探した方が速いので。ちなみにボスフリーは7速以上の選択肢はないようです。)してもいいかなぁと思っていますが,今履いているアラヤのホイールがダメになるような時は多分,プレトレ自体が限界のような気がします。でも,まぁあと1万キロは楽しませてほしいなぁと思っていますけどね。
さて,話は変わって今回は現在,モーニングで隔週連載している山田芳裕の“へうげもの”の文庫版全8服を紹介したいと思います。連載中なのになぜに全8服なのかということなのですが,多分,NHKでアニメ化されるのに合わせて文庫本を出したのだと思うのですが,とりあえず単行本を追い越さない範囲で文庫本化したら,とりあえず全8巻になったのではないかと思います。したがって,9巻以降は連載が終わり,単行本が全巻で終わってからなんだろうなぁと思っていますが,まぁ気長に待つことにしたいと思います。“へうげもの(「ひょうげもの」と読む。)”は戦国武将古田織部を主人公にしたマンガなのですが,私は別に歴史物が好きなわけはありませんし,茶道が好きなわけでもないのですが,このマンガが大好きなんですね。やはり古田織部が「武か数寄か」の狭間で悩みながら,数寄の世界で生きていく様を描いているところに音楽をやっていたけれど,結局,普通に仕事をしている自分の姿を少し重ねているからかもしれません。
まず1服(このマンガでは「巻」ではなく「服」と表現しています。)目は,いきなりタイトル(このマンガでは「席」と表現しています。)が「君は物のために死ねるか!?」だもんなぁ。話としては織田信長に松永久秀の所へ使いに行かされる話なんですが,名物の平グモに目を奪われて松永久秀の話を全く聞いていなかったり,松永久秀ごと木っ端みじんになった平グモの蓋を拾って織田信長に届けたりと,もう物欲全開で,1席目から楽しませてくれます。そして千利休が登場し,荒木村重のエピソードが挟まれるのですが,本当,物に対する業の深さを見せつけられましたです。そして千利休(物語ではまだ千宗易ですが。)は今焼黒茶碗を手に入れるのですが,そのときの台詞が素晴らしいんですよね。「一切の無駄がなく,黒であることすら主張せず,ただ,ただここに在る。」ですよ。深いなぁと思っていると,千利休が豊臣秀吉(物語ではまだ羽柴秀吉ですが。)に織田信長を暗殺し,天下を取るようにそそのかし,豊臣秀吉がその気になっていくところで1服は終わります。
2服は徳川家康の供応から始まるのですが,「食物は味噌が利いて腹にたまればよいものを」と思っている三河武士団に贅を尽くしたもてなしをしたあげく,古田織部渾身の安土盛りを出したことで徳川家康の怒りは爆発してしまうという最悪の出会いなのですが,結局はこの複線が最後まで繋がっているんだろうなぁと思います。そして明智光秀は本能寺で織田信長を討つ決心をするのですが,千利休が本能寺に火薬を贈る等,別の意味でも用意周到で怖いなぁと思いつつ,しかし,このマンガで凄いところは明智光秀が本能寺に着く前に豊臣秀吉が先に織田信長をまっぷたつに切ったのですが,織田信長は自分の血で茶を入れ,豊臣秀吉に「愛よ。」と言い残して碗を渡して朽ちていくのですが,ここの描写がゾクゾクするほどカッコイイんですよねぇ。そして千利休の火薬で本能寺は大爆発を起こす中,織田信忠と共に自害するはずだった織田長益は「義理,名誉,己,秤に掛ければやはり重きは,己だ。」ということで逃げ出してしまうのですが,ここも大好きですねぇ。あくまでも自分が一番大事という考えだから,最後まで生き延びたんでしょうねぇ。織田長益はと思わせてくれましたです。そして,荒木道糞と名乗る荒木村重が,また古田織部に素晴らしい言葉をかけるんですよねぇ。「たとえ卑屈になろうが,己が城やったここで頭を下げようが,わしは密かに勝っておる。生きてさえおれば,ええ物を奏でられるやからな。もはや信長にはでけへんことをやれるっちゅうわけや。」と業の深さ,強さを自分の生きる糧にしていることを宣言して,戦国時代を生きていこうとしているこの台詞は古田織部にとって大きな言葉だったのではないかと思います。
3服は明智軍対豊臣軍の合戦から始まるのですが,そのとき,弥助から織田信長を殺したのは豊臣秀吉であることを聞かされ,大きな衝撃を受けるのですが,豊臣秀吉の圧倒的な非常さ,天下取りへの熱情に敗北を感じ,生き延びて自分は数寄の道で生きることを選択するのですが,ここの心理描写がまたいいんですよねぇ。読んだことがない人は機会があればぜひ読んでいただきたいと思いますです。そして明智光秀は延暦寺の僧兵に討たれてしまうのですが,最後の句がこれまた素晴らしいです。「月さびよ,明智が妻の咄せむ。」と唄い,下の句など蛇足よと言い切ってしまうところは,これまたカッコヨイでございます。そして,豊臣秀吉と徳川家康の和睦の席を古田織部は任されるのですが,安土盛りの仕返しというか,玄米爆弾に憤りを感じた古田織部は徳川家家臣の踊りを見て,大笑いしたことにより平常心を取り戻した上,伊賀焼きの皿をお救い(ファンの間ではゲヒるなどとも言いますが。)したりと,なんかもうね,でも本作中の古田織部らしさが表現されているなぁと思いましたです。
4服は古田織部と丿貫の出会いから始まり,義弟高山右近との別れが挟まれるのですが,高山右近の言葉がこれまた重いんですよねぇ。「武将,切支丹,数寄者,正直どれが真の己なのか分からなかった。己が何者か分からず生き残れるほど今はぬるい世ではありません。そして,この機を得てようやく分かりました。最後に残ったのは数寄者・高山南坊たる意地。幾年月も培ってきた南蛮趣味を鶴の一声で変えさせられてはたまりません。」と言い,それに対して古田織部が「業深き結構な点前にござった。」と返すのですが,この返しは古田織部ならではだなぁと思いましたです。二人ともカッコヨイです。そして北野大茶会が行われるのですが,古田織部の木の上の茶室や,縄文茶室の発想はもはや常人の域を遙かに超えているのですが,千利休に過ぎたるは及ばざるがごとしと言われ,へこんだまま4服は終わってしまいます。
5服は,自分を見失った古田織部と迷走する千利休が描かれつつ,そして古田織部と千利休のターニングポイントの茶席で,古田織部の開き直った発言がイカしています。「先日の宗匠の茶に招かれ,それがしは己を卑下するのはやめました。宗匠ほどの御人でも蓋の如く不完全ならば,人は皆不完全。むしろそこが面白いのだろうと。」と後の織部好みを萌芽が読める台詞ですが,人は皆,不完全だからこそ,面白いという言葉はやはり深いと思いますです。そして北条方にいた山上宗二と千利休は再び出会うのですが,そこからが不幸の始まりとなるとは思いもしませんでした。そして再び千利休と会った山上宗二は耳と鼻がそがれた生首だったのですから,戦国の世は恐ろしい時代だなぁと思ってしまいましたです。
6服は織田長益と茶々のやりとりから始まるのですが,ここで,織田長益が己が何者であるかに気づき「俺は堅苦しきが最も嫌いだと気づいたのだ。」と言い放ち,それに対して茶々が「そなたは武人ぞ。士ぞ。いかな命にも従う外ないのじゃ。」と言われると,「ならば貫かず,いかようにも変わるのみ。」と言い放つところはカッコイイなぁと思いました。このマンガはそれぞれが己が何者であるかに気づき,そしてそれに従って生きていく様を描いているので,私の琴線に触れるんだなぁと思ってしまいましたです。そして,徐々に己の死を意識していく千利休に古田織部は渾身の茶器を見せるのですが,千利休から「己を見つめ直しなされ。見つめて,削いで,最後に残ったものこそ,古織語のみとして,真のわび数寄が扉を開きましょう。」と言われ,また己を見つめ直すことになるのですが,本当,一生の師匠がいるというのはなんかうらやましくなってしまいましたですね。しかし,世はわび数寄から徐々に離れ始め,千利休は己の限界を感じつつ,石田三成によって千利休の切腹へ向けてのカウントダウンが始まってしまうところで6服は終わります。
7服は豊臣秀吉の暗殺に失敗し,自害する千利休の娘,お銀,そして徳川家康方の間者。豊臣秀吉がとうとう千利休に切腹を命じることを覚悟するところから始まります。そして,このマンガの2つめのハイライトである千利休切腹までのストーリーは,はっきり言って読み応えがあります。千利休の介錯役を豊臣秀吉に命じられた古田織部は,荒木村重や織田有楽斎との格の違いを思い知らされながら,豊臣秀吉から「頼む,師を冥土に送りし者同士,唯一の友でおってくれ。」と独白され,その非常さが故に孤独であった豊臣秀吉の心に突き動かされて,介錯役を決心します。そして切腹の直前,ご乱心の千利休を見て,笑う古田織部に対して「それがあなたなのです。お忘れなきよう。」と告げて,切腹をする千利休。そしてためらっている古田織部に対して「痛うございます。早よう。」と介錯を促す千利休に,本当,最後の最後までもてなしの心を忘れないとんでもない人だなぁと思ってしまいましたです(たとえ,創作であったとしても。)。そして,舞台は切り替わり,豊臣秀吉の朝鮮出兵に切り替わるのですが,筆頭茶道となった古田織部の野望は,朝鮮の窯をなんとか日本に持ち込み,織部好みの器を焼くことにシフトしていくのですが,その中でとうとう古田織部は「ひずむのを待つのではなく,自らゆがませるのだ。」ということに気づきます。7服のラストは病死前の蒲生氏郷の茶席に呼ばれた伊達政宗が,蒲生氏郷の己の業の小さきを悟り,最後までの心意気の橋渡しに徹したことに感じ入るところで終わるのですが,いろいろなキャラがそれぞれの己に気づいていく様の描き方が非常に上手いよなぁとおもってしまいましたです。
最終巻の8服は古田織部一行が朝鮮へ渡るところから始まり,女性陶工の柳英子と出会い,そしてとうとう古田織部は織部好みを見つけ,完成させ,そして己が目指すものは甲ではなく乙なものであることに気づくのですが,大地震で全てを失ってしまうのですが,妻のおせんから「一切は失うてはおりませぬ。大阪城は無事との報が。ゆえに下の子らも無事。それにあながた生きておりまする。様々なものを創られ,これを持つに相応しきお方になられたあなたが。」と言われ,古田織部が捨てたはずの織田信長から拝賜した南蛮漆器蒔絵箱を手渡すのですが,ここから本当の古田織部としての数寄が始まるのではないかと思わせる良いシーンです。そして徳川家康がいろいろと手を回し始めるところで8服は終わってしまいます。
現在もモーニング誌上で連載中なので,文庫本としてはちょっと中途半端なのですが,それでも何度読み返しても面白いこのマンガが家にあるというのは,私的には非常にうれしいことなので,まぁゆっくりと次回配本を待つことにしたいと思います。そんなに読みたいのならば単行本を買えばとも思うのですが,単行本は収納スペースの関係でちょっと苦しいので,まぁ文庫本で我慢ということで。8服まで出ているので,これより後もきっと文庫本化されることを信じていますよ,講談社さん。
で,話は変わり,この間の日曜日で走行距離1万キロを超えたのはうれしかったのですが,走り出して20分ころ,歩道の段差でペットボトルがケージから外れて落ちてしまい,それを後輪で踏んでしまったため,キャップ・オン・キャップが壊れてしまいましたです。まぁ,ヴァームが少し道路にこぼれたものの,このままケージに付けておくわけにもいかず,とりあえず残りを一気飲みして走ったのですが,家に帰ってからネットあさひで買おうと思ったら,盆休みで当分無理ですということで,今日から遅い夏休みに入ることにしていたので困ったなぁと思いつつ,アマゾンで調べてみるとアマゾンでも取り扱っているではありませんか。しかも送料無料で。それならということで,アマゾンでサクっと3つほど買って,待つこと3日で無事に届きましたです。やはり頼りになるなぁアマゾンはと思わせてもらいましたです。
しかし,お休みを取ったのに,なんでこんなに天気が悪いんだ。午後からというか,当分,降水確率が50%だなんて,どんなイジメですか?本当,仕事に行っているときはあんなに天気が良かったのに,休みを取ったとたん,これですか?まぁ,確かに私は雨男ですけど,そこまで降らさなくても良いのではないかい?と思いつつ,雨の中走って,ブレーキシューがダメになったり,チェーンオイルがドロドロになるのはもうこりごりなので,仕方ないかと思いつつ,曇りに曇った空を恨めしく見上げる私でございます。