ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

血肉/あざらし


私の大好きなマンガである,鬼頭莫宏がイブニングで連載しているのりりんですが,当分お休みをしていたのですが,今週の火曜日発売号から再開しまして,非常にうれしいかぎりでございます。今回も輪の母親を使って作者の自転車への想いが語られているのですが,これが正に私の思っていることと同じというか,私がたどってきた道と同じなので,おもわずうんうんと読みながらうなづいてしまいましたです。あまりにも素敵なので,引用させていただきますです。
 「男の子ってバカでしょ。特に若い頃は背伸びをして自分を大きく見せたかったり,自分の実力以上のものを支配してみたかったり。オートバイや車,,そういう過剰な力を使って遠くへ行ったり,速く走ったり。でも,そのうち,それは自分の力じゃないって気がつく人もいるわよね。やみくもに夢を見れた10代や,能力の拡幅に力を注いだ20代。でも,30代になると自分の能力の限界や,夢の限界が見えている。自分の能力と向き合う年齢。そんな時にね自転車は自分の能力を再確認させてくれるから。自分の力だけでどこまで行けるのか,どれだけ速く走れるか。確かに背伸びをする時期も大切だと思うけれど,自転車はその時期を経て,自分の能力を楽しむ趣味だと思うわけ。もちろんそれは自分の現在の能力の限界なわけで,残酷な真実ではあるけれど,逆に希望も与えてくれるから。自転車は自分の足を動かす限り,必ず前に進むからね,少しかもしれないけど。身の丈に合っているという言い方が一番しっくりくるかしらね。」
 私も20代はバイクに乗っていて,40代になって自転車に乗るようになって,自分の力でどこまで行けるのかということに楽しみを見いだしてしまった人間なので,そうそうそうなんだよという気持ちですね。自分の力と限界を把握して,無理をすることなく,「家に帰るまでがツーリング」を合い言葉に明日も走りに行きたいなぁと思っていますです。

 話は変わって,今週,紹介するのは,あざらしの初のフルアルバム“血肉”でございます。あざらしはヴォーカルの腐れメグ子率いる北海道の情念系ハードパンクバンドですが,2006年の“アザラシイズム”,2008年の“吾ガ分裂ノ蟲裂ク時”ときて,3年後の2011年にこうして“血肉”が発売されたことを非常にうれしく思っていますです。しかも,“吾ガ分裂ノ蟲裂ク時”は意図的にひずんだ音にしていたせいで,腐れメグ子のある意味繊細な声がよく聴き取れない状態で,この方向性だとちょっと辛いなぁと思っていたのですが,今回のアルバムでは適正なレベルでミックスされていて,腐れメグ子の繊細な声を堪能することができます。
 1曲目の“儀式“という曲は,ラジオのノイズから始まり,パンクというよりも重ためのロケンロール,いや聴き方によってはTHE STALINの“虫”的な感じかと思っていると,素晴らしいほどドスの利いた腐れメグ子の声で「お前の女を迎えに行くぞ。松明に赫い火を灯せ。」と唄われると,もうごめんなさいという感じなのですが,バンドの音圧で押してくるというよりも,腐れメグ子の声圧で押してくる感じで,いやいや素晴らしいです。バックの音をなくし,最後に「お前を今から迎えに行くぞ。」とシャウトされた日には,えぇ,もう,たまらないですね。 
 2曲目の“埋マラナイ”という曲は,うって変わって,ノイジーなパンクなバンドの音に腐れメグ子のヴォイスが響き渡っているのがカッコヨシです。途中の「私は抉れた肉の溝を埋めてくれる誰かの肉を探す。けれど埋まらぬ血の溝は今も貴方の血だけを探している。」という歌詞は,正に情念系ハードパンクバンドの本本領発揮ですねぇ。というか,腐れメグ子の声だからこそ,この歌詞が生きているのだろうと思いますです。
 3曲目の“情念の海”という曲は,イントロの楽器のアンサンブルはすでにロケンロールだなぁと思っていると,その中に腐れメグ子の笑い声が響いたかと思うと,一気にテンポアップし,ハードパンクで突っ走ってくれていて,非常にカッコよろしいです。歌詞はタイトルのままですので,えぇ,あえて書きませんが「悲鳴も届かない情念の海。沈め,沈め,沈め。」だもん,ドロドロですよ。
 4曲目の“赦サナイ”という曲は,これもまたなんかカワイイ感じのギターとベースにアコースティックギターのカッティングか重なり,その上をつぶやくように腐れメグ子が唄っていたと思っていたら,いきなりハードな音に切り替わり「私の知らない貴方を今から,私は殺しに行くから。私の知らない貴方の過去を,私は殺しに行くから。」と唄われると,やられた!と思ってしまいましたです。そして中盤でひたすた「アイシテイルカラユルサナイ」と呪文のように繰り返されると,あぁ,もう好きにしてください状態になってしまいますです。というか,直球1本ではなく,緩急自在の音を出すバンドも,その音の上で自由自在にその声を操る腐れメグ子の両方とも素晴らしいと思ってしまいましたです。
 そして間髪入れずに5曲目の“血色オペラ”という曲が始まるのですが,タイトルどおりに4拍子の少しゆっくりとしたリズムの上を腐れメグ子が浪々と唄っているのですが,それがまたカッコイイんですよね。唄っている歌詞はアレなんですけど,しかし,途中で本当,3拍子になってと,腐れメグ子の描く情念の世界に沿ったアレンジがされているのが本当に素晴らしいです。正に腐れメグ子曰く「私が攪拌する君のための地獄」でございますでしょうか。
 6曲目の“薔薇色の日々”という曲は,またもや小気味よくテンポアップしたパンクナンバーになっているのですが,歌詞が素晴らしいです。いかにもなJ-POPだとこのタイトルだと,まぁありがちな歌詞になるんでしょうけど,薔薇色=血の色だもんなぁ。「愛の証は,消えることのない刺し傷の数。無意味な誓いを交わしても抉りあう日々。鈍い痛みで明日を想う,これが夢見た日々だと。」だなんて,ある意味愛ですよね。
 7曲目の“逃ガサナイ”という曲は,最初の腐れメグ子のつぶやきからして,怖いです。そしてバンドの音が鳴り響く中,左右に振られる腐れメグ子のヴォイス,そして唄われる歌詞の内容。全てが怖い,怖すぎます。でもカッコイイでございます。しかし,「オマエハナンデワカラナイ。イツモイツモイツマデモ,アノアナノオクカラ,ワタシハミテイルトイウノニ。」だなんて怖すぎですよ。
 8曲目の“吾ガ分裂ノ蟲裂ク時”という曲は,前作のタイトルチューンなんですが,あえて音が悪すぎて腐れメグ子のヴォイスを楽しむことができなかったのですが,今回は思いっきり腐れメグ子の怨念ヴォイスを楽しむこおtができます。と同時にバックの腐れメグ子の感情を更に拡大させてくれます。いや,本当,カッコヨイです。
 ラストナンバーの“天使が降る日“という曲は森本在臣の曲のカバーですが,バンドの音は割と静かな感じの音で,その上を朗々と腐れメグ子が唄っているのですが,歌詞が悪夢の連続のような歌詞になっていて,これを淡々と唄われるとなかなか怖いモノを感じてしまいますね。「留守番伝言サービスに毎日お経か入ってる。」とか普通に考えて怖いんですけど。しかし「生まれた時から貧しくて,僕らの日本カミの國。」だなんて,本当,鬱な気分にさせてくれるじゃありませんか。そして唄が終わった後にノイジーなインストを入れてラストナンバーしてくるところにあざらしのセンスを感じてしまいましたです。
 しかし,「情念系」と書きましたが,全曲聴くと,これは全てラヴソングだということがはっきりと分かります。確かに通常の形ではありませんし,かなりいびつではあるものの,全て愛,いや純愛と言っても差し支えないのではないかと思います。とにかく,腐れメグ子の愛を緩急自在の音で形にするバックの2人(ベースは現在,募集中のようです。),特に曲を書いている(アレンジもしていると思いますけど)ギターの満点星の才能も素晴らしいと思いますです。決してメジャーになることはないと思いますが,これからも腐れメグ子の愛と情念のたっぷりつまった音を聴かせてほしいなぁと思ってしまいましたです。

 さて,前回,サドルをセライタリアのXO FLOWという奴に交換したと書きましたが,早速その翌日,尻が痛くなりやすい上り坂が多く,極めつけは峠越えがあるコースを走ったのですが,VELOの時よりも痛くなかったので,非常に良い感じでございました。というわけで,少しプレトレの感じが変わったので,写真をアップさせていただきます。自己満足ですが,それでいいのさ!ということで。

 サドルが黒になって,引き締まった感じになったと思うのは私だけでしょうか?カッコヨス。

 サドル自体はこんな感じでございます。穴がスコーンと空いているので,シートポストの固定用のネジもよく見えます(笑)。

 後ろから見たところです。そういえば,このシートにしてからワイヤーロックがサドルに当たらなくなったので,それも良い感じですねぇ。