ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

VISITORS/佐野元春


 え〜肋骨を折って1週間ですが,少しは体が楽になってきた感じでしょうか。正直,火曜日までは朝起きるときに,ゆっくり横になって,それからゆっくりうつぶせになって,それから起き上がる(それでも痛いんですけどね。)という状態でしたが,水曜日くらいから多少は早く起き上がれるようになりましたです(それでも痛いですけどね。)。
 というわけで,昨日は午前中は歯医者へ,午後は整形外科へ行って来ましたが,午前中の歯医者は,詰め物が取れたので,それの付け替えなんですが,歯の形を整えてからしましょうということで,歯を削ってから、もう一度型を取り直す治療をやったのですが,流石に歯を削るときかなり歯に染みまして,体に力がかなり入ってしまいましたです。こうなると,痛いのは歯なのか背中なのか分からない感じでしたが,うがいをしてくださいということで,治療用の椅子を起こしてうがいをしようとコップに手を伸ばそうとしたものの,体が痛くて曲がらないという,非常に辛い状態で治療しましたが,とはいえ,次回は歯の詰め物を付けてくれるということなので,歯の治療の方は先が見えてきたかなぁという感じでしょうか。で,午後からは相変わらずテクテクと歩いて整形外科へ行き,診察してもらいましたが,診察室に入って,医者が開口一番「歩き方を見ると,調子が良くなったみたいですね。」と言ってくれたので,おかげさまで朝起きるときもだいぶ楽に起きられるようになりましたと答えさせてもらいましたです。とはいえ,骨折してからまだ1週間と少しですので,「分かっていると思いますけど,運動なんてもってのほかですからね。そんなことをしていると普通は1か月で大体治る骨折が,長引いてしまいますからね。」と釘を刺せてしまいましたです。まぁ、自分としても1日も早く復帰して,プレトレで走りに行きたいなぁと思っていますので,我慢すべきところは我慢して治療に専念したいと思っていますです。でも,横になっていたり,座りっぱなしなのも体に辛いので,ブログをアップしたらゆっくりした速度で散歩に行こうかなぁと思っていますけどね。要は体をねじったり,変な力を入れないようにすれば良いとのことですので。

 というわけで,佐野元春初期作品シリーズも今回で終わりというわけで,今回は1984年5月にリリースされた,4枚目のアルバム“VISITORS”を紹介したいと思います。前作,“SOMEDAY”発売後,佐野元春は単身渡米し,その様子は佐野元春がD.Jを務めていたNHK FMサウンドストリート佐野元春いわく,「Motoharu Radio Show」とのことでしたが。)で随時報告されていましたが,現地録音をし,満を持して発売されたこのアルバムは発売当時,賛否両論を巻き起こしました。ようするに,“SOMEDAY”のポップな音から遠く離れ,ソリッドでビートを効かせまくった音に一気に変わってしまったので,ポップな佐野元春が好きだった人には堪えられないようなアルバムだったのではないかと思いますが,私はソリッドな音のロケンロールが好きなので,これはこれで全く問題ないというか,正直,当時の向こうで流行っていた音をこう取り入れたかという感じが正直しましたです。
 1曲目の“COMPLICATION SHAKEDOWN”という曲は,シンセベースのうねりとソリッドなドラムのビートが気持ち良い肉体派ラップナンバーになっています。歌詞はアメリカでの生活がモロに反映されているなぁと思いますが,逆にそれが言葉のビート感を高めているような気もします。「アップ・トゥ・デイトなファッション,サービスのためのフィクション,ドラッグにあふれたTV,そして陽気なスーサイド」という歌詞にはアメリカでの生活を感じたりしますが,「フィジカルなダンス,メンタルなダンス,システムの中のディスコティック」という歌詞にはポップ・シンガーから少し反体制なロケンローラーな雰囲気が感じられたりもします。しかし,この曲で一番カッコヨイのは跳ねるリズムを叩きまくっているパーカッションかなぁと思ったりもしていますが,ここまでリズムが前に出ると,ポップな曲が好きなファンには辛かっただろうとは思います。
 2曲目の“TONIGHT”という曲は,打って変わって,キチンとメロディーのある曲で,シンプルな8ビートの曲に仕上がっています。歌詞の方もニューヨークに来たときの素直なお上りさん的な歌詞が微笑ましく感じたりします。「トゥナイト,にぎやかな街に手を拡げて。君の腕に抱かれても涙が落ちてくる。眠らせてほしいニューヨーク。」なんて,そのまんまですよね。でもこの曲を聴くと,シンプルな楽器の構成なんですけど,シンプルな音を上手に組み合わせて,非常に印象に残るアレンジになっているなぁと思いましたです。個人的にはここの楽器の音が立っている方が好きなので,前作の音よりもこっちの音の方が圧倒的に好きですけどね。
 3曲目の“WILD ON THE STREET”という曲は,いきなりパーカッションのみで始まり,そこにホーンセクションやリズムセクションが絡みついてくるのですが,リフの繰り返しのような曲にメロディーではなく,リズムで唄いまくる佐野元春がカッコヨシですねぇ。この曲を聴いた佐野元春のポップな曲が好きなファンは涙したことでしょう。この曲で佐野元春は「オレを壊してほしい,バラバラになるまで。オレを壊してほしい,めちゃくちゃになるまで。I need love so bad」って唄っていますが,壊して欲しいのは過去の佐野元春ではないかと思ったりもしましたです。
 4曲目の“SUNDAY MORNING BLUE”という曲は,佐野元春お得意のきれいなメロディーラインの曲ですが,歌詞に出てくる単語がいかにもニューヨークっぽいのと,少しヒンヤリした感じの音になっているので,まさに冬のニューヨークを感じさせる曲になっています。「窓辺の天使,Four letter words,寄りそう恋人たち。やがてこの街に冬が訪れる,君がいなくても。」なんて歌詞や,「汚れたベンチ,ストロベリーワイン,道端のSunday Paper。」なんて歌詞はモロにそうなんですが,東京ではなく,ニューヨークを唄っているから,時が経っても歌詞が陳腐化していないのではないのかとも思ったりします。
 5曲目の“VISITORS”という曲は,力強い8ビートがカッコヨイ曲で,この曲では佐野元春のヴォーカルに少し強めのエフェクトがかけられていますが,それが逆にシンプルな8ビートのバックとシンクロするようなビート感を作り出していてカッコヨイです。「輝きが消えるまでせつなく燃えているチャイナタウン。街の詩人たちは憂鬱な恋を競う。安物のパヒュームに汚れたミンクのコート」とか,「見慣れた顔ぶれがダンスの森に集う。ささやきとシャンンペンとノイズにあふれた夜。」だなんて,よく考えるとオシャレな生活だなぁと思ってしまいましたです。
 6曲目の“SHAME〜君を汚したのは誰”という曲は,ユッタリめの曲なんですけど,バラードではなく,佐野元春の力強いメッセージを感じることができる曲になっています。これまで,どちらかといえば,自分よりも下の世代を意識した,ある意味ポップな歌詞が佐野元春の歌詞でしたが,この曲では思いっきり重たい歌詞になっていますが,個人的にはこれくらい重たい歌詞も良いのではないかと思います。圧巻は後半の「偽り,策略,謀略,競争,偏見,強圧,略奪,追放,悪意,支配,ひどすぎる。」というネガティブワードだけで作られた歌詞を淡々と唄っているところと,「I'm angry.I'm so angry.この気持は消えない,I'm so angry.」と単純に怒りを剥き出しにした歌詞を淡々と唄っているところでしょうか。
 7曲目の“COME SHINING”という曲は,前の曲が重すぎたので,少しポップな感じに寄っていますが,どちらかといえばリズム重視な曲になっていますが,その分,バックの楽器が十二分に唄っているように私には聴こえますです。「たとえばチャーミングな会話だとか,メイクアップした恋なら欲しくない。Let's Make Love,Tonight.」なんてサラッと唄っていますが,結構な歌詞ですよねぇ。でも「いつかすべてが愛しく感じられるまで君と歩いてゆく。いつかすべてを等しく感じられるまで君と歩いてゆく。」なんて歌詞には「詩人だねぇ。」と思ってしまいましたです。
 ラストナンバーの“NEW AGE”という曲は,THE GROOVERSもカバーしたロケンロールな曲ですが,ミディアムテンポの8ビートにイントロのコーラスとポップな要素満載なんですが,少し抑揚のないメロディーでグイグイと押してくるような曲になっています。「New age,New age。冬のボードウォークに座って,全ての終りを待ちながらブルーな恋に落ちてゆく,Sweet,Sweet,New age.」なんて歌詞は,やはり東京ではなく,ニューヨークで書かれた歌詞だなぁと思いますが,「心のスクラッチを抱いて,オマエを激しくノックする。」なんて歌詞は私にはちょっと意味不明だったりするのですが,結局は「何も分けあえられない。何も抱きしめられない。でも今夜だけは君と輝いていたい。That's Meaning of Life.」ということを唄いたいのかなぁと思ってしまいましたです。
 しかし,このアルバムを通して聴いてみて改めて思ったのは,あんまり陳腐というか,古くさくなっていないなぁという感じでしょうかね。それはきっと唄われている風景が東京でなくニューヨークであることであったり,音がシンプルでソリッドだからではないかと思ったりします。やはり唄われている風景が東京だと,時間の経過を歌詞の中に感じてしまいますし,シンプルでソリッドな音だから,あぁあのときこういう音が流行ったよねぇ(例えば,前作でのWall of Soundな音作りなんて,あぁそういえば,この頃,大滝詠一が流行ったよねぇとなってしまいますし,1枚目のアルバムだと,あぁそういえば,このころスプリングスティーンのフォロワーが沢山出て来たよねぇとなってしまう。)という感じにならないところでしょうか。そういう意味では革新的なアルバムだったんだなぁと思いますが,その後,“Young Bloods”という曲が思いっきりスタカンだったりして苦笑いしたのも,今となっては良い思い出でしょうかね。

 う〜ん,プレトレに乗れない日曜日は長いなぁというのが,ここ2週間の感想でしょうか。しかも,乗れないことが確定しているときに限って,雨が降らない天気だったりするんですよねぇ(笑)。本当,少しでも早く走れるようになりたいなぁと思っていますが,1か月走っていない(&筋トレもしていない)ので,復帰後はボチボチ鳴らしていくことにはなるんでしょうけどね。
 プレトレに乗れないと日常ネタが少ないなぁと思いつつ,とはいえプレトレに乗っていないと,仕事に行って,家に帰って,酒飲んで,寝てみたいな生活の繰り返しだからしかたないかなぁ(しかし,ここだけ読むと,なんか廃人みたいな生活だなぁと思ったりもしたフルカワでした。)。