ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

陽水ライヴもどり道/ 井上陽水


 今週は結構ハードな日々でございましたが,なんとか無事に乗り切れたですよ。ドタバタした4月も何か知りませんが終わりに近づき,今週末から世間ではゴールデンウィークに突入とのことですが,なかなか仕事が片付かない上に,基本的に暦通りの職場なので,あんまり大型連休という感じもしないなぁ。まぁ,来週の4連休では,普段,あまりのも家庭をないがしろにしている(と思っているのなら,もう少し考えればいいんですけど・・・)少しは家族サービスもしなければいけないかなぁと思っていますけど。というわけで,この土日は個人的にはのんびりしようと思って,今日は午前中に掃除を済ませ,午後からはレンタルレコード屋を回って,レンタル落ちの不人気CDを漁っていましたが,私的におぉっというのが2枚あったので,速攻でゲットしました(1枚100円だったので,おぉっと思えば躊躇することなく買ってしまえるんですよね。また,時間を見つけて,別のレンタルCD屋も回ってみることにしましょうかね。)。
 
で,今週は何を考えたのか,私が持っている中で多分,最古のアルバム,「陽水ライヴもどり道」を紹介したいと思います。私がギターを始めたきっかけは松山千春だったんだけど,すぐに何となく薄っぺらに思えて,井上陽水に走って,「white」っていうアルバム(テープですけど。)を買ったのですが,このアルバムはバンドアレンジでギター1本ではなんとなく難しかったですし,井上陽水の唄本を買って,弾き語りをしてみたいなぁって思ったのが,やはり初期の曲が多かったので,次にお小遣いを貯めて買ったのが,このアルバムでした。当時はステレオなんて家にはなくて,ラジカセしかなかったので,レコードなんて買えるわけもなく(今の若い人には信じられないでしょうけど,当時はアルバムはレコードとテープという形で発売されていたんですよ。),テープで買って,一所懸命練習したことを思い出してしまいました。テープの歌詞カードを見ると,「昭和48年4月14日 厚生年金小ホール実況録音」と書いてあって,時代を感じてしまいましたですが,よく考えると私がこのテープを買ったのが,多分,昭和54年なので,すでに6年が経過していたんですねぇ。基本的には弾き語りで3曲がバンドアレンジになっていますので,ギター小僧の私にとってはうれしいアルバムだったことを思い出しました。
 1曲目の“夏まつり”は陽水の叩きつけるようなダウンストロークで始まる曲で,やっぱいいですよねぇ,陽水の声は。ちょっと悲しげな声と夏祭りっていうどちらかと言えば楽しいシチュエーションなのにマイナーコードの曲調がなぜかマッチングしていますです。「10年はひと昔,暑い夏。ふるさとはふた昔,夏祭り」っていうエンディングがこの年になると,更に染みるなぁ。2曲目との曲間の陽水のボソボソとしたしゃべりもいい感じです。
 2曲目の“いつのまにか少女は”もマイナーコードの曲なんですけど,この曲もいいですよねぇ。「君の笑顔は悲しいくらい大人になった。」なんて歌詞も,この年になると染みるなぁ,いいですよねぇ,この曲も。この曲が終わった後で,ちょっとチューニングをしつつ,またしゃべりが入るのですが,ボソボソと全く盛り上げようとしてないトークがいいですよねぇ。でも,盛り上がっているんですけどね。なんかそういった雰囲気も込みで70年代って感じです。
 3曲目の“紙飛行機”は激しいストロークでガシャガシャとアコギを弾きながら唄う陽水がカッコイイです。う〜ん,70年代フォークの香りがめちゃするなぁ。この曲は。随所に入る安田裕美のアコギのフレーズも素晴らしいです。
 4曲目の“あかずの踏切り”はアルバム「氷の世界」の1曲目ではものすごくポップに演っているのですが,このアルバムでは全体のトーンに合わせているのかどうか分かりませんが,マイナーコードな曲調で演奏されています。あかずの踏切を中心に何気ない日常を切り取っているこの唄は政治(というか主義・主張)とフォークと結びつけていたあの時代との決別を感じてしまいましたです。
 5曲目の“たいくつ”もマイナーコード系なんですけど,安田裕美とのアコギの絡みがものすごくキレイな曲です。というか,ここまで聴いて,私のアコギの弾き方やアレンジって,このアルバムをお手本にしているなぁ(マイナーコード系の曲が多いことも含めて。)と思いましたです。やっぱ,最初にとことん演ったものって身体に染み込んでしまうんだなぁ。ここでまた,陽水のボソボソトークが入り,父親の亡くなったことを語っているのですけど,なんかいい話をしていますです。陽水のボソボソトークと相まってなんか泣きそうになってしまうんですけど。
 で,この話に続いて,6曲目の“人生が二度あれば”が始まるのですが,多分,12弦ギターを弾いていると思うんだけど,いいんですよねぇ,少し寂しげなギターカッティングが。「父の湯飲み茶碗は少し欠けている。それにお茶を入れて飲んでいる。湯飲みに写る自分の顔をじっと見ている。」っていう歌詞にグッときてしまうのは,私が年を取ったからでしょうかね。やっぱり。
 7曲目の“帰郷(危篤電報を受け取って)”はタイトルも秀逸なんですけど,安田裕美のギターがいいんですよね。琴のようなフレーズを弾いたかと思うと,マンドリン奏法をしたりと,アルペジオでしっとりと弾き語る陽水の唄を静かにしっかりとバックアップしています。
 8曲目の“感謝知らずの女”はバックバンドを従えて,アッパーなロケンロールを演ってくれています。「ありがとうと一言,なぜ言えないのかな?」っていうフレーズがいいですよ。というか,しかし,それまでのしっとり路線とこのバンドアレンジの曲の落差がものすごいんですけど。曲的には後期陽水を彷彿とさせる,おバカっぽいロケンロールナンバーになっています。
 9曲目の“愛は君”もバンドアレンジなんですけど,3拍子のリズムで次作の「氷の世界」を彷彿とさせるアレンジだなぁと思ったら,アレンジャーは星勝でしたね。
 10曲目は私的には大名曲の“東へ西へ”なんですけど,この曲は本当に凄いですよねぇ。「昼寝をすると夜中に眠れないのはどういうわけだ。」なんて,そりゃあんた,昼寝のしすぎだからでないかいと思いつつ,満員電車の状況を唄いつつ,「ガンバレ,みんな,ガンバレ,夢の電車は東へ西へ」なんて唄われると,納得してしまうじゃないですか。しかし,この曲の凄いところは,サビのちょっと前のBメロがすごいいいんですよね。メロディーメーカー陽水ここにありって感じですよね。
 ここまで盛り上がったのに,バンドアレンジはここで終わり,11曲目の“家へお帰り”では安田裕美と二人でしっとりとアコギ2本で演っているのですが,このままコンサートが終わってしまうんだなぁと思わせる構成は素晴らしいです。間奏の陽水の口笛もいいです。
 と思ったら,12曲目に私の最も陽水神的な曲“傘がない”を演ってしまうんだもんなぁ。えぇ,この曲は死ぬほどコピーして死ぬほど練習して,散々歌ったですよ。いきなり「都会では自殺する若者が増えている。だけども問題は今日の雨,傘がない。いかなくちゃ君の家で行かなくちゃ。」っていう歌詞は本当に凄いです。政治の時代を通過したからこそ歌詞にできる,政治の時代の終わりを高らかに宣言した曲だと私は勝手に曲解しているのですけどね。うん,本当にいつ聴いても名曲ですよ,この曲は。しかし,ギターカッティングのブレイクの入れ方とか,メチャ影響を受けていたんだなぁと今更ながらこの曲を聴いて感じてしまいましたです。ここで次の曲まで陽水のボソボソトークが少し入っています。
 で,,最後の曲ですと言って13曲目の“星(終りのテーマ)”が陽水のギター1本で歌われるのですが,この曲のメロディーがものすごくキレイで,陽水の声を相まって鳥肌ものですよ(1分ちょっとの短い曲なんですけどね。)。
 アンコールの拍手で呼び戻され,本当のラストナンバーで,14曲目の“夢の中へ”を陽水のギターとハーモニカ安田裕美のアコギだけでやるのですが,80年代にアイドルがこの曲を変にポップにやっていましたが,個人的には陽水のこのシンプルなバージョンが好きですねぇ。というよりも陽水のこの声だからこの曲は光るのだろうと思うのですけどね。この曲も散々コピーしたよなぁ,で最後の陽水の「うふふ〜」のリフレインのメロディーが声が高くて歌えなかったんだっけと,ふと思い出したりして。

 なんかこういう自分にとってのルーツみたいな音楽を聴いていると,小僧だった頃の自分を思い出してしまうんですけどね。う〜ん,カセットテープを漁って,CD化したくなってしまうよなぁ。というか,多分,連休中に暇があったらしてしまいそうな感じなんですけどね。それもまた楽しいからいいんですけど。とりあえずは友部正人&たまの名盤,「けらいのひとりのいない王様」からかなぁ。