連休前に大きな仕事があって,毎日10時過ぎまで仕事をシコシコしているような状況で,昨日も一応休みを取ってはいたのですが,朝から出勤して,なんとか午前中でその仕事が片付きました。あ〜やっと私の連休が始まるですよ。
まぁ,明日から1泊2日で家族サービスをして,今日と月曜日はウダウダして過ごしましょうかね。実際,ちょっと疲れちゃったし。
で,今回は本当はテープからCDに焼き直した友部正人&たまの「けらいのひとりもいない王様」を紹介しようかと思ったのですが,やはりその前提として,たまの「さんだる」を紹介しておかないといけないと思い,先にたまを紹介したいと思います。たまはもちろん解散してしまっているのですが,弦楽器担当の知久寿焼,ギターとキーボードの柳原幼一郎(一番最初に脱退してしまいましたけどね。),パーカッションの石川浩司,ベースの滝本晃司の4人組で,どういう縁かは分からないのですが,石川浩司がたまの前にやっていたパフォーマンスユニットを見に行って,その参加していたグループ(地下生活者会議)のガリ版会報誌をもらったところ,柳原幼一郎とか知久寿焼の名前もあったので,その後,イカ天でたまとして出てきたとき,本当にビックリしたもんです。当時のイカ天は正当派のロックバンドが勝ち抜いていたのですが,たまはその中では圧倒的に異端だったのですが,あれよあれよという間にグランドイカ天キングになって,イカ天大賞を取って,メジャーデビューして紅白にも出てしまいましたが,本当に,それでいいのか?という感じですよね。ただ,個人的にはこういった音楽が万人に受け入れられるかを別にして,個々のテクニックやアンサンブル(特に基本的にダビングに全く頼っていない構成とか。),それから独特に空気感は今聴いても本当にすごいと思いますですね。
1曲目の“方向音痴”は,最初からウネウネとした知久寿焼のヴォーカルが最高の曲です。知久寿焼のアコギと柳原幼一郎のオルガン(アコーディオンかな?)の絡みも絶妙ですし,石川浩司の意味があるのかないのか分からないシャウトは冴えまくっていますし,滝本晃司の安定したベースラインも素晴らしいです。しかし,「ギロチンにかけられた人魚の首から上だけが,人間だか人魚だか分からなくなって,知床の海に身を投げた月の夜だよ。」なんて並の人間には書けない歌詞ですよねぇ。というかこの歌詞が万人に受け入れられたとは思いがたいのですが。
2曲目の“おるがん”はイントロから懐かしの70年代フォークっぽいアレンジで,おぉ!っと思ったのですが,知久寿焼のウネウネとしたヴォイスが入ってきたとたん,たまの世界になってしまうのは本当に凄いですよね。この曲でも知久寿焼のアコギと柳原幼一郎のオルガンの絡みが絶妙な雰囲気を醸し出しています。
3曲目の“オゾンのダンス”は柳原幼一郎がメインヴォーカルのポップな曲なんですけど,石川浩司のパーカッションもいいのですが,知久寿焼のマンドリンと柳原幼一郎のアコギの絡みのイイです。しかし,石川浩司の意味があるのかないのか分からないシャウトを最強だなぁと本当に思ってしまいましたが,「曼珠沙華」のシャウトは反則だよなぁ・・・と思ってしまいました。
4曲目の“日本でよかった”は滝本晃司がメインヴォーカルの曲なんですけど,壊れたようなオルガンのチープな響きがいいです。コーラスワークや隙間があることによって逆に空気感を出しているアレンジとか本当に素晴らしいと思います(というか,ベース以外は生楽器ばかりなので,ゴチャゴチャした音にしない方がカッコイイと思いますし。)。
5曲目の“学校にまにあわない”は石川浩司のメインヴォーカルというかヴォイスパフォーマンス的な曲なんですけど,この曲は本当に凄いです。割とたまというと知久寿焼や柳原幼一郎のヴォイスが目立つのですが,個人的には石川浩司のまとめきれない壊れ加減が本当にすばらしいと思います(イカ天でやった“待ち合わせ”も素晴らしい曲だったです。)。この曲は初めはシャウトはあるものの,割とポップなメロディの曲なんですけど,終盤の正に狂気(というかバカ?)を感じさせるヴォイスパフォーマンスとそれを支える美しい演奏は本当に素晴らしいので,一聴の価値ありだと思いますです。
6曲目の“どんぶらこ”は柳原幼一郎がメインヴォーカルで,アコギとベースの絡みが非常に私好みの曲です。たまはポップな歌詞が比較的多いのですが,この曲はどちらかと言えばダークな歌詞になっています。しかし,「どんぶらこ」とダークな歌詞の組み合わせをしてしまうところが,既にとんでもない訳なんですけど。
7曲目の“ロシヤのパン”はイントロのアコギのフレーズの変さ加減だけでやられてしまいますですよ。ヴォーカルはもちろん知久寿焼で,いきなり「おかあさんはロシヤのパンを焼く」で始まるんだものなぁ,もう反則ですよ。しかし,その後ろでものすごく細かいギターを弾いているところが溜まりませんね。「おやつはいつだってトラピストクッキー」っていう歌詞もたまらないですね。
8曲目は,たまの名前を知らしめた大ヒット曲の“さよなら人類”は柳原幼一郎のピアノもいいのですが,ちょっとにやつきながら歌っているヴォーカルも曲に合っていて,非常によいです。で,この曲はアレンジもさることながら,曲の構成がいいんですよねぇ,組曲的な構成になっていて。今回聞き直してみて,本当にそう思ってしまいましたです。「ブーゲンビリアの木の下で,ぼくはあの娘を探すけど,月の光に邪魔されて,あの娘のかけらが見つからない。」なんて思わせぶりたっぷりの歌詞もいいですね。
9曲目の“ワルツおぼえて”は滝本晃司がメインヴォーカルの曲なんですけど,4曲目同様,滝本晃司カラーが激しく出ています。というか,滝本晃司の歌うメロディーは本当にオーソドックスなポップ(歌詞も含めて。)なので,たまの中では本当に目立ってしまうんでしょうね。ちょっとおしゃれな感じもしたりする不思議な曲です。
10曲目の“らんちう”はガラッと変わって,知久寿焼メインヴォーカルの曲で,チープなおどろおどろしさがたまらない曲です。私のたまのイメージとしては多分,この曲になってしまうんだろうなぁと思います。確か,イカ天に最初に出たときがこの曲だったと思いますし。というか,この曲で,しかもあのルックスで出てくるのはやっぱり反則だよなぁ。でも,今聴いてみるとやっぱり演奏は圧倒的に上手いですよね。
ラストナンバーはビートルズのルーシー・イン・ザ・スカイ・ウイズ・ダイヤモンズに対抗したタイトルかと思ってしまった“れいこおばさんの空中遊泳”なんですけど,この曲は柳原幼一郎と知久寿焼が一緒に歌っているラストらしいポップな曲です。シンプルなアコギとマンドリンの絡みが繰り返され,石川浩司の意味があるのかないのか分からないシャウトなど,何はともあれ,最後の曲なのでひたすら盛り上げているというかんじですかねぇ。
前回,レンタルCD落ちのCDを探していたのですが,その際,つしまみれというmf247でよく聴く名前のバンドがなぜか100円であったので取りあえず勝ってみたのですが,これが素晴らしい。久しぶりに今時のバンドでやられたぁ・・・という感じのバンドに出会えたという感じです。速攻でレビューを書きたいのですが,5月に新しいアルバム「つしまみれとロックとビアで」が出るらしく,それと一緒にファーストアルバムも注文したので,それが届いてからまとめてレビュー書きたいと思いますです。
しかし,スパムペールの思わぬ影響が出てしまいましたです。花田裕之のなNAGARE at SOAP 2007を予約したのはいいのですが,その後の入金依頼メールがスパムメールソフトにひっかかってしまったようで,昨日,削除メールをチラっと見たら,なんと早く入金してくれっていうメールが届いていて,今日,あわてて銀行のATMから入金しましたです。おかげで発売日(5月8日)に手に入れるのは無理になってしまいましたが,なんとか手に入れる機会を失わずに済みました。しかし,なんだかなぁ・・・っていう感じですよね。憎むべきはスパムメールなんですけどね。今も毎日30通ぐらい届くので,スパムメールソフトでサクっと削除してしまわないと面倒だしなぁ。痛し痒しだなぁ。