先週,桜の花が・・・とか言っていたら,今週は雪だもんなぁ・・・あぁ本当に三寒四温。それはともかく,先週,有頂天のカセットブックについて語ったので,今回もなぜか,自主制作カセットについて語りたくなってしまいました。
で,このテープは私が高校の修学旅行,地方都市の学校なもんで旅行先が東京だったのをいいことに,友達の不評を買いながら渋谷パルコにあるディスクユニオンで買ったものです(外にも,“オリジナル・ウルトラ・ビデ”とか,オートモッドの“レクイエム”とか買い込みましたです。これらについては機会があればまた語りたいなぁ・・・)。
自分も自主制作テープを作っていたことと,このCHANCE OPERATIONの中心メンバーのヒゴヒロシがミスター・カイトっていうバンドで東京ロッカーズに参加していたり,ゴジラレコードの中心メンバーだったこと,またCHANCE OPERATIONそのものが結構,宝島(当時の私のバイブル的雑誌)でも結構取り上げられていたこと,後期スターリンにヒゴヒロシが参加していたことなんかがカセットテープにも関わらず購入した理由でしょうかね。
で,カセット自体も紫と白のマーブル模様の箱に明らかに手書きでOpen groundと書かれていて,CHANCE OPERATIONのシールが貼られている物でした。中身も手書きのインデックスとか歌詞をコピーしたB5の用紙が入っているだけで何とも手作り感が高かったのですが,その用紙を見てみると一応,TELEGRAPH Record(自主制作系レーベルの老舗。本当に良質な音源を提供していたようですが,あのころは地方都市まで入ってくることはなかった。)がディストリビュートしていて,少し感動しましたけど。
で,曲の方なんですが,買ったときはパンクっぽいというかもっとロックっぽいものを想像していたんですが,結構ジャズっぽい音(そういえば,レプリカント・ウォークのころのフリクションもこんな感じの音だったなぁ・・・)でびっくりしましたが,東京のアンダーグランドな臭いがしてカッコいいなと思ってしまいました(1984年リリースですけど,今聴いても,そんなに古びた感じがしないのは流石だなと思います。)。
1曲目の“TOUCH&GO”は左右に飛び回るシンセの音にほぼタムのみのドラムが絡み,ベースがリズムとメロディーを引っ張りながら,ボーカルのヒゴヒロシがほぼ語りに近い歌を歌っていて,はっきり言って,最初にこの曲を聴いたとき,アレンジとリズムにやられた〜!っていう気持ちになりました。歌詞的にはE.D.P.Sなんかにも通じる,短いセンテンスの言葉を投げつけるようにという感じですかね(そういう時代だったのかもしれない。)。
2曲目の“RARE PRESENTS”はジャズっぽいアレンジがカッコイイ曲ですね。1曲目の“TOUCH&GO”とうってかわって,ギタードラム,ベース,サックスの絡みつくような音が,これはまたカッコイイです。歌詞はこれも短いセンテンス・・・をという感じですね。
3曲目の“IMAGE DANCE”はドラムのロールにベースが絡み,ギターとサックスがリフを刻む,比較的ロックっぽい曲ですかね。でも,最後ややっぱりフリーキーなサックスが鳴り響いてしまうところが,やっぱこのバンドのカラーなのかな?
4曲目の“おどろくべき月夜”はタイトルもカワイイのですが,ベースラインもカワイイ名曲です。「じっとしてても狂ってくるよ,踏んでも蹴ってもひずんでくるよ。知恵の先に穴開けて,漏れる河を暖めすぎて」なんてちょっと意味深な歌詞もあったりして。テープではここまでがA面でスタジオ録音で,次の5曲目以降がB面でライブとセッションになっています。
5曲目の“Session 1”はタイトルどおりで,なんかよく分からないけど,短めのカッコイイ曲です。
6曲目の“IMAGE DANCE”は3曲目と同じ曲なんですが,アレンジはどっちかというとハードな感じになっています。叩きつけるようなベースラインが非常にカッコイイです。
7曲目の“SCALE”は少しダウナーな感じのギターカッティングが曲のカラーを作っている曲ですかね。どちらかというとライヴハウスのフロアーで立ちすくんでしまうような曲ですね。
8曲目の“Session 2”はスラップベースを中心に添えて,ギターとドラムが絡むという感じで始まり,キーボードがコード感を出した後,ギターが前面に出てくる感じですかね。
9曲目の“BE STOPPED UP”は歪んだベースにズンドコしたドラムが絡み,ヒゴヒロシのヴォイスが突き抜けるという感じですか?これもライヴハウスで聞いたら,多分,フロアーで立ちすくむしかないかなぁ・・・と思います。
10曲目の“THE WHOLE TRAP”ドラムマシンのテケツクしたリズムにドラムとベースが絡みまくる,リズム重視でカッコイイ,インストナンバーです。
で,ラストの11曲目の“AT AHIRU”はなんかE.D.P.Sにもこんな感じの曲はあったよな〜と思わせるようなドラムとベースラインの曲です。しかし,E.D.P.Sと違うところは,ツネマツマサトシの投げつけるようなヴォイスではなく,むせび泣くようなサックスが流れているということでしょうかね。
しかし,ネットで調べてみたらヒゴヒロシさんは今の第一線(渋さ知らずとか)で御活躍のようで,機会があれば新しい音も聴いてみようかと思っています。