ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

BECAUSE/有頂天


しかし,3月も中旬になるとすっかり春めいてきて,毎日通る駅への道の途中の桜もちらほらと咲いてきたりなんかして。とはいえ,私の触手をくすぐるような音源がなかなか出ないので,最近は旧譜ばっかり話しているなぁ・・・と思っていたら,やっときましたよ,うつみようこ & YOKOLOCO BANDが4月19日に新しいアルバムを出すそうな。その名も“Rockability”だって。奥野真哉いわく「AOR(Ahona Oretatino Rock)」だそうなので,期待に胸が高まるなぁ。早速アマゾンで予約してしまいました。

 で,ナゴム再生委員会も昨年から活発なリリースをしているようなので,私的には大好きな有頂天のBECAUSEについて,今回は語りたいと思います。
 そもそも,有頂天は80年代当時の地方都市在住の宝島読者であれば,興味があったバンドではないでしょうか。私的には宝島で写真とか見ながら,どんな音か聞いてみたい(と思っても,当時はインディーものは地方まで流れてこなかったんですよね。流れてくるようになったのは,インディーズ・ブーム(これも笑ってしまう言葉ですけど。)の少し前にU.Kエジソンとかが全国展開をするようになってからですかね。)と思っていたら,宝島がカセットブック(本にカセットテープを付けたもの。確か第一弾は遠藤ミチロウの“ベトナム伝説”だった。もちろん買っています。)を出すようになり,宝島の流通ルート(要するに本屋)で地方都市でも購入することができたので,よろこび勇んでこの“BECAUSE”を買ったんですよね。だから,私が持っているのはカセットブックです(が,今はCD-Rに焼き直していますけど。)。
 で,ビックリしたのは,有頂天の1stアルバムだった“土俵王子”ではなんか中途半端なコミックバンド(でも“もっとサティスファイド”とか私の琴線に触れる歌はありましたが。)のような感じでしたが,このアルバムでは無意味を追求したテクノパンクという感じで,ものすごく気に入りました(もちろんブックレットも「しりあがり寿」だの「ひさうちみきお」だのそれ系の漫画家が参加していたりして,ものすごく面白かったですし。)。
 で,1曲目の“WHY”ですが,いきなりSE的というか演劇的というか,そんなフレーズから始まって「僕と君との原初的限界,そもそもできそこない・・・」というフレーズで始まり,トータルとしては歌詞に意味はないのですが,弾むドラムとシンセの繰り返すリフに乗ってケラが涼やかに歌っているのはカッコイイなぁ・・・と思っていたら,スピードアップして,段々と曲が壊れていく様はさすが有頂天というか,これを1曲目に持ってくるか?という感じですね。
 2曲目の“ホワイト・ソング”は綺麗なシンセの繰り返すリフからケラの「ほわいとそ〜ん」という雄叫びから始まる,どちらかというとポップなナンバーです。が,やっぱり歌詞はトータルでは意味がないというか,何故にホワイト・ソングなのか,私には分からないんですけど。でも,好きな曲ですね。
 3曲目の“PIPE”はパーカッシブなシンセの音が気持ちいい曲です。歌詞の中で「血が僕の血が,水,ただの水」というサビのところでケラが壊れたように笑うところなんて,本当に有頂天らしいというか,壊れちゃってますよね。曲のラストで逆回しになるところもカッコイイです。
 4曲目の“ピノキオ”は,たぶん「鼻がのびちゃうよ!」というサビから,こういうタイトルになっているんだと思いますけど,歌詞に反比例に曲はポップでカッコイイです。ちなみにこの曲は,当時,国営放送局でバンド関係の趣味講座の番組に何故か有頂天がゲスト出演し,演奏した曲ですね。飛び跳ねながら「だよ!カッコイイ!鼻が伸びちゃうよ!」って歌っているケラは本当に格好良かったです。
 5曲目の“EAST”は,なんかめずらしくロックっぽいイントロで始まり,このまま行ってくれるのかと思ったらいきなり「トカゲ犬ならしっぽ取れる」だもんなぁ・・・さすが有頂天,徹頭徹尾期待を裏切らない,いい加減さ。
 6曲目の“ヘンテコ・ヘヴン・ワーズ”は白っぽいシンセの音とサンプリング・ボイスで始まり,テクノ魂全開の曲ですが,やはり歌詞は「へったらへ,へへれこへ,ヘンテコなヘヴン・ワーズ」だもんなぁ・・・しかも最後は思いっきりテクノな展開になっているし,さすがケラ!
 7曲目の“一週間”もポップで凄く好きな曲ですね。歌詞も「月曜日に食べたお肉が,火曜日に腐ってた。手も足も出ず,ただうろたえるばかり・・・」みたいな曲でだから何なのという歌詞なんですけど,そこが有頂天らしくてカッコイイですね。しかし,この曲の中でも「意味のない人になる」って言い切っているもんなぁ。
 で,ラストナンバーの“BECAUSE”なんですけど,この曲は某宝島誌上では「新世代の雨上がりの夜空に(RCサクセションの名曲ですね。)だ!」なんて書いてあったのですが,はっきり言って,あんなノリノリの曲ではないです。むしろ,気持ちよく落ちていく感じの曲ですね。「だからやめろと言ったのに,あっという間の果てしなさ。濃いも薄いもたいらげた,僕と君との物語」という歌詞で始まり,「マヒ!マヒ!マヒ!マヒ!」と叫び,ラストで「心臓が止まることがなければ大丈夫,2人で一緒にこれからも歩こう」と締めくくる,聞く人が聞けば,結構,グッとくる曲ではないかと思いますけどね。

 で,最初に有頂天の歌詞はトータルとして意味がないと書きましたけど,ところどころの歌詞はものすごく意味があって,好きなんですよね。私的には「愛のまるやけ」っていう曲の最後のケラの「ありがとう!ぼくは間違っていた!ありがとう!」というところなんか,本当にツボにはまっていますけどね。残念ながら音源を持っていないので,ナゴム再生委員会の有頂天ナゴムコレクションに入っているので,買ってみようかなと思っています(しかし,ミンカ・パノピカもアルバムもあったので,ちょっと触手をそそられているのですけど。)。