7月になってやっと雨が降り始め,なんとか水不足が回避できるといいなぁと思っている私ですよ。しかし,暑いですよね。クール・ビズとか言っていますけど,あんまり効果はないようですね。朝の新幹線でもあんまり見かけないし(というよりも,この暑いのにきちんとスーツを着ている人の多さには改めて驚きますけど。)。
というわけで,今回は小山卓治という人のアルバムについて紹介したいと思いますです。私の小山卓治さんに対するイメージは,結構,ハードボイルドな出で立ちをしているのに,声がかわいいという感じで,多分,ブルース・スプリングスティーンをデビュー当時は意識していたのでしょうけど,あんまりピンとこなかったんですよね。で,それから数年経ち,TVKでミュージックトマトジャパンという日本のアーティストのプロモビデオばかりを流すなかなかよい番組があったのですが,そこで小山卓治さんの“微熱夜”という曲が流れ,その中の「俺には俺のやり方がある,誰とも手を組みたくはない,楽しむだけ楽しんでやるさ」というフレーズに当時の私としてはいたく感じるものがあって,レコード屋で購入したのが,このアルバムでした。これは1987年のライヴ盤なんですけど,これを買った当時の私は,確か,就職して1,2年目で小山卓治さんが歌う,勤労青年の心情的な唄はものすごく心に響き,当時の私のウォーキングカセットには,ほぼ毎日,このアルバムをダビングしたカセットが入っていました。
で,まず,1曲目の“Bad Dream'86”ですが,この1曲目の「僕は正直者のふりをし続けて,今までずっと馬鹿を見てきたけど,あしらわれながら利用されるほど,奴らに言いなりのうすのろじゃなかったんだ」という歌詞にひどくガツンとやられてしまいました。
で,2曲目は,当時の私のテーマ曲とも言える“下から2番目の男”です。この曲も職場でひどいめにあっている男の唄ですが,「ウソっぱちの履歴書で俺はやっと雇われた,だけどだまされたのはどうやら俺らしい。絶望的なノルマがいつだって俺を急きたてる,こんな調子じゃ週末に1杯やる余裕もない。」だなんて,当時の私そのものですよ,本当に。
3曲目の“傷だらけの天使”は同名タイトルのテレビドラマがありましたが,ドラマとはあんまり関係ないかな。この曲も胃医局ですが,歌詞を引用するほどでもないので,この程度で。
4曲目の“Time”なんですけど,「不満だけは1人前の君の腹は立ちっぱなしだ。手のひらからこぼれるほどの自由なんて重たいだろう。」という歌詞から,当時,売れていた某尾崎豊に対して,大人の小山卓治からのアンサーソングなのかなとこっそり思っていました。
5曲目の“ILLISION”はレコードのA面ラストを飾るにふさわしい,落ち着いているけど,静かな怒りを宿した曲です。「僕らは光に集まり都会を作った。そしてビルの影でチャンスをうかがいながら,幻のような半端な夢を見続ける。」だなんて,ビルの片隅で唄を歌いながら,もしかしたらなんて思っていた自分と重なってしまいましたね。で,CDは6曲目として“もうすぐ”っていう曲が入っているらしいのだけど,私はLPなので,この曲は入っていません。
で,B面1曲目は“Hustler”っていう曲ですが,どっちかというと映画っぽい曲で,ちょっとアルバムの中でも色合いが違う曲ですね。
2曲目は“Aspirin”という曲で,これもメチャ格好いい曲です。「幹線道路じゃ工事中,金切り声のディスカウントセール。募金に署名にダイレクトメール,ガキどもが歌うロックンロール。俺はこの街にゃ不似合いの取り残されたロマンティスト。またビンに手が伸びていく。コレステロール・シティは今日もノイローゼ。」だなんて当時のバンドブームを揶揄したような歌詞もあったりして。
で,3曲目は“NO GOOD!”という曲で,これもいわゆるストリート系の歌詞なのかなぁ。デビューアルバムのタイトルナンバーなので,もろスプリングスティーンという感じですが。
で,ラストナンバーは“FILM GORL”という曲で,モデルになってしまった彼女に対する唄という形ですが,別にモデルや芸能界でなくても,当てはまる内容だと思いますが,こういうタイトルにしてしまったために深読みされてしまい,あんまり売れなかったかもしれないなと思います(というか,この曲は自主制作デビュー盤だったんですよね。)。
で,岡村ちゃんが夏だというのに冬眠状態になってしまったのではないかと思われるので,小山卓治さんはどうなのかしらとオフィシャルサイトを除いてみたら,ライブCD-Rを発売したりして,頑張っているではないか。岡村ちゃんも小山卓治さんに負けずに,ボチボチでいいから頑張ってほしいなぁ・・・