ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

非常階段 A STORY OF THE KING OF NOISE(本編)/JOJO広重外


 昨日は,お休みをいただいて,前々から気になっていた新しいトンネルを走りにいくことにしたのですが,やはり新しいトンネルはいいですね。車道部分と自転車・歩道部分がきっちり隔離されていて,音も排ガスも自転車・歩道部分には来ないようにしてあるんですね。トンネルであっても短いトンネルは車道の左端を走っているのですが(自動車の方も抜けなくても少しは待ってくれるので。)長いトンネルはお互いに怖いので,自転車・歩道部分を通るのですが,古いトンネルだと狭いし,舗装は涙が出そうな路面の状態だし,おまけに狭いしで,本当に難関だったのですが,新しいトンネルは違うなぁと思ってしまいましたです。
 で,昨日は対照的な2台の自転車に抜かれてしまいましたです。どちらも復路でのことなのですが,そのトンネルに入る少し手前でオジサン(まぁ私もオジサンですけど。)の乗る,シェボートレッキングアルミをサクッと抜いてトンネルに入り,ダイナモライトを点けて,若干徐行気味で走っていたのですが,なんか後ろの方から必死で走ってくる自転車がいて,危ないなぁと思っていると,シェボートレッキングアルミのオジサンでした。こちらとしては,その時点ですでに100キロ近く走っているし,ここで無茶しても仕方ないので,速やかに道を譲ってあげたのですが,少し走るとそのシェボートレッキングアルミのオジサンはばてたのかメチャクチャ失速していて,あ〜あと思いながら,追い越させてもらいましたです。おじさんとしてはシェボートレッキングアルミよりも安いプレトレに抜かれたのが気に入らない(でも,多分,プレトレだなんて分からないよなぁ。)のかもしれませんが,瞬間的な速度よりもやはりどれだけ持続して走れるかが大事なんだなぁと思いましたです。シェボートレッキングアルミはクランクが42/34/24Tなので,42Tで思いっきり走られるとまぁ追いつけないわなと思いましたです。それならプレトレのクランクを42Tにすることも考えられるのですが,峠を越えるときもあるので,フロント1枚なら最高速よりも,ある程度どこでもまんべんなく走れる方を選択するしかないよなぁと思ってしまいましたです。もう1台は,海岸線を流していると信号待ちでヘルメットにアイウェア,レーパン,ジャージのいかにもな女性のピストが後ろに止まっていたのですが,信号が変わった直後に抜かれて,ふ〜んと思いながら足を見ると,ふくらはぎの肉の付き方が本気で走っている人だと分かったので,少しは後ろを付いて走ってみたのですが,車体の軽さもあるんでしょうけど,本当早くて,あっというまにとても追いつけない程引き離されてしまいましたが,「ロングライドは家に帰るまでがロングライドです。」のポリシーどおりに自分のペースで淡々と走らせていただきましたです。
 この日は昼食時間を除いた6時間で約130キロ走ったので,なかなかのもんだと自分では思っていますです。やはり田舎の信号のない道はゴー・ストップがないので,イイ感じですね。復路で何もない海岸線で思いっきり向かい風に吹かれたのは少し涙目になってしまいましたけど。

 え〜,前回の原爆スター階段に引き続き,非常階段のメンバーであるJOJO広重,美川俊治,JUNKO,コサカイフミオの面々とライターである野間易通の共著である“非常階段 A STORY OF THE KING OF NOISE”という本を紹介したいと思いますです。いきなり本の帯に「日本雑音王実録 ムチャクチャやってほしいからオレらを呼んだんやろ?」という何とも攻撃的な言葉がカッコヨイです。値段も2857円とお高めですが,DVDも付いているし,そもそもこんな本をそうそう買う人もいないでしょうから適正価格だと思いますです。で,DVDの中身も濃いいので,オマケのDVDの方は次回に紹介させていただきますです。
 この本は第1部として非常階段ストーリーが,第2部としてマイ・フェイバリット・ノイズと題してメンバーの文章が,そしてディスコグラフィーが掲載されているのですが,第1部ははっきり言って,80年代の日本のアンダーグラウンドな音楽シーンを紹介する内容としては,以前にも紹介した地引雄一のSTREET KINGDOMと合わせて読むことで非常によく分かりますね。というか,地引雄一は裏方視点で描かれているのですが,こちらは思いっきりステージ上の当事者目線で書いてあるので,そういう意味でも非常に面白い本になっています。
 第1部第1章は,「新宿・2009」と題して,原爆スター階段の裏話とかが書いてあるのですが,これと読んでから原爆スター階段のDVDを見ると,更に楽しいと思いますです。しかし「そこで鳴らされている音は,ロックではない。音楽ですらない。ロックや音楽のカタルシスを凝縮した音の固まりであり,それこそが日本のライヴハウスで育まれた「ノイズ」なのだった。」という締めの言葉は非常に重たく感じましたね。
 第2章は」京都・1978」と題して,店の前に置かれたヤマハのモトバイク(自転車なのに前後フルサスでバイクのような長いシートが付いているもの。これを多分,懐かしく感じて,とても手が出なかったと思う人は間違いなく同年代だと思いますです。)もいかにもあの時代を感じますです。話はJOJO広重プログレ好きから京都のどらっぐすとあという店に出入りするようになって,ビデと出会い,そしてあのウルトラビデを結成し,それと相前後して関西パンクシーンの話になり,後にアウシュビッツを結成する故林直人ミニコミアウトサイダーで「シーンがないことへのいらだち」を綴っているのですが,ここで取り上げてられている人たちのほとんどが大学生や高校生だということが東京のシーンと大きく違うなぁと思ってしまいましたです。しかし,JOJO広重と一緒に最初のノイズを演った頭士奈生樹が「強靱な耳と魂を持っていないとできないでしょ。僕は良くも悪くもギタリストなんですよ。だからギターを弾いちゃうし,音だけに集中しようとしてしまうんです。」という言葉がノイズというかJOJO広重の本質を語っているような気がしましたです。
 第3章は「大阪・1980」と題して,美川俊治の経歴から始まり,JOJO広重が「腐食のマリー」というバンド名で始めたはずなのに,いつの間にか「非常階段」というバンド名になっていたりしつつ,林直人のアンバランスレコードから終末処理場というV.Aのレコードを出すに至るまでの話なんですが,ジャケットの火葬中の火葬場の写真を使ったところ,いろいろと事故があったらしく,お祓いに行った際,お坊さんから「あんまりこういうことは,せん方が・・・」と言われたらしく,笑わせてもらいましたです。
 第4章は「東京・1981」と題して,非常階段のパフォーマンスがエスカレートしていく様が描かれているのですが,JOJO広重が「東京のやつらに嫌われるようなことをしようと思ったんですね。あのバンドって嫌なバンドやなと思われるようなことさえできれば良かった。」というコメントを読んで,どういう思考回路をしていればこういう展開になるのかが分からないのですが,まぁ非常階段だし。そして伝説のFRIGHT 7 DAYSに参加し,その絶頂の中でメンバーが抜け,しらけていくというのも凄いなと思いましたです。そして,日野日出志の蔵六の奇病をジャケットにした一部で超有名なレコード「蔵六の奇病/セカンド・ダマスカス発売までの話を書いているのですが,これがまた面白いんですよ。JOJO広重の「バカみたいな思いつきを一生懸命具現化するにあたって,できるだけ世間に流通している本物っぽくやったほうがギャグとしてはでかいなと。ここまでやるなら,もうちょっとええかっこしてアートっぽくやってもよさそうなもんだけど,なぜかそういう方向には決して行かないんですね。」という台詞は非常階段そのものだと思いましたです。
 第5章は「錬金術」と題して,大学を卒業し,東京でビデオ販売を始めたJOJO広重がJUNKOと出会い,ハードコア・パンクの波があり,そして来ましたよ,アルケミー・レコードの話が。実はアルケミー・レコード第1弾リリースであるウルトラビデのThe Original Uitra Bideは持っているのですが,当時はこの手の音楽はさっぱり分からなくて,ほとんど聴いていなかったのではないかと思います。今ならもう少し面白く聴けるのではないかと思うんですけどね。
 第6章は「キング・オブ・ノイズ」と題して,非常階段充実期が描かれているのですが,その中で杉山シンタロウ(THE STALINの初期ベーシスト)の話があって,杉山シンタロウが非常階段のメンバーのユカと結婚して非常階段に参加したり,妻であるユカがステージ上で放尿したりして非常に心を痛めていた話など,非常に興味のある話が読めましたです。そして,アルケミー・レコードとしてワイルド・ウェスト系が盛り上がり,関西にアルケミー・レコードありってな感じになるまでの動きを面白く読ませてもらいました。
 第7章は「プロフェッショナル・ノイジシャン」と題して,プロフェッショナルなノイジシャンなんて存在するのかなどというつまらない疑問はさておき,CDに74分入るなら,1曲74分でモダーンというアルバムを作ってみたかと思いきや,78分まで入ることを知らされ,1曲78分でロマンスというアルバムを出したりと,何かもうメチャクチャだなぁと思いつつ,それが非常階段なんだろうなと思いましたです。
 第8章は「ノイズ・フロム・トレーディング・カード」と題して,スポーツカード専門店を開いてみたり,雑音伝説と題してボックスセット(?!)を出してみたりと,もう何も言うことはありません状態の非常階段のことが描かれていますです。
 第9章は「ザ・ノイズ」と題され,これまでの非常階段が総括されているのですが,その中でJOJO広重がネットコラムでの発言があまりにも素晴らしいので,ここで引用させていただきますです。「どんなに売れない作品でも,出すのと出さないのでは,ずいぶん違う。1枚でも出せば,1回でも人前で演奏すれば,それは1+1ではなく,それ以上の意味をもつ。考えているだけで行動をおこさず,理屈をつける輩がやたらに多く,特に若い連中に多いが,やらなければ,結局始まらないのだ。例えばほぶらきんのホームページを見れば,彼らが1枚のシングル盤を出すのに,いかに悩み,驚き,楽しみ,苦しみ,そして何をなしえたのか,わかる。音楽に限らず,自分の作品を世に出すという,熱意,思い,思いこみ,恥ずかしさ,素晴らしさ,そしてその後の影響。これが,彼らの思いつきのみで,仲間の楽しみにとどめ,1枚のシングル盤を出すことがなかったら,我々は日本最高の宝曲を聞くことはできなかったのである。」。
 そして第2章は「マイ・フェイバリット・ノイズ」として,ノイズかどうかは別にして,非常階段の各メンバーが聴いてきた音達が紹介されています。振り幅が広めのJOJO広重,いかにもな美川俊治,あっと驚くポップさのJUNKO,そしてよく分からないコサカイフミオの紹介する音源とそのバックボーンをニヤニヤしながら読むのが正しい読み方だと思いましたです。
 そして,最後のディスコグラフィーなんですが,なんか見ているだけで楽しいのですが,さすがの私もこれだけの大量のノイズを聴くのはいかがなものかというわけでジャケットを眺めておくだけにしようと思っています。
 しかし,やはりシーンの当初から演っていた人はやはりすごいなぁと思ってしまいましたが,このことについては次回のおまけDVDを見たコメントで思い切り書きたいと思っていますので,今回はこの程度で。

 で,昨日は山の中とはうって変わって海岸線を走っていたので,これもまた昼食を取るところがなくて,個人的にはご飯ものが食べたいなぁ,久しぶりにカツ丼なんかいいなぁと思っていると,けっこう立派なうどん屋さんがあったので,そこに入ってみることにすると,あるじゃありませんか,カツ丼が。早速,カツ丼を頼んで待つこと少々,カツ丼と言えばカツ丼に漬け物にみそ汁といった構成で出されることがほとんどだと思うのですが,なにやらカツ丼の丼の隣に,なにやら大きな器が付いているではありませんか。ひょっとしてあら汁みたいなのがど〜んと入っているのかと思っているとテーブルに届けられたその器の中身はなんとうどんでした。カツ丼を頼んで,うどんとは,さすがうどんの店だなぁと思いつつ,炭水化物取り放題だなぁ,復路もガッツリ走れそう!ということで少しうれしくなってしまいましたです。
 もちろん,カツ丼もうどんもおいしかったので,非常によろしかったのですが,1つ残念なのは,食後の缶コーヒーでも飲もうかしらと思っていると,そこには自動販売機がなかったので,仕方ないなぁ,自転車を止めることができる自動販売機まで走るかということで走っていると,自動販売機を発見したので,冷たいコーヒーを買ったのですが,なんか冷たくない。しかし,自動販売機なので,文句を言うこともできずお昼のコーヒーブレイクの後,さらに走り出したところ,原因を見つけました。走ること30分先の自動販売機でコカコーラの赤いトラックが自動販売機の補給をしているではありませんか。要するに,補給されてすぐの缶コーヒーを買ってしまったということなんですね。まぁこういうこともあるさと思いつつ,あのクソ暑い夏でなくてよかったなぁと思った,涼しい晩秋の路上でした。