ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

欲望のオブジェ/恒松正敏グループ


 あ〜っという間に2月が去って,3月になってしまいましたですよ。何とか春には新幹線通勤から解放されることになったので,少し気が(お金もね)楽になったのですが,3月15日からのJRのダイヤ改正で15分早く家を出ないといけなくなってしまいましたです。私にとっては改正ではなくて改悪だよなぁ。困るんだよね,朝の15分なんて本当に大きいんだから。と,そんなことをこんなところで書いてもJRに伝わるわけではないので,本当に愚痴なんですけどね。
 しかし,今の勤務地から変わることになって,今月は送別会が多いだろうと思っていたのですが,今週の火曜日と木曜日に早々と送別会的なものをやったのはいいのですが,案の定,どっちも終電または終電1本前で帰ることになって,しかも昨日は夜勤でしたので,はっきり言って今日は体がガタガタだったのですが,なんとか夕方まで持ったので,今夜は早く寝ないと体が持たないよな。

 というわけで,今回は恒松正敏グループの「欲望のオブジェ」を紹介したいと思います。恒松正敏グループは,恒松正敏(Vocal&Guitar) 飼沼丞二(Bass) 藤掛正隆(Drums)のトリオなんですけど,E.D.P.Sの時と違って音が熱いです。E.D.P.Sの時は音に冷ややかさを感じたのですが,このアルバムでは全体的に熱さを感じましたです(悪いという意味ではなく,ちょっとびっくりしただけ。)。
 1曲目の“No Way Out”はドラムのパワフルな8ビートにギターとベースのリフが絡み,その間をギターソロが突き抜けて行く中を恒松正敏がメロディーのある曲を歌う,フィードバック系のギターは相変わらずなんですけど,飼沼丞二の暴れまくるベースラインも叩きまくりの藤掛正隆も本当にカッコイイです。どちらかち言えばハードロック的なアプローチなのかもしれませんけど,ドラムの音が思いっきり左右に振られていたりして,やっぱりニューウェイヴ世代なんだなぁ・・・と思ってみたりもして。
 2曲目の“LEAVE Me”もハードロック系の音なんですけど,恒松正敏のスピード感のあるギターに音が最初からメチャカッコイイ曲です。ヴォーカルは少し言葉を投げつけるような感じはありますが,それでもきちんとメロディーがありますです。シャウトがバシバシ入ったり,非常にライブな感じでカッコイイです。曲的にはE.D.P.SのKeep On的な格好良さですかね。
 3曲目の“Shakin'Time”は最初から「抱いて,笑って,叫んで,Shakin'」なんていう恒松正敏らしい,単語のブツ切りを放り投げながらちょっとE.D.P.Sの時のツネマツマサトシを思い出しつつ,そこから更に高く舞い上がっていく音の固まりにやられてしまいましたです。
 4曲目の“Close”はちょっとバラード系のノリと言えばバラード系なんですけど,恒松正敏のギターが単なるバラード系になるのを許してくれるはずもなく,大きなリズムで弾かれるギターソロに心を捕まれたまま,ギターソロに身を委ねるしかないと思います(特に後半のリズム体はブレイクを決めまくる中をメロディアスなのにロケンロールなギターソロはぜひ聴いて欲しいですねぇ。)。
 5曲目の“Stone Cold”はちょっとタメの効いたドラムのリズムに前のめりのリズムをギターとベースが刻むダウナーなファンクの合間をホーンセクションが駆け抜け,サビの「Stone Cold!」っていうシャウトが決まっています。こういう曲もカッコイイですよね。というかこういう曲もしているとは夢にも思っていなかったのですけど。
 6曲目の“Lunatic Animal”はうって変わってパンキーな曲に仕上がっています。イントロの恒松正敏のザックリとしたカッティングだけでもうパンクを感じてしまいますです。そのシンプルなギターのリズムに厚みを持たせるベースラインを弾いている飼沼丞二のプレイはいいです。というかドラムは比較的シンプルなリズムを叩いているにですが,ベースがこれでもかって言うくらいドライヴしまくっているんですよ,本当にカッコイイです。
 7曲目の“ひとつ”は,大きなリズムの中で「ひとつが始まる,ひとつが終わる」と始まる,ちょっと不安定なヴォイスで歌われる(本当に歌うという言葉がふさわしい曲です。)曲です。リズム体は本当にシンプルながら大きなリズムを刻み,それにギターも本当にシンプルに歌物のバックとして弾いていますけど,こういう曲もいいですね。
 8曲目の“Pain in My Heart”はアコギのシンプルなカッティングにドラムとベースがバッキングする形で,ちょっとフォーキーな感じの曲です。一言で言えばヴォーカルを中心にしているアレンジのフォークロックな曲なんですけど,間奏のアコピの音とメロディーが本当にキレイです。恒松正敏も敢えてアコギのカッティングに徹して,少しアコギでのギターソロを弾いている程度なんですけど,アコギのカッティングにやたらと存在感があって,シンプルなんだけど,向かってくる音になっていますよ。
 9曲目はタイトルナンバーの“欲望のオブジェ”なんですけど,この曲はうって変わってハードロックなナンバーになっています。「欲望の青いオブジェ」が何を指すのかは私にははっきり言ってよく分からないのですが,全体的な歌詞が絵画的なので,画家の視線で書いた歌詞なのかなぁと思いつつ,昔から恒松正敏は歌詞よりもそれも含めた音の構築の仕方が好きなので,この曲も別に違和感はないですね。というか直接的な歌詞なら他にいくらでも(特に中川敬大先生とかな。)あるしなぁ。
 10曲目の“天使”はリバーブを掛けたアコギ1本で淡々と恒松正敏が淡々と歌う曲なんですけど,途中からフリーキーにドラムが入って,何となく頭脳警察みたいだなぁなんて思ったりして(そういえば,この曲の恒松正敏のヴォイスはPANTAっぽいぞ。)。そうこうしているとドラムだけでなくノイジーでフリーキーなギターが絡んできたりして,ラストに向けて徐々に壊れていく様もカッコイイです(でも,最後はコーラスだけでキレイに終わるんですけどね。)。
 ラストナンバーの“夜の旅へ”はイントロのティンパニーの音が鳴り響く中,重ためのリズムをアコギのカッティングが切り裂く中を恒松正敏のメロディアスなヴォーカルが言葉を紡いでいく曲ですが,逆回転風のギターソロや,コーラスを厚めに掛けたベースとか,一筋縄ではいかない音を作っています。リズム体がシンプルなリズムを刻む中をこれでもかって言う感じのギターソロが重厚感を醸し出しながらエンディングへ向かって突っ走っていきます。特にラスト1分の盛り上がりはこれでスタジオ録音?っていう感じなので,ライヴだと凄いことになるんだろうなと思いましたです。
 某評論家が恒松正敏はこのアルバムでも全く変わっていないと書いていましたが,変わるべき所(歌い方や曲の構成等)は変わり,変わらない物(表現欲求等)は変わらないと言った方が正解だと私は思いますけどね。しかし,そんな理屈はどうでもいいくらいカッコイイです。過去の恒松正敏(又はツネマツマサトシ)の音を知っている人も知らない人もできれば一度聴いてもらいたいなぁと私はそう思っていますけどね。

 そういえば今週はSOUL FLOWER UNION&MONONOKE SUMMITのライヴ辺野古っていうDVDが届いたのですが,まだ見ていない(週に2日も飲みに行けば当たり前ですね。)ので,早く見ないといけないなぁ。DVDと言えばHEATWAVEは「land of music "the Rising"」っていうDVD2枚,CD2枚,本1冊で1万2800円の限定1500部という踏み絵のようなボックスセットを出したのですが,基本的に音はland of musicなので,それに1万2800円はちょっと出せないなぁと思いつつ,個人的にはレコーディング風景等のDVDだけがバラ売りされたら欲しいなぁとは思っているのですが無理ですかねぇ。