ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

ゴールデン★ベスト/友川かずき


 パソコンのハードディスクの調子が悪いんですよね,そろそろ買い換えようかなぁと話していたのをたまたま聞きつけた上司が,家にある(というかWindows Vistaマシンに乗り換えたら要らなくなったそうな。)120GBのハードディスクをあげるよということで喜び勇んで(今,使っていたのは60GBだしね。)もらって,昨日から取り替え作業をしているのですが,ハードディスクのコピーに始まって,パーテーションの調整とかやっているのですが,昨日の昼からずっと作業をやっているにもかかわらず,目の前のディスプレイには「残り時間8時間」とか出ていて絶望的な気分になっています。が,とりあえず仕方がないので今回のブログは久しぶりにJORNADAで書いています。
 
 前回,高田渡について書いていたら,この際,今まで手を着けていなかった友川かずきにも手を着けてやれとばかりに友川かずきのベスト版を買ってしまったです。いや〜一言で言って「ハードコア・フォーク」というか,うん,凄いです。唯一無二です。
 1曲目の“生きてるって言ってみろ”からガシャガシャしたアコギのカッティングから始まり,秋田訛の少ししゃがれたボーカルが,吐き捨てるようにスピーカーのこっち側に言葉を投げつけてきます。「生きてるって言ってみろ」という言葉が全く陳腐になっていないのは本当にすごいです。
 2曲目の“似合った青春”は80年代初頭ごろのバンドサウンドに乗って,友川かずきの救い要のない言葉が投げつけられてきます。「似合った青春だよ」本当にね。
 3曲目の“歩道橋”は途中からモノローグのような曲中詩の朗読があるのですが,朗読までは割とおだやかに友川かずきが歌っていて,それまでの2曲とは全く別人なのですが,朗読に入ってからの壊れっぷりは凄いです。レコードでこのテンションなんだからライヴはとんでもないんだろうなぁと思ってしまいましたです。
 4曲目の“23歳の抵抗”は非常に現代詩っぽい歌詞で,言葉を叩きつけるように歌っています。歌詞にはあえて触れませんが,いいです。
 5曲目の“殺されたくないなら殺せ”は本当に友川かずきが優しい声で優しいメロディで歌っているのですがその歌詞が「殺されたくないなら,殺せ。殺したくないなら首くくれ。」だもんなぁ。どうしてこういう思考プロセスになるのか,私には理解できないのですが,逆に理解できないから惹かれてしまうんでしょうね。
 6曲目の“魂”は訥々と,時には感情をこぼれ出させながら友川かずきが歌っています。それだけで十分です。
 7曲目の“死にぞこないの唄はプログレっぽいアレンジで,フィドルの絡み方がものすごくかっこいい曲なんですが,それ以上に歌詞が負けていないというか,えぇグロですよね。どう読んでも。「機関銃をその顔に向けてズドンと撃ったなら,眼玉はどっちへ飛んでいくだろうな。」とかさ,そんな歌詞ばかり。でも友川かずきの絞り出すような声と唄に合っているので,これはこれでいいんだろうね。
 8曲目の“サーカス”は言わずとしれた中原中也の詞に曲をつけたものです。私自身も自分でこの詩を歌ってみたくて何とか曲を付けてみようと思いつつ,結局はできなかったんですけど,このサーカスはいいです。本当に。あの「ゆぁーん,ゆよーん,ゆやゆよん」のところをどうするのかと思っていたのですが,ここもいいんですよ。友川かずきの自然なシャウトのように聞こえるんですよね。この曲を聴くためだけにこのCDを買ったとしても,私的には十分価値がありますですね,
 9曲目の“臨終”も中原中也の詩に曲を付けたものですが,この曲も意識にせずに聴いていると,友川かずきの唄のように聞こえてしまうんですよね。それだけ,中原中也と一体化しているというか,すごいですね。
 10曲目の“汚れちまった悲しみに”は中原中也の有名な詩に曲を付けたものなんですけど,これがものすごくいいです。この曲も昔,私も曲を付けてみようとしたんですが,この言葉に拮抗することができる曲を付けられるはずもなく,断念してしまったのですが,友川かずきのこの曲ではすごいです。詩に拮抗しているどころではなく,初めからこの曲のために作られて,友川かずきに歌われているような錯覚を覚えてしまうぐらいです。
 11曲目の“トドを殺すな”はタイトルと中身のギャップが激しい曲です。「役に立てば善だってさ,役に立たなきゃ悪だってさ」,「トドを殺すな,俺達みんなトドだぜ,おい撃つなよ,おいおい俺を撃つなよ」だなんて凄すぎますです。俺達みんなトドなんだよなぁ。
 12曲目の“明るい夜”はバンドサウンドに乗って,淡々と友川かずきが歌う珍しい曲です。
 13曲目の“一切合財世も末だ”はライブバージョンなんですが,叩きつけるようにギターを弾いているのですが,やっぱりあんまり上手くないんですけど,感情の起伏に寄り添うようにかき鳴らされるギターには心を引かれてしまう私でした。ついでに多分トシ(ex:頭脳警察)がドラムを叩いていると思うのですが,トシのフリーキーなドラムと感情のまま弾かれる友川かずきのギターとのコンビネーションが素晴らしいです。
 14曲目の“彼が居た−そうだ!たこ八郎がいた”なんですが,今時,たこ八郎なんていっても知っている人の方が少ないんだろうなぁ。元プロボクサーでコメディアンであっという間に亡くなってしまった人です。ライブでたこ八郎との思い出を語った後にアコギとアコーディオンだけで歌っているんですけど,アコーディオンのフリーキーなオブリガードがいいです。しかし,ブラウン管のこちら側でしかたこ八郎見ていない私としては,この曲とたこ八郎本人が結びつかないのが少し残念ですね。
 15曲目の“ワルツ”はアコギとアコピの絡みが非常にきれいな曲です。それはともかくとしてサビの「生きても生きてもワルツ,死んでも死んでもワルツ,出会い出会いもワルツ,別れも別れもワルツ」という言葉と,この言葉を吐き捨てるように歌う友川かずきにどうしようもなく感動してしまったんですけどね。
 16曲目の“私の花”は永山則夫の詩に曲を付けたものですが,友川かずきにしてはめずらしくスリーフィンガーピッキングで静かに弾き,歌う曲なんですけど,それだけに最後の「私の花は黒い造花の花でした。」というどうしようもない絶望が際だっています。
 17曲目の“武装に足る言葉などないのだ”は友川かずきにしては珍しくさわやかなメロディーラインの曲なんですけど,やっぱり歌詞はドロドロでした。でもこういう曲も好きですけどね。
 ラストナンバーの“夜へ急ぐ人ちあきなおみに捧ぐ)”は友川かずきの叩きつけるようなギターカッティングと叩きつけるようなヴォーカルかよいのですが,ちょっと演歌っぽいところもあるかなぁとは思うのですが,なぜに「ちあきなおみ」なのかが分からない私は駄目なんでしょうかね。

 しかしだなぁ,ここまでブログを打ったところで,目の前のディスプレイには作業残り時間6時間55分って出ていますです。先週は友川かずきをしっかり聞き込んでブログを書こうと思っていたのでTHE STALINのSTOP JAP NAKEDが届いたにも関わらずリッピングもしてなきゃ,MUVOへの転送もしてないんですよね。いい加減にパーテーション処理が終わらないかな〜?