ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

加川良ライブ中津川フォークジャンボリー'71/加川良


 10月も中盤になって,やっと涼しくなって過ごしやすくなったですね。とはいえ,まだTシャツ1枚で寒くないくらいなので,まだまだ秋は遠いかな?という感じですかね。仕事の方も何とか先が見えてきた(と言いながら,先週も家に着いたら11時前が連日でしたが。)ので,もう一頑張りかなぁ・・・と思っています。

 で,暑い夏はハードなパンクやロケンロールを聴いてアドレナリンをドバドバ放出しないとやってらんないので,毎日,そういう音楽を聴いていましたが,涼しくなると,ちょっとアコースティックな奴もいいなというわけで,今回は1979年に今はなきSMSレコードから発売された加川良さんの中津川フォークジャンボリーのライブアルバムを紹介したいと思います。
 で,URCレコード関係はエイベックスから再発され(これはこれで驚きましたが)ましたが,なぜかこのアルバムを含む幻のフォークライブ傑作集は再発されず(多分,権利関係が難しかったのではないかと思いますが。),今では本当に幻の音源になっているのではないかと思います。実際,1980年ころにURCレコード関係のレコードを買い漁るような物好きはそんなにいなかっただろうしね。
 で,加川良さんなんですけど,友部正人さんウルトラリスペクトな私ですが,実はURCレコード関係にはまったのは加川良さんのおかげなんですよね。私が加川良さんの言葉にはまったのは,70年代の歌本を買ってペラペラと見ていたとき,教訓1(本当は1はローマ数字なんですけど,文字化け対策として算用数字で記載しています。)の「勇気を出して男になれと,言われたときには振るえましょうよね。そうよ私は女で結構,女の腐ったのでかまいませんよ。」という歌詞は当時の私(校内暴力吹き荒れる中で日々学校生活を送っていた)にとっては非常にポジティブに感じて,SMSレコードから再発されると知ったとき,速攻で“教訓”を購入し,ギターで必死にコピーしたもんでした。
 で“教訓”もいいなぁと思いつつ,やはりレアアイテムの“中津川フォークジャンボリー71”の方を紹介したいと思います(ちなみに中津川フォークジャンボリーが何なのか分からない人はググってみれば,沢山引っかかるとおもいますので,そちらでお願いします。)。その前提として,当然,私が持っているのはアナログ盤なのですが,1曲目から5曲目までがSideAでバンド編成(ただし,3曲目はのぞく。),6曲目から10曲目までがSideBで弾き語りになっていますです(SideAの冒頭で「昨日は一人で歌いましたので。」と言っているので,順番としては逆のようです。)。
 まず1曲目の“姫松園”ですが,これがまた1曲目からずごいんですよ,加川良さんの皮肉全開で。思いっきりフォークジャンボリー批判で「ここには歌もない,夢も拾えない,あまりに人が多すぎる,いくらもうかった?」とか「自由,平和を見に,ここまでやってきて,そして見られたものは,タレント芸能人」ときて,「早く帰ろう,あのアパートへ,早く帰ろう,あの四畳半」と締めてくれて,加川良さんのヴォイスもパワフルで全然バンドに負けていないです。しかし,この歌詞は今の時代でも十分通用するのではないかと思います。
 2曲目は,加川良の曲ではかなり有名な“教訓1”ですが,アルバムではアコギ1本で演っていますが,ここではバンドアレンジで伸び伸びと加川良さんが歌っています。ドラムのちょっと跳ねたビートがこの歌をなぜかウキウキとした気分にさせるのが不思議ですね。
 3曲目の“僕とボビー・マギー(ME AND BOBBY MCGEE)”はゲストの中川五郎さんの歌で,アメリカのフォークソングの訳詞なんですけど,中川五郎さんのちょっとかすれがちな声と歌詞がよくあっていてよいです。「自由っていうのは失うものが何にもない事さ。いい気持ちになるのは簡単な事。ボビーがブルース歌えば,それだけで俺達ゃ御機嫌」とか,「ボビーがいつもそばにいた昨日のためなら,俺の明日をみんなあげてもいい。」とか,私的には泣ける歌詞のオンパレードです。自由っていうのは失う事が何もないこと」なんですよね。だから,その後の尾崎某の様に「自由っていったい何だい?」と馬鹿みたいにシャウトする歌詞に私は拒絶反応を示したんでしょうね。
 4曲目の“求めます”は元々レコードでもバンドアレンジでやっていて,この歌がいいんですよね。いきなり「女というのはウソツキでシャベリでバカだとだれかが言ってたよ。」と始まって,おっ当時のウーマン・リブへの皮肉の歌かと思いきや,最後に「たった一人,僕は女の見方です。だから僕のお嫁さんになってくださいな。」と終わる,めちゃキュートなナンバーになっています。こんな曲を70年代初頭にやっていたなんてすごいです。
 5曲目の“お前と俺”は何にもできないお前さん達と,何にもできない俺たちじゃ,何にもできやしないけど,でも何かありそうさという,非常にパンキーなナンバーです。しかし,このSideAでしか“姫松園”と“お前と俺”は聴くことができないので,よく考えると非常にレアな音源なんだなぁと改めて思ってしまったです。
 6曲目の“ウサギとカメ”は童謡の「もしもしかめよ,かめさんよ」の歌なんですけど,2コーラスは全てのフレーズの終わりを「どうしてこんなにいい気持ち」にして歌っていますです。結構,このころの野外コンサートなんて殺伐とした感じ(実際,中川五郎さんが歌った後には「帰れ!」っていうヤジが入っているし。)なのにこんな歌をひょうひょうと歌ってしまえるのは凄いな・・・とつくづく思ってしまったです。
 7曲目の“木枯らしエレジー”は西岡たかしさん(五つの赤い風船)の曲なんですけど,この曲がすごいんですよ。コードは2つしか使っていないのに,ハードなギターストロークでグイグイ引っ張りながらの加川良さんのシャウトがカッコイイです。歌詞もいきなり「屋台じゃ焼きそば20円,焼酎が25円で,靴は水のしたたるもんさ,シャツとはボタンの取れるものさ。」で始まって「この世じゃ思いのままならぬ,あの世じゃなおならぬ。ツメをしゃぶって酒を飲んで,横目でにらんでツバを吐いて」だなんて,最高というか,物価の違い(あと多分,この歌の舞台がいわゆるドヤであること)を除いても今でも十分通用するというか,今の自分の胸にすごく染みいってしまうんですよね。「こがらしの街に,今も昔も」。
 8曲目の“教訓3”は“教訓1”と変わって,アコギと岩井宏さんのバンジョーでやっている以外は歌詞とかは変わっていませんです。なぜに3なのかは分かりませんが,この曲はやっぱいいですよね。「死んで神様だと言われるよりも,生きてバカだと言われましょうヨネ」とか,本当にそのとおりですよ。
 9曲目の“戦争しましょう”も有名な曲ですが,淡々と弾き語る加川良の歌声に引きずり込まれてしまいますです。非常に強烈な皮肉に包まれた逆説的な歌で(そんなことはタイトルを見れば分かると思いますけど。),最後に「日本国民,政府の皆様,あなたの夫や子供や親の死を犬死にさせないためにも今こそ立ち上がるときです。今すぐ戦争の用意をしましょう,今すぐアメリカを攻めましょう,戦闘開始いたしましょう,そして,そして勝ちましょう。」というラストの歌詞を振り絞るように歌う加川良さんはものすごくカッコイイです。
 最後の曲は“伝道”という,私のものすごく好きな歌で終わります。歌詞を全部書くと,多分,著作権的に問題があるのでしょうが,短い歌詞なので,あえて全部乗せます。どうせこんなブログを見ている人は少ないでしょうし,何か言われたらそのときに一部削除すればいいや。「悲しいときにゃ悲しみなさい。気にすることじゃありません。あなたの大事な命にかかわることもあるまいし。そうですそれが人生でしょう,気にすることじゃありません。生まれて死ぬまでつきまとうのは悩みというものだけなのですよ。」。たったこれだけの歌詞を繰り返し,繰り返しアコギ1本だけで歌うんですけど,いいんですよ,これが。初めて聴いた14のころから今,こうやって聴いていてもちっとも色あせないというか,私が成長していないというのか,でも多分,普遍的な歌なんだろう(少なくとも私にとって)と思っています。

 で,話は変わるんですけど,私にも久しぶりに笑えるスパムメールが届きましたです。どうもググってみたら“磯山美那子”っていう結構有名なスパムでした。
 捨てアドに届いたのでちょっと遊んでから速攻で迷惑メールに指定させていただきました。皆様も捨てアドに届いたらかまってみるのも面白いかもね(あくまでも自己責任で・・・)。