手に物を持って歩くのが好きではないので,基本的にディバッグが大好きなので,雨男につきいつも持ち歩いている傘も折りたたみ傘を愛用しているわけですが,ユニクロの安いのを使っているせいか,なぜか半年ぐらいで骨が折れてしまうんですよね。今週もとうとう傘の骨が逝ってしまいましたので,やむなく,買い換えましたが,よく考えたら500円の傘なので,1か月に100円のコストと考えれば,そう腹も立たないというか・・・
で,ついでに先週,仕事以外で愛用している眼鏡のつる部分のバネが効かなくなったので,眼鏡屋にもって行ったところ,メーカーにパーツがあるか確認しますとのことだったのですが,結局は在庫がなかったみたいで,どうしようかなぁと思っていますが,まぁ,調整だけしてもらって,ぼちぼち使いましょうかね。バネが効かなくても特に支障はないので。と書きながら,つるを外して,バネが効かなくても同じような角度にしようと思って作業をしていたら,ドライバーの先でレンズをちょっと傷つけてしまった・・・まぁ見るのにはそんなに支障がないので,このまま放置しておくことにしよう。
で,先週,宣言したとおり,今回からTHE GROOVERS再発勝手にタイアップ企画で,今まで紹介していないTHE GROOVERSのアルバムを紹介したいと思いますです。まず,4人組時代の初期THE GROOVERSの2枚目(1枚目の“Maximum Kiss”は既に紹介しているので),1990年に発売された“ROCK'N'ROLL 90”を紹介したいと思います。個人的には初期THE GROOVERSの名盤だと私は思っているのですが,時代背景(反原発や天安門事件)をベースにしたかなりPUNKよりのサウンドになっています。
1曲目の“HEAVY BABY”は,藤井一彦のザックリとしたギターから始まり,西村茂樹のシャウトから始まる軽快なロケンロールナンバーで,これのP.Vも見たことがあるのですが,西村茂樹が派手に踊りながら歌っているのが印象的でした。「本当のことだけを君に求めたい。抵抗を続けるよ,手遅れになる前に」っていうサビのシャウトはまさしくあの時代の叫びだと思いますです。
2曲目の“ROCK'N'ROLL 89”は藤井一彦のハードなリフがカッコイイハードナンバーです。歌詞はモロに天安門事件をテレビの前で見ていた俺という曲です。「逢いも奇跡も踏みにじられた。日曜日にはTVの中で」という日本であの事件を見ていたときの何ともいえない焦燥感というか,何もできないもどかしさとかを思い出せる曲です。
3曲目の“BLOODSOCKER BLUES”はBULUSって曲目に付いているのに,全然BLUESでない曲です。藤井ヤスチカのタムを多用した快速ロケンロールナンバーで,藤井ヤスチカのドラムがめちゃ格好良くフィーチャーされている曲です。やっぱヤスチカのドラムはいいです。
4曲目の“CURVES LAND”は口笛の音から始まる,スローなバラードというかブルーズというか,そんなラヴソングです。「世界中が工事中であの娘のところにたどり着けない。そこら中を掘り返して,誰のために渋滞起こすの。俺からあの娘を奪わないで。世界中の誰だって。俺からあの娘を奪わないで。世界中の誰だって邪魔をするな。」っていう歌詞は西村茂樹らしいと思いますです。しかし,この曲の後半はいきなりタメの効いたリズムになって,スクラッチとか入ってくるのには驚いたです。まぁ,当時,ハウス・ヒップホップ系が流行りだしていたころなので,GROOVERSの名のとおり,その手のリズムを取り込んでみたということなんでしょうね。
5曲目の“STATE VIOLENCE”はこの国に対する西村茂樹なりの感想を歌った,藤井一彦のハードなギターと高橋ボブのブイブイのベースがカッコイイナンバーです。「嫌いじゃないが好きでもねえな,柔らかい壁。」と歌われるこの中途半端さが日本なんでしょうかね。
6曲目の“MY HOUSE”は西村茂樹の語呂合わせの歌詞が光るヒップホップを意識したナンバーです。だって,Yeah!と家を掛けているんですよね。聴いているだけだとYeah!だと思っていたのに,歌詞カードを読むと家って書いてあって,その落差にビックリしたものです。
7曲目の“凍った河の流れのように”藤井一彦がボーカルを取る一彦節全開のロケンロールナンバーです。テーマはバブルと天安門事件です。「俺にも教えてくれ,金儲けに世渡り。バラまいたりもみ消したり,得意だろ。戦車が踏みつぶしたぜ自由を。夜明け前,血を流すブラウン管。」とか一彦のPUNKなシャウトがイカスナンバーです。この変から現在のTHE GROOVERSの下地ができていたのかも。
8曲目の“COMMUNICATION MELTDOWN”反原発がテーマのスピィーディーなロケンロールナンバーです。「壊れた,漏れた,止まった。俺たちのいないところで起こり,決まる。言う権利と知る権利と生きる権利はどこだ。」と叫びつつ,「毎日,毎晩,あの娘のことだけを考えたい」という社会と個人のアンビバレンツな歌詞がたまらないですね。カッコイイ!
9曲目の“愛する権利”はちょっと抑え気味のロッカバラードで,歌詞を書くと陳腐になってしまうので,ぜひ再発のこの機会に聴いてほしい名曲ですね。で,この曲では一彦の泣きのギターが思いっきり入っていて,本当,歌にきちんと寄り添うギターを弾かせると,本当に上手いよな〜っと思ってしまいましたです。
10曲目の“地上”は荘厳さすら感じるミディアムテンポのロケンロールナンバーで,この曲の圧巻はうつみようこのコーラスでしょうね。当時,あんまりメスカリンドライブには興味がなかったのですが,この曲でうつみようこのコーラスを聴いて,そのパワフルさ,声質にやられてしまい,メスカリンドライブも聴くようになったんですよね。THE GROOVERSファンだけでなく,うつみようこファンの人にもぜひ聴いて欲しいです。
で,ラストナンバーの“ROCK'N'ROLL 90”はハードな“ROCK'N'ROLL 89”と打って変わって,キーボードのチープな音にハンドクラップが入り,レゲエっぽいリズムでリズムマシンっぽいドラムの音に乗った,西村茂樹の「ロケンロールが世界を救う!」宣言的な歌です。「TVじゃない,新聞じゃない。ニューズを蹴飛ばせロックンロール。政府じゃないSAFEじゃない,メディアを蹴飛ばせロックンロール。」で始まるものすごく格好良い曲なのですが,私的に一番好きなフレーズは「右じゃない,左じゃない,西じゃない,東じゃない,赤じゃない,白,黒じゃない,俺であり,そして君である。」というところで,思想じゃないんだよ,目の前にいるあんたなんじゃないの?という西村茂樹の問いかけがストレートに伝わってきます。ラストの少年少女合唱団のコーラスも可愛くて良いです。
で,約17年前のこのCDのインナーとか見て,西村茂樹も,藤井一彦も,高橋ボブも,藤井ヤスチカも今と違って思いっきり若いというか,なんというか・・・いや〜年月の経過を感じてしまったです。
まぁ,こっちも同じように年は取っているわけですけどね。
実は4人組の初期のTHE GROOVERSの3枚目でラストアルバムの“No18”はもう紹介しているので,次回からは3人組のTHE GROOVERSを思いっきり語りたいと思いますです,はい。