ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

飢餓々々帰郷(DISC2)/遠藤ミチロウ


 しかし,あっという間に3月になってしまったな。ちっとも寒くなかった冬だったけど,段々と暖かくなるのを感じると嬉しくなるな,灯油を毎週買わなくてもいいとか。実際,この冬は灯油が高くて,18リットルが平均1300円もしたもんなぁ。週に1回買うとして,5200円だもんな,CDが2枚買えちゃうよね(それか,酒を飲んでるかだな。)。
 しかし,最近は季節の変わり目に出なかった鼻炎が一昨日から出てきて,仕方ないので漢方系の鼻炎止めを飲んでいますが,やっぱ鼻炎止めを飲むと体が重いというか眠たくなるというか,う〜ん,早く治らないかなぁ。疲れている時にも出たりするので,ちょっと疲れているのかもしれないしね。
 
 などという愚痴はさておいて,今回も遠藤ミチロウBOXからDISC 2の話をさっさと始めるとしますかね。
 DISC 2 はTHE STALIN解散後からSTALIN解散までの音源です。
 まず,1曲目の“.オデッセイ・1985・SEX”はTHE STALIN解散後のミチロウのプロジェクトでグロテスク・ニュー・ポップの頭文字を取って,G.N.Pとか言って,Michiro,Get the Help!名義で出された物ですね。2か月おきに12インチシングルを3枚立て続けに出すという,非常にじらされるやり方でしたけど,何より驚いたのは,音がメチャクチャファンキーだったことと,歌詞がメチャクチャ多い!ということでした。だって「天プラ,オマエだ,カラッポ」だけからいきなり歌詞カード一杯(当然12インチシングルだから歌詞カードは30センチ四方です。)に歌詞が書いてあるんだもん。すげえよ(というか,この後,言葉がなくなったので「破産」というアルバムをパラノイアスター名義で出すというオチもあったけど。)。で,「オレの言葉はただのセックス,言ってすませる正しいセックス」っていう素晴らしい歌詞の曲を日曜の昼下がりに野外ライブの際に大音量で流したことを思いだしてしまいました。
 2曲目の“.アフリカの発見”はMichiro,Get the Help!の2枚目「アメユジュトテチテケンジャ」に入っているこれも思いっきりファンキーなナンバーです。歌詞はなんかよく分からんですけど,まぁいいです。個人的にはタイトルチューンの“アメユジュトテチテケンジャ”が好きなので,これも入れて欲しかったところですが,今度レコードからCDに焼き直して別の機会に語ることにしましょうかね。
 3曲目の“.オデッセイ・1985・SEX・FIN”はMichiro,Get the Help!の3枚目にしてラストの「GET THE HELP!」のラストナンバーで1曲目のアンサーソングで,どちらかというと,ドラムマシンのタイトなリズムでミチロウの言葉が垂れ流されるだけなんですけど,ところどころ笑えるところもあったりして,個人的には好きなナンバーです。最後の方でことわざとかにただSEXって付けたものを連呼するところもスゴイ好きですね。ギャグなのかマジなのか分からないんですけど,この言語感覚には勝てないというか。うん,すごいです,聴くしかないですよ。
 4曲目の“.Sha.La.La”はビデオリリースをメインに活動を始めたVIDEO-STALINの唯一のアルバム「MINUS ONE」のラストナンバーでミチロウ流のラブソングで,ちょっとポップな感じの曲です。VIDEO-STALINはドラムとベースが女の娘だったので,こういう曲のサビに女の娘のコーラスが入るといいですね。というか,VIDEO-STALINではこんな感じを狙っていたのかなとも思ってみたりして。
 5曲目の“誰だ!”からSTALINになり,これは1stの「JOY」の1曲目の曲です。STALIN名義で復活(THE抜きだけど)するということで私もレコードを買ったですよ。イントロのアルペジオっぽいギターにベースが絡むところから,THE STALINとは別物なんだなぁ・・・って思っていたら,急にドラムの連打からいきなりテンポアップして,ハードロックとパンクの中間的な(昔はヘヴィメタを下手に演るとパンクになるとかいわれたけどさ)音で最後まで突っ走るミチロウがカッコイイです。「いくつになってもかまわない。責任なんて持てない」っていうサビの歌詞は私のことですか?っていうくらいハマッています。
 6曲目の“インターナショナル”も「JOY」からのナンバーですね。これはファンキーなベースにミチロウのアナウンサーのような語りがタマランですね。しかし,こういう音を聞いていると,私的にはSTALINはミチロウが1つのバンドで縦ノリから横ノリまで全てできることを目指して結成して作ったバンドなのかな?と思ってしまいましたです。「天気にいい日は喜んで,オマエの頭を踏みつぶせ!」でございますですよ。
 7曲目の“ASK THE ANGELS”は初めて聴くのですが,パティ・スミスのカヴァーということですが,原曲を知らないので何とも言えないのですが,英詩のところの歌い回しが洋楽っぽいなと思いましたが,アコギのキレイな音と対照的なミチロウのダウナーな歌い方の落差がいいですね。
 8曲目の“石のような雪が降る”から実はあんまり聴いたことがない曲ばかりで何なんですけど,この曲は7曲目との落差がありまくりで,ドラムとベースが踊りまくる中をミチロウがひたすらシャウトしているナンバーでカッコイイです。
 9曲目の“PRAGUE(プラハ)”はポリスっぽい感じのタイトなドラムとベース,ソリッドなギターのカッティングと吐き捨てるようなミチロウのヴォーカルが非常にマッチしたカッコイイ曲です。「幻想は自由,アタマは妄想。」のフレーズもいいです。
 10曲目の“1.2.3.4. ペレストロイカ”も初めて聴いたのですが,かなりパンキッシュなナンバーでカッコイイです。タイトルどおり当事はソ連の崩壊とかいろいろあったんですよね。でも歌詞は深刻なものじゃなくてむしろコミカルですので,それが救いかもしれませんです。
 11曲目の“日曜日は遊ばない”もミディアムテンポでミチロウがささやくように歌うラヴソングです。なんというかミチロウのラヴソングは間接的な言葉を紡いで想いを聞き手にイメージさせるような歌詞で,そんなところが好きなんですけどね。この曲でも「乾いた口唇のすき間,溶けた想いが流れ出す。時間はいつも止まったままでいるのさ。」とか「じっとこのまま壊れていっても,キミがいれば終わっていいんだ。」とか,私的にはたまらん歌詞でございます。
 12曲目の“エゴイスト”は打って変わってハードロックなナンバーでカッコイイです。グイグイ押してくるバンドの音に負けないミチロウのシャウトが最高です。「他人のことなど,そうさかまっちゃいられない。腐ったリンゴはこっそりすり替える。どうせ役にも立たない,下手な理屈をこねまわす」ってなところはマスゴミ批判ですか?って思ったりして。
 12曲目の“原爆肺”はなんて刺激的なタイトルなんだろうと思ったんですけど,イントロの打ち込み系のキーボードの音にハードロックな音が乗っかり,胸がちぎれそうな苛立ちを「肺の中で原子爆弾が破裂しているようだ」と表現しているのですね。たたみ込むようなバックの音にミチロウの言葉の連打に気持ちよくやられてしまったです。「立っているのがせいいっぱい。でも,気付いたときにゃ,嫌な現実ばかりだ」だなんて今でも十分通用しますよ,ミチロウ。
 で,今回のDISCのラストの曲は“インディアン・ムーン”という曲で,もちろん初めて聴いたのですけど,ミディアムテンポのイントロのギターリフからカッコイイというよりキレイで引き込まれる感じの曲です。ミチロウの淡々とした歌い方もむしろメロディを強調していてよいです。ラストの「最後はここに,もう一度帰ろう。帰ろう帰ろうと風が騒ぐ。耳元で風がささやく,帰ろう帰ろう・・・」っていうところは本当に胸に染み入りますです。ぜひ遠藤ミチロウ=スキャンダラスなパンクとか,戦略的な音楽家というイメージしか持っていない人には聴いて,ミチロウ観を変えてほしいなと思います(もちろん今のソロも聴いている人には自明の理なんだろうけど。)。

 で,話は極端に変わるのですが,岡村靖幸がやっと出所(仮出所か?)したらしいです。しかも,3月18日には東京環境会議のライヴに出るらしい。・・・これまでの復活よりも早いぞ,やっぱり刑務所に入って反省したのか(それとも刑務所の規則正しい抑圧された生活で自由に音楽を演ることに餓えてしまったからなのか?)・・・そんなことはどっちでもいいです。岡村ちゃんが帰ってきて,少しでも早く音楽活動を初めて,また素敵な音源を届けてくれれば,それだけでいいです。なんならインディーズ(というよりも個人レコード会社。CD-Rが1枚3000円でも買うさぁ〜)というやり方もあるしね。
 本当,頑張ってほしいです。覚せい剤再犯率の高さについては知っているけど,岡村ちゃんを待っているみんながいるので,本当に。