ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

land of music/HEATWAVE


 酔っぱらっている間に,あっという間に正月休みも終わってしまって,4日から仕事始めだったのですが,年末年始で冷え切った職場が全然暖かくならない!なんでだろうと思っていたら,とうとう職場の暖房設備が全てクラッシュしてしまったらしい。職場は現在,新しいオフィスへの移転待ちということでプレハブ暮らしなのですが,この寒い時期に暖房もなく,どうするのかと思っていたら,何とか昨日,ストーブとかをレンタルしてくれたみたいですけど,はっきり言って,この2日間は寒くて仕事になりませんでしたね。で,調達してくれたストーブも家庭用の上で餅が焼けるような奴ではっきり言って,あんまり期待ができそうにないもので,今日はユニクロでフリースのフルジップを安売りしていたので,早速買いに行ったですよ(しかし,ストーブの自動点火装置が壊れていて,結局,着火用のライターみたいな奴を100円ショップで自己調達したという,なかなかなさけない事実もあったりもする。)。
 それはそうと,仕事始めは職場で寒い中みんなで,また飲酒行為に励んだのですが,ちょっと空きっ腹で飲んだせいか,途中の記憶が飛んでいるんですけど・・・まぁ,翌日,みんなに聞いたらそんなに壊れていなかったということなので,まぁいいにしておこう。しかし,翌日は寒さと二日酔いのダブルパンチでヨレヨレでしたけどね。

 というわけで,新春一発目は1月24日にリリースされるけれど,先行投資をしたファンには昨年末に届けられたHEATWAVEの新作を御紹介したいと思います。
 全体的な感想としては多分,今回のアルバムは賛否両論だろうと思う(実際,2ちゃんのHEATWAVEのスレでも意見が分かれていたようですし。)のですが,私的には「こういうHEATWAVEもあり,というか今の山口洋はこういうのをやりたいんだろうな」というところが正直な感想ですかね。実際,Strike Backシリーズの時から,音的にはアコースティックな感じで,リズム(というかドラム)があまり強くない感じだったことや,ソウルフラワー・モノノケ・サミットのアルバムが出たとき,ユニオンよりもモノノケが好きだというような感じの発言をしていたことから,こういう感じになることはある程度予想はしていた(が,全曲そういった感じで来るとは思っていませんでしたけれど。)ので,私的にはヘヴィー・ローテーションで聴いています。
 トータルな印象としては,歩く(または自転車)速度にピッタリのロケンロールという感じですかね。私的にはフルボリュームで,自動車をかっ飛ばすときに聴きたい音はTHE GROOVERSやTHE LOODSが今はあるしね。実際,通勤の際に歩きながら聴いていますが,歩く速さと今回のアルバムの質感が非常にマッチするので,ほぼ毎日,歩いているときには聴いていますかね。
 では,個別の曲の感想ですが,まず1曲目の“ガールフレンド”はシンセのS.Eっぽい音にアコギのカッティングが入り,そこにうねるようなベースラインとリムショットがメインのドラムが入る曲で,山口洋の「Yes,Yes,Yes・・・」とこの世界の全てを受け入れて,日々を生きていくのさという思いが伝わる私的には好きな曲です。確かにパンクの約束事としては「全てにNo!を突きつけろ」ということがあると思うのですが,さすがに40歳にもなってそんなことは言えるはずもなく,どうしようもない毎日に折り合いを付けながら生きていく,それが「生活」というものであるならば,それを受け入れた上でなおかつ希望というか自分が生きていくために本当に必要なものを胸に抱いて生きていくということなんだろうなと,「40にして惑いっぱなし」になるであろう私は思いますです。
 2曲目の“カリフォルニア”は,なぜにカリフォルニアなのか私にはよく分からないのですが,それはともかくこれもディストーションのかかていないエレキの音にベースとドラムが静かに絡み,リズムで引っ張るというよりもボーカルの盛り上げで引っ張るという感じですかね。冬の寒い朝に聴くと非常に気持ちのよい曲ですね。両手をポケットに突っ込んで,くわえタバコで駅までの道のりを歩くのに本当にピッタリの曲というか。しかし「男達の肋骨も,女達の美しい鎖骨も,きっとみんな自由になるさ」という歌詞が唐突に出てきたりして,この詩をどう解釈すればよいのかちょっと私には今のところ分からないですが,そのうち感じることができるのかな。それから「波のように自由で,風のようにひとりで。漂ってゆくひとり,抗ってゆくひかり」というフレーズは非常にお気に入りです。
 3曲目の“遠い声”はゆれの大きなコーラス(かな?)をかけたギターとハモンドっぽいキーボードとの絡みや,うねるようなベースラインが気持ちいいですね。テーマとしては都会に出てきて仕事をしているけど,日々の暮らしに疲れている奴のことだろうと思うんですけど,なぜに「遠い声」なのか,遠い声は誰の声なのか,そこは聴く人間の思うままなんでしょうけどね。ハピネスの続編っぽいイメージというか。しかし,エンディング近くで唐突に「ホイッ」とか入れるのは反則でないかい?ちょっと笑ってしまったですよ。
 4曲目の“PRAYER ON THE HILL”はイントロのベースラインとタイトなドラム,アコギの綺麗なカッティングが素敵な,ちょっと早め(このアルバムでは)のナンバーです。「金も,病も,痛みも,苦しみも,愛も,すべて詰め込んで,この人生にイエスと応えるためのエネルギーを」というところはこのアルバムの多分共通テーマになっている(と私は思っている)「ここまで生きてきた40歳のロケンロールの在り方」を山口洋なりに表現したものだと思うんですけどね。
 5曲目の“フールとクール〜ballad of middle age”は,すでにStrikes Backのときに語ったのであまり語りませんけど,曲そのものはトライアルバージョンからそんなに変わっていないなぁ・・・という感じを受けたのですが,アルバム全体では,この曲順でここにこの曲が入る必然性を感じてしまいましたけどね。そもそも折り返し地点(というか,多分,レコードだったらA面ラストだと思う)で「中年のバラード」(by渡辺圭一)が入るのは必然でしょう。
 6曲目の“WILD IN THE STREET”は最初,マンドリンの軽快な音から4分打ちで始まったと思ったら,多分,このアルバムで一番軽快なイメージの曲になっています。カントリーっぽい音使いがどうしようもない内容の歌詞を明るく盛り上げているところがいいですよね。やっぱりこの曲でも「そして冴えない人生にイエスと応えるエネルギーを取り戻すのさ」という歌詞が入っています。そうそう,山口洋の裏打ちのブルース・ハープもカッコイイです。
 7曲目の“エスポアール”はザックリとしたアコギのカッティングと,ちょっと大きめのビートが気持ちいい曲です。「ありがとう,I Love You,支えているのはあの日の言葉,I Love You」というところが泣かせますね。心が弱ったとき,誰かに愛されている(愛されていた)ということが一番の支えになることは自明の理だもんなぁ。
 8曲目の“TOWER OF SILENCE”はアコギの綺麗なアルペジオから始まる,ちょっと重ための曲というよりも,ちょっとずつ沈み込んでいくような感じかな?私的には。山口洋のヴォーカルもつぶやき系(まぁ,このアルバム全体の印象としてシャウトはほとんどなくて,つぶやき系のヴォーカルが多いように思うんだけど。)で,アコギ1本でも十分格好良いのではないかと思いますけどね。アレンジ的には70年代初頭って感じですかね,フォーク・ロックというか。
 9曲目の“フリージア”は,THE GROOVERSの同名曲が思い切りロケンロールなのとは対照的に,アコギのカッティングから始まり,ちょっと浮遊感のあるベースラインが大きめのリズムを刻み,ドラムがリズムのフロントに立っている,控えめなロケンロールにながらも前向きな内容の歌詞になっています。「破壊されたのは夢じゃない。」という1フレーズがものすごく心に染みる曲です。細海魚のキーボードも控えめながら味のある音を聞かせてくれています。
 ラストナンバーの“出発の歌”はアイリッシュっぽい曲で,アコーディオンの音が非常に気持ちいいです。なんか,送別会のときに親しかった同僚に歌ってあげたい歌ですね。特に「生まれた街を遠く離れ,今日もねじれた世界をゆく。ひかりに焦がれてきたのなら,何ひとつ悔いることはない。」という冒頭の歌詞はいいですよね。いろいろあったけれど何ひとつ悔いることはないんだと言って,新しい旅路に送り出してやりたいですよね。やっぱり。多分,アコギ1本で歌っても様になるだろうしな。

 というわけで,私的な感想を書きましたが,ちょっと感動したのは,先行予約に賛同した人についてはアルバムのブックレットに名前が入ることになっていたのですが,きちんと私の名前が入っていたのにはやっぱり感動しましたね。
 しかし,ちょっと残念だったのが,THE GROOVERSの方は予約特典サイトとか,特別CDのオマケとか出資者をその気にさせるものがあったのですが,HEATWAVEは発売前に宅配とポストカード2枚と山口洋からのメッセージペーパーだけだったので,先にTHE GROOVERSで先行予約を経験したものとしては寂しかったかな?という感じがしたですね。
 まぁ,山口洋が1人で全国津々浦々を回っていたので,そんなことをする時間的な余裕はなかったのでしょうし,実際にライヴは見に行ったので,あまり文句を言える筋合いではないんですけどね。