ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

滅びゆく時代へのレクイエム/AUTO-MOD

 
 しかし,先週から諸般の事情により(といっても目的は明白ではあるが・・・)昼飯をカロリーメイト1箱のみにしているのだけど,これが思ったよりも苦にならないので,自分でもびっくりしていますです。まぁ,基本的にあればあるだけ食べるし,なければないで構わないという人間なので,なければないという状況でも特に問題はないということで。しかし,昼飯代の小銭の心配をしたり(職場で弁当を注文するときはやっぱり大きな金は出せないしな。)する必要はないし,そもそも安上がりなので財布にも優しいし,言うことはないなという感じですかね。もっと早くこうしていればよかったかしら。

 で,先週,あざらしのアザラシイズムをいぬん堂で買おうかとか書いていたのですが,その後,結局速攻で購入しましたです。昨日,発送メールが届いたので,そろそろ届くのではないかと思っていますけど。
 というわけで,今週は何気に最近よくブログを楽しく読ませてもらっているジュネ率いるAUTO-MODのアルバムを紹介したいと思います。というか,このアルバムは私が高校の修学旅行で東京へ行った時,渋谷109の中のディスクユニオンで買ったものの1つで,AUTO-MODの1stアルバムですので,今を去ること20年前のものになるんですかね。で,このアルバムはテレグラフレコードからの発売で,当然,地方都市では買うことができずに宝島を悶々と眺めながら,手にはいることがあればと思っていたら,すんなり修学旅行の機会に入手できてしまって驚いた記憶があります。このアルバムはイラストのジャケットにひらがなで「れくいえむ」と書いてあったので,ずっとアルバムタイトルを「れくいえむ」だと思っていたのですが,レコードのインナーには「滅びゆく時代へのレクイエム」とあるので,こっちが正しいのだろうということで今回はこちらを掲載しました。で,ついでにAmazonで見てみたら廃盤なのは当然なのですが,再発CDが1万円近い値段(というか9800円が最安値)なんで,どういうことなの?と思ってしまったです。それならテレグラフ発売のこのレコードは売りに出したらもっと値が出るのでは?と貧乏くさいことも考えてしまいましたが,手放すつもりは全くないのでつまらない妄想はやめておくことにしました。
 まずは1曲目の“乾いた夜”ですけど,開始ブザーの音共に私好みのベースラインが流れ,それに空間系のエフェクトの効いたギター(布袋寅泰)が入り,ジュネのしゃがれたヴォイスが乗っかると,ウォ〜という感じですね。歌詞も何気に退廃的で非常に音と合っていてよろしいです。昔(というか買ったころ)はそんなにいいと思わなかったのですが,今聴くとすごくよいですね。なんせ,若いころはやっぱりストレートな歌詞が好きだったので。しかし,結構ポップなメロディーラインだったりする。
 2曲目の“Freind”はギターの泣き叫ぶようなカッティングからベースラインが入り,疾走感のあるドラムが入り・・・と書くと結構パンクっぽいんだけど,メロディーラインはこれもポップだったりする。歌詞も「I Love The Dead 君とならば許し合えるさ,オトモダチだから」なんて歌詞をサラッと唄っているんですけど,どう考えても普通のオトモダチに思えないのはジュネらしいというか。
 3曲目の“破壊へ”はエレピの音とドイツ語っぽいナレーションが少し入った後にバンドの重々しい音が入り,「凍り付くベルリン,悪魔に惑わされ・・・」と歌い始める,当時の写真でナチスキャップをよくかぶっていたジュネらしいナチスを賛美するような歌詞も見受けられるんですけど,ナチス現代社会を重ね合わせ批判しているところはさすがジュネですね。
 4曲目の“Identical Nightmare”はエフェクトを掛けまくったギターのカッティングとチョッパーを決めまくるベースのイントロも格好いいんですけど,これに乗っかるポップなメロディーラインがカッコイイ曲です。「あなたがしくじったこと,みんな僕がやってやるさ。私はあなた,あなたは私,夜も昼も夢の中」っていうところが素晴らしい。これも結構,ナチスがテーマっぽい曲です。
 5曲目の“戦場”は重々しいギターのカッティングで始まり,そこにフリーキーなサックス,タムを多用したドラムがなだれ込み,一気にカオスな世界を展開しています。ちょっと駆け足気味はジュネのヴォーカルもカッコイイです。「混乱は秩序によって生み出され,生命の果てに安堵感を得るなんて。」という歌詞はどうやったら書けるのか,私には分からないです。でもこのフレーズはカッコイイですよね。
 6曲目の“Feature Sex”はこれはもうポップなロケンロールです。タイトルどおりというか,2001年宇宙の旅というか,ようするにセックスマシンをイメージした唄です。ギターが途中で中国っぽいフレーズを弾くのもご愛敬で。
 7曲目の“パンビレラ”はイントロのベースラインがもろ私好みで,そこにサックスが絡み,ザクザクとしたギターのカッティングが気持ちいい曲です。歌詞としては妖しい娼婦(それとも彼女?)の唄です。ジュネがサラッと歌っているので卑猥感はそんなにないのですが,歌詞だけ読むと結構くるものがあるのですが,そこは割愛させていただきます。
 8曲目の“異国の幻想”は静かなギターのダウンストロークにチョッパーなベースが絡み,サックスがメロディーラインを奏でると,ちょっと感じの代わった曲なんですけど,唄が始まると結構レゲエっぽい曲になっているのに,間奏にはいるとロックっぽくなったりするんですけど。ここではジュネの裏声ハイトーンヴォイスが聴けたりしていいです。「夢・・・夢の中で君に会えた。」とあるようにジュネにとっての,また我々にとっての憧れの異国は夢の中にしかあり得ないのかと思ってしまったです。
 ラストナンバーの“レクイエム”は多分ヴォコーダーでいじったヴォイスが流れ,そこから疾走感のあるバンドの音にフリーキーかつパワフルなサックスが絡む,めちゃカッコイイナンバーです。ラスト兼タイトルナンバーに相応しい曲ではっきり言って,めちゃカッコイイです。歌詞も「火を放て闇の舞台よ。燃やし尽くせ。役者どもは全ての台本破り捨ててお祭り騒ぎさ。」とか「叩き壊せ,全ての価値を逆しまなままに。思うがままに揺れる炎の中,全てを美しく燃えるさキラメケ。」とかもう,私的にはカッコイイフレーズのオンパレードです。最後に滅びゆく時代へのレクイエムをジュネが叫ぶのですが,ボコーダーのヴォイスと重なっていて,よく聞き取れないのですが,バックの音と相まって非常にカッコイイエンディングになっています。曲が終わると同時に「サンキュ」と言い残してこのレコード(そういえばライヴ版であることを説明していませんでしたけど。)は終わるのですが,最後まで非常にカッコイイです。
 聴く機会があればぜひ聴いてほしいですね。日本のアンダーグラウンドなロックの名盤だと私は思っていますので。そう言えば,これを聴きながら思いだしたんですけど,昔はカセットテープにレコードをダビングして普段は聴いていたんですけど,本当に昔は46分の次は60分しかなくて,このレコードをダビングするのに46分テープを使ったら,最後のレクイエムが入りきらなかったんですよね。今回はWindows Media Playerに入れてMUVOにダビングしたので,しっかり最後まで,しかも途切れることなく(カセットだとA面からB面まで早送りしないといけなかったので。)AUTO-MODを楽しめて,いい時代になったなぁ・・・と本当に実感しました。
 まぁ,大体,700曲以上流しっぱなしなんてウォーキングカセット時代じゃ考えられなかったもんなぁ・・・しみじみいい時代になったもんですよね。
 次回は多分,あざらしのアザラシイズムについて書くんだろうけど,THE STALINファンの私のハートをがっちり捕まえてくれるかどうか楽しみにしておきたいと思いますです。