ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

Just Like a Boy/遠藤ミチロウ


 短かったような,長かったようなゴールデン・ウィークも今日で終わりだ!まぁ,一応家族サービスもしたし,適度に運動もしたし,毎年恒例の豪雨の中,高速道路ひた走りもしたし,まぁ,よろしいんではないでしょうか。
 明日から,スッキリ切り替えて仕事をしないとね(そもそも5時に起きないといけないしな。)

 というわけで,前回,予告したとおり,今回は遠藤ミチロウのDVDの話を。そもそもこのDVDは,昨年の11月11日から15日に行われたデビュー25周年&生誕55周年を記念した5夜連続ライヴをDVD化したもので,ミチロウさんのホームページでも書いてあったとおり,今の遠藤ミチロウを全て見せるべく,ソロ,M.J.Q,NOTALIN'S,遠藤兄弟,Touch Meで演ったライヴがなぜかDVDになったもの(しかし,DVDの発売元がテイチク(帝国蓄音機)なのも,なんかすごいな〜)で,いぬん堂掲示板で発売の告知があったとき,喜び勇んで購入ボタンをクリックしてしまいましたですよ。
 しかし,一言で言って,アンプラグド・パンクそのものですよ。スターリンのころと変わらない(もしかするとバンドの音圧に頼っていないから,それ以上かも。)圧倒的な迫力に圧倒されっぱなしですよ。

 1曲目の“お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました”は,ベトナム伝説でのゴリゴリのハード・パンク・ラップをアコギ1本でやってしまっているんですけど,全然遜色なしです。グイグイとミチロウのヴォイス(ミチロウの場合,ボーカルというよりもこっちの方が似合うと思う。)に1曲目から引き込まれてしまいました。
 2曲目は,スターリン時の名アルバム「虫」のタイトルチューンの“虫”ですけど,これをM.J.Q(ミチロウ,J.山本,クハラカズユキ)のアコギ2本+ドラムというユニットでどうあの音圧感を出すのかと思ったら,これがとんでもないですよ。ドラムのたたき出すリズムにミチロウのヴォイスが乗っかるだけで,すさまじい音圧感が出るんだもの。これを聴く(見る)だけでもこのDVDを買った甲斐はあるかも。
 3曲目はソロから“オマエ”で,ちょっと可愛い感じの曲ですかね。いや,前の2曲がハードすぎるので。
 4曲目の“カノン”はNOTALIN'S(ミチロウ,石塚俊明,坂本道弘)のアコギ,チェロ,ドラムのユニットで,ミチロウの弾き語りに坂本のチェロとパーカッシブなトシのドラムが絡むという感じで,淡々としながらも美しい仕上がりになっています。
 5曲目はNOTALIN'Sのトシのインタビューを挟んでスターリンの“電動コケシ”をミチロウの弾き語りで。スターリンの電動コケシを知っている人間としては,あの曲をどうやってソロでって感じだったんですが,いい感じでブルーズっぽく弾き語りつつ,ハープを吹き鳴らしつつ,格好良く仕上げていたので,ちょっと感動しましたです。
 6曲目は,ミチロウ・ゲット・ザ・ヘルプの名曲(迷曲?)のリニューアルチューン“オデッセイ 2005 SEX”をM.J.Qでプレイしています。いや〜原曲のファンクでパンクなラップがどうなることかと思ったのですが,ドラムと叩きつけるようなミチロウの叫びだけで充分,原曲を上回るパワーですよ。カッコイイです。
 7曲目はミチロウソロで“我自由丸”を。初めは「われじゆうまるって何?」って思っていたのですが,「がじゅまる」のあて字なんですよね。しっとりとしてイイ曲です。
 8曲目もM.J.Qで“音泉ファック”なんですけど,とつとつとしたミチロウの語りから「音泉ファック!」と叫んで始まるところがカッコイイです。ぬるいのはきらいだぁ〜!
 M.J.Qのインタビュー(クハラカズユキの「聖子ちゃんのバックでドラムを叩いているような心境です。」には笑ってしまいましたけど。)を挟んで,9曲目はスターリン時の名曲“コルホーズの玉ねぎ畑”をソロで。テンポは少し落としていますが,スターリン時と変わらないテンションで,本当に55歳なの?って感じですね。
 9曲目の“父よ、あなたは偉かった”はNOTALIN'Sの演奏で,ちょっとミチロウのギターのチューニングがおかしいかなって感じはありますが,クハラカズユキと違ってフリーキーなトシのドラム,それに絡みつく坂本道弘のチェロ,その中を淡々とアコギでリズムを刻みながら,叫ぶミチロウ,凄すぎです。個人的にはこのDVDの2つ目のハイライトかな。
 10曲目は,NOTALIN'Sのインタビューを挟み,遠藤賢司との遠藤兄弟による“天ぷら”ですが,はっきり言って,アコギ2本だと何となく,チャゲアスとかさ,あんな感じをイメージするんだけど,全然違ってロックですよね。エンケンの叫びとミチロウの叫びが交差するエンディングなんてすごいカッコいいです。というかこの2人の年齢を合わせれば100歳は超えているはずなんだけど,そんなことなんて全く関係なしで全開のロックンロールです。というか凄すぎです。
 11曲目はエンケンのインタビューを挟んで,ソロで“ア・イ・ウ・エ・オ”をしっとりと聴かせてくれます。
 12曲目はM.J.Q with 戸川純で“21世紀のニューじじい”を。戸川純の壊れっぷりもカッコイイですが,ミチロウがアドリブで「21世紀のニューばばあ!」ってやるところなんてカッコ良すぎ!ですな。もちろん,最後にT.REXの20th Century Boyのリフが入ったりして,結構遊んでいたりもしますし。
 で,ラストはミチロウソロで“Just Like a Boy”を。「まるで少年のように旅に出よう」と歌うミチロウは,55歳でありながら,少年のようにではなく,そのままだと思ったんですけど。

 しかし,職場の55歳っていうと,なんかくたびれて・・・という感じなんですけど,ミチロウは本当にすごいなぁ・・・と思っていたのですが,1つ感じたことを。
 ドラム+アコギのスタイルって,私がやっていたドラムマシン+アコギの発展系ではないかと。というか,パンクが好きで,でも一人で演っていてという私が目指していたスタイルがここにあったという感じですよね。
 私もそのうち音楽活動を再開することがあれば,ミチロウみたいにドラムは無理でも,やっぱりドラムマシン+アコギでやるしかないなと思いましたですよ。
 というか,いわゆる“ストリート系”とか言って,やわやわな歌を歌っている連中を快く思っていない,在りし日のアンプラグド・パンクス諸君!買うしかないって,このDVD,本当に!(ただ,Touch Meが中村達也の権利関係で入っていないのが残念ですけど・・・)