ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

TKO NIGHT LIGHT/PANTA&HAL


 今回が祈念すべき100回目だと思って,これまで回数とネタだけカウントしていたネタリストにアップ日も入れておこうと思って,ネタリストを整理していたところ,何と前回が記念すべき100回目であることが判明してしまいました(T_T)
 しかし,まぁ,友部正人さんは大好きだし,“どうして旅に出なかったんだ”も大好きなアルバムなので,友部正人さんで100回目を向かえたことを喜ばしく思うことにしておこう。

 で,101回目なんですけど,気分も新たに最近の音でもと思ったものの,最近,私の触手というか琴線に触れるものがないため,今回も昔のアルバムの中から,個人的には80年代ロックの名盤と思っている,PANTA&HALの“TKO NIGHT LIGHT”を取り上げたいと思います。私がPANTAを好きなのは,頭脳警察のころからそうなんですけど,ハードな唄とスイートな唄が同居していて,どちらも素晴らしい(とはいえ,PANTA&HAL解散後のソロはスイート路線2部作で結構不評だったけどさ。)ということですね。頭脳警察でも“革命三部作(世界革命戦争宣言,赤軍兵士の唄,銃を取れ)というメチャ過激なナンバーと“さようなら世界婦人よ”というメチャスイートなナンバーが同居していましたしね(私的には“銃を取れ”も“さようなら世界婦人よ”もどっちも好きなので。)。
 頭脳警察解散後はソロを経てPANTA&HALを結成し,2枚のアルバムを発売した後,ライヴアルバムでもある“TKO NIGHT LIGHT”を発売し,PANTA&HALは解散して,長いソロ活動,その後平行して頭脳警察ということなんですけどね。
 1曲目は“HALのテーマ”という未発表曲でイントロのギターのカッティングがカッコイイ曲です。バンドのテーマソングということもあり比較的短めな曲です。
 2曲目の“螺尾”も未発表曲です。これもギターのカッティングから始まるカッコイイ曲なんですけど,螺尾って何なのか未だに分からないんですけどね。
 3曲目の“フローライン”は少し重ためのナンバーでちょっと革命チックなナンバーです。「はるかなキャタピラの音が闇をふるわせ,すべては幻」っていうところはカッコイイです。で,この曲の歌詞にはフランス語が入っているため,意味がところどころ分からなかったのですが,調べてみたらどうもローザ・ルクセンブルグっていう女性革命家の唄みたいですね。
 4曲目の“キック・ザ・シティ”は少しアップテンポなロックンロールナンバーで女が出て行った後の情景なのかなぁ・・・と思うんですが,でも「愛想づかしの捨て台詞にキック・ザ・シティ」っていうところは格好良くもなさけないですけどね。
 5曲目はタイトルナンバーであり,かつこれも未発表曲の“TKO NIGHT LIGHT”ですが,これがカッコイイんですよ。本当。ラップなんてなかったころに韻を踏んだ歌詞が気持ちよく決まるんですけど「今日もどこかの駅で電車に飛び込み自殺,おれをあざ笑う役立たずの一万円札」なんて歌詞はPANTAにしか書けないのでは?
 6曲目の“マラッカ”はオリジナルでは結構ラテン系のナンバーだったんですけど,このアルバムではハードなナンバーに変わっています。歌詞はタイトルからご想像ください。
 7曲目は,あの大名曲“つれなのふりや”で,なぜに「つれなのふりや,すげなのかおや」なのかはPANTAにしか分からないとしても,「おれの声が聞こえるか,おれの声に応えるか,おれの舟に乗りたいか,おれと海を渡れるか,おれに舵をまかせるか,おれに身体をあずけるか」とレゲエっぽい裏打ちビートで唄われると,一緒に叫びたくなりますよね。当然,ライブ盤なので,観客の叫びがたくさん入っています。
 8曲目は,これも個人的には大名曲の“裸にされた街」というスローなナンバーで,私もよくギター1本で唄っていたです。特に「祈りを忘れたシスター,言葉をなくした詩人,笑いを拒んだ子供たち,叫びを捨てたRock'nRoller」っていうところはたまらないですね。
 9曲目の“ステファンの6つ子”っていう曲も静かな曲なんですが,非常に力強い曲で,多分,病気で入院している子供に送った唄だと思うんですけど。「四角い小さな部屋の中にもでっかい世界がころがって,きみに蹴られるのを待ってるはずだよ。傷ついた身体に安らぎはないさ。あるのは確かな真実だけさ。父よりたくましく,母より優しく,ステファンの6番目の子供になって」というところはPANTAのやさしさをすごく感じるところですね。
 10曲目の“屋根の上の猫”はソロのときのナンバーでメチャカッコイイ曲です。なぜ故に「いつかなぜかきっと猫になる。そして,そのまま,また屋根の上」なのかはPANTAにしか分からないと思いますけど,猫好きな私としては,これでいいです。
 11曲目は“マーラーズ・パーラー'80”で,これもソロのときのナンバーをよりハードに焼き直したナンバーで,歌詞は一見意味不明ながらもカッコイイナンバーに仕上がっています。特に「夜に毒された路地裏に腐りかけた愛を見たとき,雨に満たされた軒先でオレは星がはじけ飛んだと信じた。階段の下で震えてた,ねずみが明日を見つめるように,時の流れに身を任せ,今日もぶらぶら電気の街を」だなんて,なかなか書けないと思います。
 12曲目の“モーター・ドライブ」は女を隠し撮りしている男がテーマなんですけど,これがなぜかカッコイイ曲なんですよね。
 13曲目の“臨時ニュース”は多分天皇崩御時をイメージした唄なのではないかと思うんですけど。確かにその後,こういう感じになったしね。
 14曲目の“ルイーズ”は試験管ベイビー(当時は体外受精が非常にニュースになっていたんですよ。)だった女の唄ですけど,これもヤケクソな感じがカッコイイです。「ルイーズ,きわめつけのダンスをしまった足首でキメてくれ」というところもちょっとイヤらしくていいです。
 15曲目の“Baby good night”も未発表曲で,これはポップでもろラヴソングです。付き合っている彼女と時間なので別れなきゃいけない,よく読むとなさけない唄なんですけど「見送るのは好きじゃないから,ここでお別れさ。今夜は夢の中できっと暴れだすだろう」というところは非常に分かりますね。
 ラストナンバーは“タッチ・ミー”でこれも未発表曲ですね。これもストレート(すぎる)ラヴソングでしかもロックナンバーに仕上がっています。「タッチ・ミー いまどんな気分だい,満足できるかい,ジャンプ・アップ・スタンド・アップ」っていうところは非常にライヴ向きの歌詞だなぁと今さらながら関心しました。

 しかし,このアルバムが発売されたのは1980年なのでもう25年も前になってしまうのか・・・と思いつつ,久しぶりに聴いたら,色褪せないPANTAのRock'nRollに目一杯やられてしまったですね。
 PANTA頭脳警察の新しい音源(過去の発掘された音源なんかは出てますけど・・・)がでたら聴いてみたいなと思っています。
 そしたら,またネタにしようかな。