なんか最近,PASSレコードが復活して,FRICTIONの“軋轢”が再リミックスしてDVD付きで発売されているというのを見かけたので,今回はFRICTIONの音源について少しお話をしたいと思います。
なんて言うか。FRICTIONのすごいところは,結局,メンバーチェンジがどんなにあっても,曲調が変わっても,ボーカル兼ベースのレックがいればFRICTIONになるところですかね。
実際,“ZONE TRIPPER”はディストーションの効いたギターが中心の比較的シンプルなビートのハードロック系(発売当時のインタビューでレックはMC5の音を目指したと言っていたと思う。)の音ですが,前作(と言っても7年前)の“Replicant Walk”では,シンセ系の音がメインの音で,変拍子的なビートのジャス?系だったのですが,2枚連続で聴いたとしても,ほとんど違和感はないですね。
で,このアルバムについてですが,音的には1stの“軋轢”に近い音なのではないかと思います(というよりも東京ロッカーズから活動していて,スタジオ盤が,“軋轢”,“SKIN DEEP”,“Replicant Walk”,“ZONE TRIPPER”の4枚というところも格好いいですが。)が,“軋轢”がいかにもスカスカな音だったのに比べて,“ZONE TRIPPER”は結構,厚めな音で個人的には“軋轢”よりも格好いいと思いますです。
で,FRICTIONで格好いいなと思うところは,文字で見るとなんなんだっ?ていう歌詞が音と一緒になるととてつもなく格好いい(どこかの対談では「レック語」みたいに書かれていたけど。)ということですね。例えば1曲目でタイトルナンバーの“ZONE TRIPPER”では「LAZY さわると響くDOOR,FANCY 気ままにぬけるDOOR。だれかがIN I GOT OUT 一人で抜けるZONE。CRAZYに何かが誘ってコア」だなんて,文字だけ読むとなんだこりゃなんですけど,これがバックの音と一緒に歌われると,なぜか説得力が生まれ,格好良くなるんですよね。あと,このアルバムで私の一番好きな“CHOKE”っていう曲でも「GET わり悪いSIDE,暗いバクハツ未来の。夢のまぜこぜNO SIDE 酔って良くなってBREAK」っていう感じで歌詞カードだけ見るとこれもなんじゃこりゃって感じなのですが,これも音として聴くと,そりゃあもうカッコいいのなんのってという感じですね。
ところで,よく考えたら,この“ZONE TRIPPER”は1995年発売なので,既に10年が経過しているんですが,今聴いてもちっとも古くささを感じないっていうことは,パンクやNEW WAVE(これも,今となっては笑えるカテゴライズだけど)を経て,FRICTIONの音が普遍的な音になったのか,それとも私の耳がちょっとやそっとの音ではもはやビックリしなくなったのかのどちらかなんでしょうね。
あ〜今回は金曜日の深酒が残っており,体調が万全でないので,この程度にしておこう・・・