花田さんとかRock'nRoll Gypsiesとかは結構語りやすかったんだけど,正直な話,THE ROOSTERSそのものは語りにくかったんですよね。それは,高校時代,私の通っていた学校では,なぜか,THE MODSとTHE ROOSTERSがやたらと流行っていて,学祭のときは,どのバンドもTHE MODSの“冷たい雨が”かTHE ROOSTERSの“DAN DAN(Let's Rock)”をやるもんで,ウンザリしていたことと,初期のレコードジャケットのあの,あまりのヤンキーくささにちょっと嫌な感じを受けて,自分的には封印していたところがあるんですよね。まぁ,その後,“ニュールンベルグでささやいて”というとんでもない曲にやられちゃって,中期以降は結構好きだったんですけどね。しかし,Rock'nRoll Gypsiesでやった“FOOL FOR YOU”なんかを聴いて,素直に格好いいじゃんと思えたので,そろそろ自分的な封印を解いても良いのかな・・・という感じで,つい最近,1stのこのアルバムを購入し,聴いてみました。聴いてみて感じたのは,高校生のときの恋愛感情というか,本当,「オレはただオマエとやりたいだけ!」という感じが,以前紹介した私の自主制作テープ“THIS IS ( )SONG!”に通じるものがあり,もっと早く聴いておけばよかったかなって思ってしまったですよ。
で,本論に入ろう。1曲目の“TEQUILA”ですが,「チャッチャカチャカ,チャッチャッチャチャンチャン,チャッチャカチャカッチャ,テキーラ!」ていう結構有名なインストナンバーですが,1stの1曲目でこんなのを持ってくるとは,ふざけてるのか,ウケ狙いなのか,よく分からんですな。
2曲目は“恋をしようよ”という曲で,なんか私の“恋をしようぜ!”という曲と似たようなタイトルだなぁと思っていたら,言っている内容も同じで,私が「Hey!How are you.Let's Making Love」と歌っているところが「そんなことはかまっちゃいない,俺はただおまえと やりたいだけ」という感じで,いや〜なんか共通項を感じる歌詞ですねぇ。
3曲目はエディ・コクランの“C'MON EVERYBODY”のカバーですが,SEX PISTOLS(というよりもシド・ヴィシャスですか?)のカバーよりも3倍は格好いいと思いますけどね。
4曲目は“MONA(I NEED YOU BABY)”ですが,これもカバー曲らしいのですが,元歌を知らないので,コメントは避けますが,個人的にはズンドコしたドラムとギターのカッティングが格好いい曲です。
5曲目はRock'nRoll Gypsiesでもやっていた“FOOL FOR YOU”ですが,個人的には花田の声が好きなので,Rock'nRoll Gypsiesの演っている方が好みかな。
6曲目は“HURRY UP”はハイスピードのロックンロールで格好いいです!としか言いようがないです。
7曲目の“IN AND OUT”はインストナンバーなんですが,古いリズムアンドブルースにこんなパターンがあったかな?という感じの曲です(RCサクセションの“ボス!しけてるぜ”も確かこんなリフだったような気がする・・・)。
8曲目は“DO THE BOOGIE”ですが,これはTHE ROOSTERSの曲でなくて,柴山・鮎川(SUNHOUSEですか?)の曲なんですね。しかし,この曲についてはHEATWAVEが曲の中でやったバージョンの方が跳ねた感じでよかったと思います。アレンジ的にもやっぱりSUNHOUSEという感じもあります。
9曲目の“新型セドリック”歌詞は情けないけど格好いいロックンロールナンバーです。ひょっとしてTHE ROCKERSの“キャデラック”(曲は山善だけどね)に対向しているのかなぁとちょっと思ってしまったけど。
10曲目の”どうしようもない恋の唄」は,なさけなさ全開のめちゃくちゃいい歌ですね。なんかこの曲を聴いたとき,昔,捨てられた女の娘のことを思い出してしまったですよ。「あの娘の体 想い出して,一人であれを」だなんて,青春すぎますぜ。
11曲目の“気をつけろ”もイカしたロックンロールナンバーでこれ以上言うことはないですな。
で,ラストナンバーは名曲と言われる”ROSIE”なんですが,私的には先に聴いたダヴバージョンがメチャクチャ気に入っていた(“ニュールンベルグでささやいて”のカップリングだったと思う。)ので,このソリッドな感じの“ROSIE”も悪くはないけど・・・って感じかな。でも多分,どっちのバージョンを先に聴くかで印象が変わると思うので,これはあくまでも個人的な見解ということで。
で,このアルバムの聞き所は,やっぱり大江慎也のなさけないラブソングを格好いいロックンロールナンバーに変身させているところではないか?と思う私です。
昨年はメンタル面で潰れていた大江慎也がUNで復活し,BOX SETの発売に合わせて再結成するなど,伝説のバンド復活と話題を振りまきましたが,今年は花田さんが柴山俊之と菊花賞なんてユニットを始めるなど,THE ROOSTERSうんぬんではなく,当分は目を離せない感じですね。