ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

IDEOLOGY COOKING/MESCALINE DRIVE


 今回は,SOUL FLOWER UNIONの前身バンドの片割れであるMESCALINE DRIVEのこのアルバムについて書いて見ることにします。

 私は元々はSOUL FLOWER UNIONの前身バンドのもう一つの片割れであるNEWEST MODELのファンだった訳なんですが,あんまりMESCALINE DRIVEには興味がなかったんですね。というのも,MESCALINE DRIVEのキャッチフレーズ的なものが「サイケデリックな音にパワフルな英語ボーカルが乗っかる」って感じだったので,当時の私としては「サイケ?うーん・・・英語詩・・・意味わかんねーよ」って感じであまり触手が動かなかったのですが,SOUL FLOWER UNINON結成後の明治大学の大学祭でのライブでMESCALINE DRIVE時代の“SISTER,SAY NO!”を演ったのを聞いて,内海洋子のボーカルにやられちゃったんですよね。
 それから,とりあえずベスト盤のRESPECTABLE SINGLESを買って,はまりまくっていたんだけど,中古盤屋や再発でポツポツと全て買いそろえたんだけど,個人的には,今回,紹介するIDEOLOGY COOKINGが一番かなぁ〜というのが私なりの感想です。
 
 普通,バンドの勢いとかはファーストアルバムに凝縮されていると思うのですが,インディー時のデビュー盤であるDEEP MORNING GLOWもメジャーデビュー盤のSPOONY SELFISH ANIMALSも確かにいいんだけど,私的には中川敬奥野真哉が全面的に参加したこのアルバムが言葉的にも音的にもベストなんでないかいと思うのですが。
 曲も私的には名曲揃いで,“龍宮へようこそ”,“正体不明の被害者意識”,“IDEOLOGY COOKING”,“BLOOD-GO-ROUND”,ノスタルジア・シンドローム”などの名曲が全10曲中に5曲もあって(中川敬の雄叫びが聞ける,ラストナンバーの“バイバイ龍宮”も大好きですね。)。

 なんていうのか,この当時の伊丹英子のソングライティングは,「小難しいことは言わず,簡単な言葉で自分の身の回りの小さな状況を批判することによって,社会にプロテストする」という,非常に難しいことをやっていたわけで,例えば,“龍宮へようこそ”では「目の覚めるような,ホラ絶望があるよ。龍宮へようこそ,この島へようこそ」とサラッと日本批判をしたり,“正体不明の被害者意識”では「そうそう僕らは都合がいいぜ。同情心なら高く売れまっせ。君はいつでも言い訳がうまい。正体不明の被害者意識」だなんてカッコ良すぎです。また,タイトル曲の“IDEOLOGY COOKING”では「台所で君はあたり前を料理する。台所で君のあたり前を料理する。時代の憂うつをざるにあげ,互いのお家を抜き取って,2人の思いをふりかけて,幸なる未来をたきあげる」と,家制度やこれまでの男女間に疑問を示しながら,ポップでキャッチーな曲を展開しています(ちなみのこの曲は伊丹英子がアイドルボイスで歌っているので(笑))ので,今,20代の女性にぜひ聞いてもらいたいと思うんだけどな(しかし,入手しにくいのが難点かな?)。

 で,今は内海洋子はソロに,伊丹英子はドーナルラニーの嫁さんになってしまい,このアルバムのころとはすっかり変わってしまったけど,“BLOOD-GO-ROUND”で「目に見える絶望を父親は与え,目に見えぬ圧力をお母親が与え,軽蔑の空笑い食卓を埋めて,子供らは念願の謀反を起こす」と書いた伊丹英子も空ちゃんの親になってしまったわけですが,やっぱり,“BLOOD-GO-ROUND”となってしまうのかなぁ・・・なんて余計なお世話ですか?