ようこそ!このプログは,地方都市在中の私ことフルカワヒロミという腐れ外道が,これまで音楽活動等をする際に使っていた自己オフィスが有名無実化していることを嘆き,個人的な情報発信(というか,音楽を中心に好きなモノを好き勝手に語る)の場として,皆様のお目汚しを気にせず,書き殴っているものです。これを読んで同調してもらえたり,興味を示してもらえれば光栄ですが,なにせ不親切きまわりない内容ですので,更に深く調べたい方はリンク先やGoogle等の検索サイトでお願いしますm(_ _)m

A LONG VACATION/大滝詠一


 子供が生茶パンダゲームが欲しいって言うので,毎日,生茶を飲んでいますが,一向にしてゲームがゲットできそうにありません。やっぱり,くじ運のない親の子だけあるわなぁ・・・
あと,今週で応募期間も終了なので,たぶん,ダメなままでしょうな。

 で,家でビールを飲みながらテレビをボーっと見ていると,生茶のCMが丁度始まり,聞き覚えのあるイントロの後,「く〜ちびるぅ〜つ〜んとぉ〜とぉ〜がらぁ〜せぇ〜てぇ〜」とあの懐かしい歌声が聞こえてきました。

 大滝詠一を知らない人はいないと思いますが,この“A LONG VACATION”が発売されたときも,既に大滝詠一はレコーディングがひたすら続行中で,いったいいつ完成なの?って感じでしたが,やっとこのアルバムが発売されたとき,そのジャケットの美しさ(これもLPだったからこその利点でしたね。)とそのポップスの王道という感じで,フォーク小僧兼パンク小僧だった私も素直にやられてしまいました。

 特に,このアルバムでは,松田聖子とかの作詞で,作詞家としての揺るがない地位を築いたはっぴいえんど自体からの朋友,松本隆の歌詞と大滝詠一の作曲,アレンジが絶妙に混じり合い,トータルとしてとてつもないアルバムとなっています。
 で,音の方も,80年代にフィルスペクターサウンド(wall of soundって奴ですな)を再現するというとてつもない試みを実践しており,実際,当時の音楽誌(当時の私は,自由国民社から発行されていた新譜ジャーナルという本を愛読していました。)では,「CBSソニー信濃町スタジオに全ての楽器を集め,せーの!で録音された」ということでした。打ち込みやドンカマを聞きながらパートごとのレコーディングが当たり前になった今ではとても考えられない(というより,そんなやりかたはレコード会社が予算上許してくれないでしょうな。)し,あの当時でも,とんでもないという感じでした(大滝詠一の音へのこだわりは,その後,東京で行ったコンサートで,観客にFMラジオとヘッドホンを貸与し,スピーカーからでなく,FMラジオを使うことにより,クリアーでキチンと分離された音をライブでも再現するということをやったこともありました。)。

 で,音のことばかり書いてきましたが,このアルバムは歌詞もいい歌詞が多いんですよね。
1曲目の“君は天然色”はポップなメロディー全開の中で「思い出はモノクローム,色を付けてくれ。もう一度そばに来て,はなやいで美しのColor Girl」と別れた彼女のことを今でも忘れられない男の気持ちを歌っていますし,大滝詠一のこのアルバムでの唯一のシャウトが聴ける曲“我が心のピンボール”では「はにかみやが愛の唄を作り,風の部屋でカセットをまわした。観客は君だけ,相手はなしさ」と,ものすごく,当時の私の胸を打つ言葉があったり,“雨のウェンズディ”では別れのシーンを描きながら,直接的な言葉は用いることなく,メロディーと風景を切り取った歌詞だけで,全てを伝えていたり,“恋するカレン”にいたっては「振られるとわかるまで,何秒かかっただろう。誰か話しかけても僕の目は上の空,君に釘づけさ」っていう歌詞を何度ギターを弾きながら家で歌ったことやら・・・

 これもはっきり言って20年以上前のアルバムですが,今聴いても,全く古さを感じないし,やっぱり名盤と呼ばれるものは,いつまでもいいのではないかなぁ・・・

 で,大滝詠一は,その後,“Each Time”をリリースした後は,オリジナルの音源を発表していないのですが,この2枚でもうやりたいことはやり尽くしたというのであれば,それはそれで素晴らしいことではないかと,リスナーである我々は,この歴史的名盤をいついつまでも愛聴していると・・・ということになるのかな。