加川良っていうと,どちらかというとURCレコード時代のいかにもフォークっていう感じの方が有名ですが,今回紹介するこのアルバムは,1996年にバンド形式(というよりもハードロックだな,これは。)で発売されたアルバムです。
基本的にはライブハウスでのライブを一発取りしたものらしく,バックのTE-CHILI(g:有山じゅんじ,Ba:藤井裕,Dr:ロジャー)も気持ちのいい音を出していて「でっかい音で聴いてくれ!」の帯どおり,本当に大きい音(ヘッドフォンです。念のため。)で毎日気持ちよく聴いていました。
さて,入っている曲は,ファーストアルバムの「教訓」から未だ再発されていない「プロポーズ」までの曲を中心として全9曲(ボーナストラックとしてベースとボーカルだけの曲が入っています。これもすごくいいです。)となっています。
中でも,私の好きな「親愛なるQに捧ぐ」というセカンドアルバムからは「下宿屋」,「親愛なるQに捧ぐ」の2曲がセレクトされており,私は特に「親愛なるQに捧ぐ」をコピーして,自分のライブでも歌っていたのですが,こういう音で,この曲を聴くことができるとは夢にも思っていませんでした。まさに「歌は世につれ,風まかせ。コンコン歌うはキツネかタヌキ」ですね。
しかし,わがままを言わせてもらえれば,この音でプロポーズに収録されていた「HELP」を聴きたかったですね。「おまわりさん,早く来て。悪い奴らを捕まえて。Rock'nRollが止められないんだ,悪い奴らを捕まえて」という歌を,この気持ちのいいバンドサウンドで聴きたかったと思っています。
ちなみに,このプロポーズというアルバムは,昔,松山千春が立ち上げたNEWSレコードというところから発売され,今もCD化がなされていません。コラ,松山千春,ムネオなんぞに肩入れしているヒマがあったら,この名盤を早く再発せんか!
「日本海が広がっている」をクリアな音で聴きたいんだよ,私は。
でも,本当,お願いしますは。誰でもいいので。