2回目はどのレコード(基本的に自分の家にあるレコード等のことを語っています。)にしようかなぁ・・・と思ったのですが,私に「自分の言葉で歌を歌う」ということを教えてくれた,友部正人さんにするしかないと思いました。
友部正人さんは,URCレコードから1972年に「大阪へやって来た」でデビューし,その後,数多くのアルバムを発表,多くのアーティストに影響を与えたシンガーです。友部正人さんのすごいところは,誰とやっても友部正人でしかないということにつきると思います(過去,The Grooversをバックにしたアルバムや,たまとの共作がありましたが,「友部正人の歌」は少しも揺るがない(変わらない)ものでした。)。
にんじんは,友部正人さんの2枚目のアルバムで,もちろん私はURC版ではなく,1970年代末の第一次URC再評価時にSMSレコードから再発したものを購入(「大阪へやって来た」と一緒に購入。)したものです。当時はいわゆるニューミュージック全盛時で,「にんじん」でのボーカル。ギター,ハープだけの演奏は,ギター1本でコピーをしていた私を元気づけるものであり,またラブソング全盛時に,恋愛感情以外の自分の気持ちや,それに関わる風景を切り取って詩にすることを教えてもらったような気がします(なお,「にんじん」には,浅間山荘事件を題材にした“乾杯”や高岡でのカミナリ族の乱走を題材にした“トーキング自動車レースブルース”がありますが,もう30年も前のことなのに,歌としての古さを感じさせません。これは凄いことだと本当に思います。)。
ハッキリ言って,自分で詩を作って歌っている人にとっては全ての曲がおすすめですが,そうでない人にも,“一本道”(ガガガSPがカバーした。),“にんじん”,“長崎慕情”,“君が欲しい”など,聞いて損はない歌がたくさん入っています。
なお,URCレコード関係については,現在はエイベックスが権利を持っていて,再発しているようですので,Amazonで検索すれば簡単に入手できると思います。